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【感想】映画『バジーノイズ』

先月に見た映画で『バジーノイズ』という作品を見ましたが、現時点では上半期ベスト一位と言ってもいいほどであり、個人的にはかなり素晴らしい作品でありました。
音楽を題材にした映画は、数多く見てきましたが、『バジーノイズ』は別格であることはもちろん、映画の中で音楽がこれほどまでに溶け込む感覚は初めてでありました。
物語の大筋としましては、音楽の作曲に没頭する孤独な青年である清澄のもとに、彼の奏でる音楽をたまたま聴いた潮という女性は彼の音楽の虜となります。
彼女は、彼の作曲した音楽をSNSで投稿することによって清澄の音楽の価値観は大きく変わっていき、潮の幼なじみの航太郎やベーシストの陸と出会い、彼自身や彼の音楽も生まれ変わり、清澄自身が成長していく青春映画としても見れました。

清澄と陸が互いの音楽を理解している上で、セッションするシーンはとても見とれてしまうものがあり、こうした感情を揺さぶられる奇跡的な瞬間こそが、音楽の醍醐味でもありますし、奥深さだと感じさせられるものがありました。
『バジーノイズ』における清澄の音楽には突出した感性が宿られていると感じさせられるのは、彼の作曲した音楽を聴くことによって初めて認識するものだと思います。
潮や陸と出会ったことで、彼の音楽はより輝きを増すものになったと感じましたし、暗闇の中にいた清澄を救いだし、光を射すことによって彼の音楽は間違いなく、ここから変わったと思いました。
陸のベースや岬のドラムが加わることで、一音一音は青く澄み、音に包まれ涙が溢れる度に、何度も彼の音楽を繰り返し聴きました。
清澄にとって、音楽はかけがえのない存在であるのと同時に、彼の周りにはいつしか彼を理解してくれる仲間たちが彼の背中を優しく支えてくれる存在へと変わっていきます。
音楽が彼を変えて、彼の奏でる音楽が仲間たちを引き寄せたのだと本作から感じさせられるものがあり、感銘を受けました。


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