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手塚治虫【日々のツイトレ】

※2020.2.7friのTwitterトレンドワードより


手塚治虫先生の名前がトレンドに上がったので、リメイクアニメ制作か、リメイク漫画スタートか、田中圭一先生が何かやらかしたか……などと思いながらツイッターを開きました。

AI手塚治虫!


“手塚治虫らしさ”をAIが学習、新作漫画「ぱいどん」誕生 「モーニング」に掲載(ITmedia NEWS)

 キオクシア(旧社名は東芝メモリ)は2月7日、手塚治虫さんの作品を学習したAIを使って制作した漫画「ぱいどん」を、2月27日発売の「モーニング」(講談社)に掲載すると発表した。AIが手塚作品のストーリーとキャラクターの特徴を学習。AIの分析結果を基に、人間がシナリオ制作や作画を行ったという。


プロットとキャラ作りまでAIがこなしていて、実際のシナリオ・作画制作は人間が行なっているということです。

技術的なことはサッパリわかりませんが、ここまでくると、ある程度の指定をすることでシナリオ作成、作画はコマ割りから構図や筆致まで手塚治虫作品を模倣再現する日が遠くないんじゃないかと想像を巡らせてしまいます。

その作品が、一体誰の作品として世に出るのかは気になるところですが、AIの芸術分野でのアプローチのひとつであることは確かです。


往年の著名人をAIで蘇らせる「AI誰々」という名称は、昨年末「NHK紅白歌合戦」で見た「AI美空ひばり」の印象が強いのではないしょうでしょうか。見てなくても、少し話題にはなったので知っている人も多いと思います。

紅白歌合戦の3ヶ月ほど前に「NHKスペシャル AIでよみがえる美空ひばり」という番組で、その制作過程が放送されました。

膨大な音源と映像から、歌と姿形を再現し、新曲を披露するという企画でした。ヤマハのボーカロイド開発エンジニアチームが1年近くかけて歌声を制作。曲を秋元康プロデュース、衣裳は森英恵、動きを天童よしみがモーションキャプチャで行なっていました。

それは「美空ひばり」ではなく、「AIで再現した美空ひばり」であって、一点物プログラムで作成したその瞬間の器という印象でした。

人の記憶は変化します。見ている側にある程度の共通のイメージがあるかもしれませんが、同じ時と場所で同じ人に会っていても、受け取る側の状態によって印象は違います。各個人のフィルタを通すと、全く違うモノを見て聞いているかもしれません。自分が強く印象付けられているイメージが、自分の記憶の中で加速して膨らんでいきます。

誰かを蘇らせるということは、そんな自分が時間を経て醸造した記憶を、現実に引き戻してしまう恐怖と戸惑いが、どこかあるようにも感じました。


手塚治虫先生というと、日本の漫画・アニメの神様ということはもちろん知っています。この人がいなければ、今の日本の漫画アニメ文化はなかったとさえ言われていて、多くの人々に影響を与え続けた漫画家の草分け的存在。マンガ好きなら手塚作品はマストらしいです。

でも『ブラック・ジャック』と『火の鳥』はコミックスを持っていますが、それ以外の作品をほとんど読んだことがありません。アニメの方も、懐かしのテレビ番組が放送されるような番組の中で、切り取られた映像しか見たことがありません。

そんな私なので、これはまさに令和の手塚治虫作品だ!なんてことを言えるようなファンでもないため、そういったことは他の方に任せて、単純にマンガとして面白かったか、気に入るかどうかという判断をするしかなさそうです。


そのうち、手塚治虫に限らず膨大なマンガをディープラーニングしたAIが、ヒットすると提示したプロットを漫画家に描いてもらうという作品が、読者の知らないうちに現れたとしても、何も気づかないかもしれません。

AIが制作した作品が、ユーザーに知らされないうちにいつの間にか世の中に浸透しているような世界になったら、その時はシンギュラリティ踏み越えたってことを覚悟したいと思います。覚悟すらさせてくれないスピードなら、ちょっとワクワクします。

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