イギリスの学校 進級
1970年代に親の赴任に同行して渡英し、現地の学校に通学することになった子どもの体験記です。
10か月ほどすると、英語が全くしゃべれない状況から、なんとなく周りの言っていることもわかり、言いたいこともそれなりに伝わるようになってきました。ところが、通学していた学校は11歳が最終学年だったので、1年たつと次の中等教育の学校に進学しなければなりませんでした。
書類を準備したり、標準服のような制服を用意したりしていましたので、別の学校に通学するのだということは理解できていました。また、電車やバスを使って通学しなければならなかったのですが、知っている子も同じ学校に進学するので、不安はありませんでした。
ただ、意外だったのは、最終日も、いつも通りの学校生活だったことです。セレモニーは全くなく、普通通りの一日で、何も特別なことがありませんでした。卒業証書も記念品もありません。ですから、「小学校を卒業」したという実感がありません。
さて、次の9月、一人で新しい学校へ。受付で担任の先生の名前と教室を教えてもらい、指定された教室で、座りたい席に座り、みんなが揃ったら、担任の先生から簡単な説明。その後、一応講堂のようなところにみんなで集まってアッセンブリーと呼ばれる朝礼に参加。しかし、このアッセンブリーも、讃美歌を歌い、先生方が報告などをする場であり、特に入学式のような仰々しいものではなく、いつも行われている淡々とした日常風景でしかありません。
こうして始まった新しい生活で何よりもショックだったこと。それは、同じ学校から来た子たちは私の言うことがわかるのに、他の学校から来た子たちには、私の言うことが通じなかったことです。彼女たちが私の英語に慣れるまで、仲間に補助してもらう必要がありました。きっと独特のアクセントと言い回しをしていたのだと思います。流暢な英語の習得はまだまだ先です。
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