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2024.2/14~20個展「Chaos and Order」 ステートメント


私の制作は混沌と秩序によって成り立っています。
かたちのない漠然とした感情から情景を脳内で固めつつ、大きい布を裁断し、様々な布を組み合わせ、色糸を選び、刺繍を施します。ステッチが徐々に細かくなり、繰り返し刺す瞬間、時間軸が吹き飛び恍惚とした混沌の感覚に迷い込みます。そして再度糸をほどき、考察に戻ります。

混沌から秩序へ進んでいるつもりでも混沌に戻る繰り返しで、私には混沌の中に秩序がありまた秩序の中に混沌があるように見えています。常に動態で、重なり合っている。そして時間やインパクトによって形が成立するけれど、いずれ崩れ、なくなっていきます。

その「動き」こそが世界を作っているのではないかと私は思います。予期しない悲しい出来事や失うことの寂しさも、生命の喜びや現在を分かち合う幸福な一時も。私たちの「動き」は無駄などひとつもないのです。

※2024.2/14(水)~20(火)坂田あづみ個展「Chaos and Order」
@松屋銀座あそびのギャラリー1979


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