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【感想】映画『窓際のトットちゃん』

先日『窓際のトットちゃん』の映画を見に行きました。
映画を見た感想としては、とても素晴らしい感動的な作品であり、物語の後半にかけてのクライマックスまで涙が止まらなかった。
アニメーションの『窓際のトットちゃん』を見るにあたり、原作は読んだことがありませんでしたが、純粋な気持ちで黒柳さんが体験した幼少期の時代の様子を予備知識なしで触れることは、あえて読まなくて良かったと思いました。
トットちゃんは、純真で天真爛漫で、周りの子たちから見れば落ち着きがなくて学校を退学させられてしまう問題児と扱われていました。
ですが、あるきっかけでトモエ学園というところへ通うことになり、生徒思いの小林校長先生や身体が不自由な泰明ちゃんと出会う。
トモエ学園には様々な事情を抱えた子供たちが在籍していますが、小林先生はどのような子でも平等で子供たち自らが自由な心で学校生活が出来る尊重性を大切にしているとても心優しい人柄である印象を受けました。
アニメーションの絵もまた特徴的であり、現代ではいわゆるアニメ絵としての記号が一般的ですが、トットちゃんの描かれる世界は古風なレトロ調であり、戦前の時代性に沿った絵柄として描かれているところもかなり良かったです。
物語の中盤で印象的だったのは、トットちゃんが泰明ちゃんに木をのぼらせるシーンであり、トットちゃんはどうにかしてでも自分のいるところへ招待させようとしていて、彼女の見える世界から泰明ちゃんを木にのぼらせることによって、彼女が今見えている世界を共有化して、平等性を示したかったのではないかと考えさせられるものもあり、胸を打たれるものがありました。
戦争や差別、貧困の問題は現代も未だに続いており、消え失せるものでもなく、死生観の問題と直結するものがあります。
『窓際のトットちゃん』の絵柄と物語の奥底にある暗く重いテーマは対照的であって、それぞれの良さもまた際立つものがあると感じられました。
『窓際のトットちゃん』の作品に込められたものは、まず‘‘メッセージ性’’だと思いました。
各シーンには、どのような意味があり、どのような意図で描かれているのかという具体的なメッセージ性、つまりは説明箇所が省かれているものがあるがアニメーションの分かりやすさ、見る人たちへと伝わる為の記号が読み取れるところにあると考えさせられました。
窓から覗きこむトットちゃんの世界は今の現在地点であり、窓の外は彼女の知らない大人の世界でもあると感じました。
泰明ちゃんとの心の交流、楽しい思い出もまたトットちゃんにとっては大きな財産となり、それは今の黒柳さんのお人柄にも反映されているものだと思いました。
『窓際のトットちゃん』の主題歌である、あいみょんさんの歌を聴く度に、劇場で見た全てのことが思い出されて自然と涙が溢れてしまいます。
トットちゃんを含め、皆魅力的な人たちで、この映画を見て感じたことは、これからの人生の中で一生大切にしていきたいと思いました。

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