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◆M&Aスキームとは?9つの種類を解説

M&Aスキームとは、M&Aで活用される手法であり、それを実行する一連のプロセスの事です。

M&Aマッチングサイトの案件情報においては、「譲渡対象」「譲渡形式」等と表示されている部分で、最もポピュラーなM&Aスキームとしては「株式譲渡」や「事業譲渡」があります。

スモールM&Aにおいては、ほぼ全ての案件が「株式譲渡」と「事業譲渡」をM&Aスキームとして実行されています。

しかし、M&Aスキームはこれだけではありません。

他にもM&Aスキームの種類があり、案件の状況や環境によって使い分けることも可能です。

では、M&Aスキームにはどのような種類があるのでしょうか?

今回は、M&Aスキームの種類について解説して行きます。

✅①株式譲渡

株式譲渡とは、株式を譲渡することによって経営権を譲渡するM&Aスキームです。

株式を譲渡した側(売り手)はその代価を現金でもらい、株式を譲受した側(買い手)はその代価を支払い経営権を得るのです。

他のM&Aの手続きに比べ分かりやすく、簡便なため、中小企業のスモールM&Aにおいて最も好まれる手続きです。

✅②事業譲渡

事業譲渡とは、企業の保有するある一部の事業を譲渡するM&Aスキームです。

事業を譲渡した側(売り手)はその代価を現金でもらい、事業を譲受した側(買い手)はその代価を現金で支払い、その事業を得るのです。

スモールM&A手続きの中で、最も多いスキームではありますが、株式譲渡に比べると若干複雑で手間も要します。

✅③株式交換

株式交換とは、対象とする会社から発行済み株式のすべてを取得し、その対価として自社の発行済み株式を交付するM&Aスキームです。

対象会社を完全子会社化する時に用いられます。

✅④株式移転

株式移転とは、会社を新設し、当該会社が複数の会社の全発行済み株式を取得、子会社化し、その対価として、自社の発行する株式を交付するM&Aスキームです。

これにより、当該会社を完全親会社(持株会社)、その他の会社を完全子会社とする組織が構成されます。

✅⑤第三者割当増資

第三者割当増資とは、新発する株式を特定の第三者に交付するM&Aスキームです。

資金調達や対象となる第三者との関係性強化や業務提携を図るために利用されます。

✅⑥新設合併

新設合併とは、新設する会社が存続する会社(存続会社)となり、合併により消滅する会社(消滅会社)が有する権利義務の全てを承継するM&Aスキームです。

端的に言うと、新設会社に法人格を消滅させる複数社の権利義務の全てを移転させる方法です。

✅⑦吸収合併

吸収合併とは、合併によって消滅する会社(消滅会社)が有する権利義務の全てを、合併により存続する会社(存続会社)が承継するM&Aスキームです。

新設合併よりも、吸収合併の方がポピュラーです。

✅⑧新設分割

新設分割とは、新設した会社が、他の会社の事業における権利義務の全てまたは一部を引き継ぐM&Aスキームです。

吸収分割と基本的には同じスキームですが、事業の受け皿となる会社が新設か既存かで異なります。

✅⑨吸収分割

吸収分割とは、他の会社の事業における権利義務の全てまたは一部を引き継ぎ、株式や金銭を対価として支払うM&Aスキームです。

事業譲渡に似てますが、移転する権利義務は、個別の手続きを取ることなく、包括的に引き継ぐ事が可能です。

◆まとめ

以上、「M&Aスキームとは?」を、解説しました。

冒頭お話しした通り、スモールM&Aにおいては、ほぼ全ての案件が「株式譲渡」と「事業譲渡」をM&Aスキームとして実行されています。

しかし、今回ご説明した通り、他にもM&Aスキームが存在し、案件の状況や環境によって使い分けることも可能です。

この点については、非常に難解な論点となりますので、M&Aアドバイザーに相談し、最適なM&Aスキームを策定してもらいましょう。

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
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それではまた次の記事で!

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