宗教についてKindle本で学んでみた【5冊まとめ】
最近、TVで宗教についての話題を目にするので、入門用の本を何冊か読んでみた。
箇条書きで簡素にまとめようと思ったが、1万字を超える内容となってしまった。(書き終えるまで1週間くらいかかった)
1.教養として学んでおきたい5大宗教
Kindle Unlimitedで無料の1冊。
5大宗教の入門編。
1.宗教の種類
アニミズム──霊の信仰
(神道)多神教──神々の信仰
(ヒンドゥー)一神教──唯一神の信仰
(ユダヤ・キリスト・イスラム)悟りの宗教──宇宙と人生の理法を悟る
(仏教)
2.ユダヤ教
神様はヤハウェ。
モーセがエジプト奴隷を解放し、イスラエルへ連れてきた。
モーセの十戒に従い、安息日は働かない。
火を熾すことも労働と見做されるので、前日に調理をしておく。
戦争の際も戦わない。ダビデ王・ソロモン王の時代に栄華を迎える。
カシュカシュルートと呼ばれる食事規定がある。
(海老・貝・タコ・ウナギはNG)
3.キリスト教
ユダヤ教からの派生宗教
一神教だが三位一体(3つで1つ)
父なる神──ユダヤ教伝来の創造神ヤハウェ
子なる神──イエス・キリスト
聖霊なる神──信者に働く霊三大宗派に分かれる
ローマ・カトリック教会──教皇(法王)を中心とする中央集権的なシステム。教皇のもとに、各地の教会や、各種の修道会が組織されている。
総本山はバチカン。
プロテスタント諸教会──さまざまな宗派の総称。
東方正教会──イコンと呼ばれる仏画のように様式化された聖画を尊重する。カトリックでは聖職者を「司祭(神父)」と呼ぶのに対し、プロテスタントの教会では普通「牧師」と呼ぶ。
旧約聖書と新約聖書を合わせて聖書とする。
4.イスラム教
ユダヤ教とキリスト教の影響を受ける。(7世紀に設立)
経典はコーラン。ムハンマド一代で成立した。
聖書よりもコンパクトで実務的。政教分離の発想はない。
イスラム教徒が信じるべきものは「六信」としてまとめられ、行なうべきものは「五行」としてまとめられている。
女性の相続権は男性の半分。
イスラムには宗教音楽がない。
脇の毛とアンダーヘアの脱毛が戒律で定められている。
銀行の利子も禁止している。
5.ヒンドゥー教
輪廻転生を信じる。
聖典はヴェーダ
3つの目標を達成することが大切とされている。
ダルマ(社会的な規範)──儀礼や身分に応じたライフスタイルを守ること。
アルマ(物質的な利益)──社会的な成功。
カーマ(性愛や種々の文芸)──左記を洗練させること。
6.仏教
輪廻転生を信じる。
神に当たる存在は仏や菩薩。
天空の神々よりも、宇宙と人生の理法を悟った人間のほうを上とみる。
欲望に執着すべき実体がないと悟るのが目標
基本は「修行」
7.宗教に共通する役割
奇跡を起こす──希望を与える。
(かつて信じられていた奇跡は現代で非科学的)秩序をもたらす──神話を共有することで仲間意識を高める。
人生の目的と誇りを与え、アイデンティティの感覚を与える。説明を与える──高度な哲学的な問いに答えを与える。
8.日本の新宗教
天理教──幕末
大本──明治以降
霊友会──明治以降
創価学会──戦後
9.カルト宗教
人民寺院
ブランチ・ダビディアン
太陽寺院
オウム真理教
ヘヴンズゲート
10.台頭する無神論
2.イラスト図解 社会人として必要な世界の宗教のことが3時間でざっと学べる
TVで人気の池上彰先生の著書。
こちらもKindle Unlimitedで無料。
現代の社会問題に触れつつ、イラスト付きで説明している。
補足情報だけを抜粋して記載する。
1.日本の宗教法人と新興宗教
神社(神道):氏子
寺(仏教):檀家
日本は神社の氏子であり、寺院の檀家である人が存在する。
神社で七五三を行い、葬式は仏式で行う。
日本に存在する宗教法人の数は18万。
「宗教法人法」(1951年)に認定されると宗教法人となる。
2.イスラム教とはなんだろう
世界の5人に1人がイスラム教
世界で最もイスラム教信者が多いのはインドネシア。オバマ前大統領の父親はイスラム教
フルネームはバラク・フセイン・オバマJr.コーランは天使ジブリール(ガブリエル)から伝えられた神の言葉。
全部で114章からなり、音読するのが正しい読み方。
韻を踏んでおり、読み上げると美しい音楽のようになる。
内容は物語形式にはなっていない。
3.エルサレムは3つの宗教の聖地
ユダヤ教:嘆きの壁
キリスト教:聖墳墓教会
イスラム教:聖なる岩
4.アメリカ大統領とキリスト教の関係
アメリカという国はキリスト教を信じていることを前提に作られている。
そのため、大統領候補は自分が熱心な信者であることをアピールする。
WASP:ホワイト・アングロ・サクソン・プロテスタント
(アメリカを建国したピューリタンの子孫)
かつてはWASPでなければ大統領になれないと言われていた。
5.ヒンドゥー教を知ればインドが分かる
インド国民の8割がヒンドゥー教
最高神は1つではない
ヒンドゥー教徒は自分が崇める対象は自分で選べる。
(ヴィシュヌ神・ブラフマー神・シヴァ神)
また、これらの神は日本の仏教に輸入されて別の神様となった。
シヴァ神→大黒天ヒンドゥー教徒は7大聖地を巡礼することで解脱に近づくと言われている。
遺体は火葬され、ガンジス川へと流される。
カースト制度はインド人を支配するためにアーリア人が考えた。
シヴァ神の乗り物であるので牛は食べない。
6.神道を知れば日本人が分かる
神道は一神教でなく、ヒンドゥー教に近い多神教。
死後の世界を黄泉という。よみがえる=黄泉から帰る。
神道には決まった聖典はないが、神典がある。
代表が『古事記』『日本書紀』
あくまで歴史的資料としての位置付け。
3.ふしぎなキリスト教
キリスト教に特化した宗教本。
新書大賞2012で第一位を獲得している。
上記2冊よりもテーマを絞って深掘りしているのが面白い。
1.一神教を理解する
ユダヤ教とキリスト教はほとんど同じ。
イエス・キリストがいるかどうかだけ。一神教(キリスト教)において、Godは人間を「創造した」者で、
Godにとって人間は、モノみたいなもの。
創ったGodは「主人」で、つくられた人間は「奴隷」偶像崇拝が禁止されたのは、当時は技術水準が低くて製作できなかったから。
イスラエルの歴史は連戦連敗。民族的アイデンディティを守るために役立った。
(国家はあてにならない。あてになるのはGod(ヤハウェ) だけ)ヤハウェはすべての民族の上に立つ神でありながら、ユダヤ人を選んだ。
理由は不明なため、選民思想と突っ込まれることもある。「アーメン」の意味は「意義なしッ!」
どうしてエデンの園に禁断の樹の実を作ったかは謎。
異民族の侵入や戦争や、帝国の成立といった大きな変化が起こって、もとの社会がぐちゃぐちゃになる。
ぐちゃぐちゃになってどうするか、というのが「宗教」が登場してくる社会背景。
日本は上記の経験がないため、宗教が理解できない。偶像崇拝がいけないのは、偶像だからではない。
偶像をつくったのが人間だから。人間が自分自身をあがめているというところが、偶像崇拝の最もいけない点である。偶像をつくることもできないので、ユダヤ教は箱を担ぎ出した。
そこに目にみえないヤハウェが乗っていることにした。
箱をアークという。四角くてヤハウェに関係のある木の箱をアークという。安息日は奴隷や牛馬の消耗を防ぐ、社会保障の意味があったと言われている。
科学はもともと、神の計画を明らかにしようと、自然の解明に取り組んだ結果生まれたもの。宗教の副産物である。
天皇の祖先をさかのぼるとサルになる。(進化論)
現人神は神(天照大神)の子孫。
サル→天皇、神→天皇、は形式論理からいって、矛盾する。
以下が日本人の中で矛盾しないと考える答えである。
科目が別なので矛盾さえ抱かないという、日本人の一面がよく分かるエピソード。
そもそも宗教について掘り下げて考える科目がない。
進化生物学者のリチャード・ドーキンスの言葉。
創造説を批判したいという使命感に燃えている。
2.イエスキリストとは何か
キリスト教では、イエスの言行録であるところの福音書が4つあり、互いに相違や矛盾があるが、どれも正典として認められている。
(福音書はイエスキリストについて証言する書物)いちばん古いマルコ福音書は、復活の記述がなく、墓がからっぽだったというところで、唐突に終わっている。
ほぼ確実なことは、ナザレで生まれた。
父親は大工のヨセフで、母親はマリア。
兄弟がいた。自分も大工だった。
地元のシナゴーグに通い、旧約聖書をよく勉強した。
パリサイ派の勉強法で、モーセの律法を学んだと思われる。
30歳前にナザレを出て、洗礼者ヨハネの教団に加わった。イエスの復活。これは、イエスをただのメシア(キリスト) から、もうひと回り大きくする、新たな要素である。
イエス・キリストは「神の子」だとする考え方を、確立したのはパウロである。
(このアイデアはユダヤ教にはなかった)十字架というのはローマ式の処刑方法。
キリスト教は、ユダヤ教と対立しているのに、ユダヤ教の旧約聖書をひき継いで自分たちの聖書にしている。
イエスの運動は、当事者にとっては、「キリスト教」という新しい宗教の開始というより、ユダヤ教の内部の革新運動だった。
イエスの生前は、イエスの絵など描かれていない。
(偶像崇拝が禁止されていたため)新約聖書の大半はパウロが書いている。
パウロは、最初サウロという名前で、タルソという小アジアの町で恵まれたユダヤ人の家庭に生まれた。
ヘレニズム世界に育ち、ギリシア語が堪能で、ローマの市民権を持っていた。
知識人で、聡明で、でもどちらかというと口下手で、熱心なユダヤ教徒で、パリサイ派に属し、青年行動隊長みたいな役割で、新興勢力のキリスト教徒を片っ端から捕まえては尋問し、弾圧していた。
尋問しているうちに、自分よりもキリスト教徒のほうが、神に対する正しくて深い信仰を持っているのではという疑いが生まれた。12人の弟子の能力があまりに低かったため、キリスト教布教に貢献できなかった。(4人が漁師)
ユダは金銭管理を任されていたので、学はある方だった。イエスはギリシア語ができなかった。いっぽう、パウロは書簡を、ギリシア語で書いた。
新約聖書は、福音書も書簡も黙示録も、全部ギリシア語で書かれた。
ギリシア語がよくできたパウロは、いまで言えば英語がペラペラな国際派なので、ヘレニズム世界にキリスト教を布教するチャンスがあった。教会というものができたことが、パウロの最大の貢献。
3.如何に西洋を作ったか
ヨーロッパで人びとが、キリスト教に改宗する以前に信じていたのは何かというと、ドルイド教である。
教会がとった戦略は、まず、典礼言語をラテン語に決めて、絶対譲らず、ゲルマンのローカルな言語を使うことを認めなかったこと。
これによってローカルな民族教会になることを防いだ。
典礼をラテン語にしていれば、どんな学力のない僧でも、ちょっとはラテン語ができるため、商業や外交などの情報伝達に有利である。次に結婚にも介入した。
教会は何百年もの長い時間をかけて、それを秘蹟(サクラメント) だということにした。教会が認める結婚が、正式な結婚になった。
また、教会の聖職者は、独身なので、相続の問題は起こらない。
家族や血縁と無関係に、西ヨーロッパ全体をカバーする官僚機構を構成できた。そして、教会は王を支援して、戴冠という儀式を考えた。
「あなたは正統な王です」という証明の儀式を行った。
教会はこうして、少なくとも名目上、王に対する優位を確保した。
教会が王よりも優位なら、教会のトップである教皇が命じて、王たちを戦争に行かせる、十字軍みたいなことも可能になった。画像(十字架のキリストやイコンや聖人画)や、音楽や、儀式(洗礼や、パンとブドウ酒の聖餐や、告解など)は、言葉がわからなくても、教義がわからなくても、それなりに理解できるため、民衆への布教に役立った。
社会が近代化できるかどうかの大きなカギは、自由に新しい法律をつくれるか。
キリスト教会はこれができた。
キリスト教会が考えるのは、まず、何をやりたいかという目的。そして、禁止されていないかどうか。禁止されていないことは「できる」と考える。目的を考え、手段を考え、実現までのロードマップをつくる。アメリカでは、教会同士が自由競争しているので、落ち目の教会は教会堂を、別な教会に売ったりして、看板をかけ替える。
理性を通じて、神と対話するやり方のひとつが、自然科学。
日本人の考える無神論は、 神に支配されたくない という感情。
日本人は主体性が大好きで、努力が大好きで、努力でよりよい結果を実現しようとする。その努力をしない怠け者が大嫌いで、神まかせも大嫌い。
神道がカミの像をつくらなかったのは、像をつくると拝まなければいけないから。それは支配されるということなんで、なんか嫌だな、と。日本人がモノづくりに長けているのは、アニミズムと関係があって、ロボットにも全然抵抗がないし、モノに何かスピリットのようなものが宿っていると思っている。
4.イスラム教再考 18億人が信仰する世界宗教の実相
イスラム教に特化した内容。
イスラムの過激な部分を抽出している。
後半は著者の恨み言に近い内容となっているのが残念。
1.イスラムは平和の宗教か
全人類がイスラム教徒になるかイスラム統治下におかれれば平和になる、というのがイスラム教の論理である。
預言者ムハンマドは「私は人々が『アッラー以外に神はなし、ムハンマドは神の使徒』と信仰告白し、礼拝を完璧に行い、義務的な施しを行うようになるまで、人々と戦うよう(神に)命じられた」と言ったと伝えている。
イランの法では、裁判における女性の証言は男性の証言の価値の半分とされ、女性が殺害された場合に請求できる「血の代償」も男性が殺害された場合の半額、相続においても女性は男性の半額とされている。
2.イスラムは異教徒に寛容な宗教か
『コーラン』第3章 19 節には、「神の御許の宗教はイスラムのみ」とあります。
例えば『コーラン』第5章 60 節には、「神は彼らを呪い、彼らに怒り、彼らをサルやブタにした」とあります。
キリスト教徒やユダヤ教徒をサルやブタと罵る理由は啓示に由来しており、それは今の世界はサルやブタに支配されイスラム教徒が 蔑ろにされているという陰謀論と深く結びついています。
私たち日本人のような多神教徒は「不浄」カテゴリーに分類され、その血は流されても問題ない、つまり殺しても差し支えないとされています。
イスラム教はイスラム教徒が信仰を棄てること(棄教)、他宗教に改宗することを一切認めません。教義上、棄教は死刑です。
1989年に小説『悪魔の詩』を書いた作家サルマン・ラシュディに対しホメイニが死刑を命じたのも、ラシュディが預言者ムハンマドを冒瀆した棄教者だとみなされたからです。イスラームの基本とは、偶像崇拝が殺人や強盗や強姦よりも悪い決して許されない大罪であり偶像破壊が他の一切の道徳に優先する。
3.イスラム過激派テロの原因は社会にあるか
預言者ムハンマドは、ジハードで殉教し天国入りしたジハード戦士について、「たとえ現世ですべてのものを得ていたとしても、天国に入った者は誰一人として現世に戻りたいなどとは望まない」と言ったとハディースに伝えられている。
つまり、現世で勝ち組であることはイスラム教徒にとっては意味がない。
貧困や飢餓がテロ行為に走らせているわけではない。
4.ほとんどのイスラム教徒は穏健派か
イスラム教徒の多数派と私たちの価値観の相違について。
第一に、イスラム教徒の多数派は身体刑の執行を支持しています。
2013年のピュー調査によると、パキスタン人の 88%は窃盗者に対する手首切断刑、 89%は姦通者に対する投石による死刑、 76%は棄教者に対する死刑を支持しています。エジプト人も 70%は窃盗者の手首切断刑、 81%は姦通者の死刑、 86%は棄教者の死刑を支持しています。第二に、イスラム教徒の多数派は信教の自由を否定します。
イスラム法はイスラム教信仰を棄てること(棄教)を死罪としています。第三に、イスラム教徒の多数派は、異教徒は地獄に行くと信じており、異教徒をサルやブタと罵ったり、二級市民とみなして蔑んだり迫害したりすることも稀ではありません。
第四に、イスラム教徒の多数派は表現の自由を否定します。
自由社会では宗教や神、預言者を批判したり、風刺したりすることも表現の自由に含まれますが、イスラム教の教義はそうした行為は冒瀆であり死罪に相当すると規定します。第五に、イスラム教徒の多数派はLGBTを否定します。
第六に、イスラム諸国では子供に対する体罰や精神的虐待が蔓延しています。
イランでは女性の結婚最低年齢は法律上13歳と定められていますが、裁判官の許可があれば13歳未満でも結婚することができます。第七に、イスラム諸国では今も児童婚が広く行われ、社会的にも是認されています。
第八に、イスラム教徒の多数派は、男女は平等でも同権でもなく、女は男の半分の価値しかないと信じています。
イスラム法は、夫が妻に「お前は離婚だ」と三度言えば自動的に離婚が成立する一方的離婚を認めますが、妻からの離婚の申し出には制限をつけます。第九に、イスラム教徒の多くは、妻は夫に完全服従しなければならず、従わない妻は殴ってもいいと考えています。
第十に、イスラム諸国やイスラム教徒の多くは「名誉殺人」に寛大な立場をとります。
名誉殺人とは、女性親族が家族の名誉を汚す行動をしたり、そう噂されたりした場合に、家族の名誉を回復させるために男性親族が当該女性を殺害する行為です。
5.完全教祖マニュアル
あなたも教祖になれるマニュアル本。
タイトルはふざけているが、メジャーな宗教を分析しており、組織としての構造がよく分かるため個人評価は高い。
教祖の成立要件
「何かを言う人」= 教祖
「それを信じる人」= 信者
上記の2つが揃っていること。
そして、宗教を作るためのレシピは以下のステップが必要である。
1.教義を作ろう
宗教で大切なことは、それが正しいかどうかではなく、人をハッピーにできるかどうかである。
オリジナル神を作るのは難しいので、既存の宗教の教えにオリジナリティを加えたり、一部を否定したり、先鋭化したりして、自分たちの宗教とししよう。
反社会的な教えを作ろう。
新興宗教はその社会が抱える問題点に根差して発生するものなので、どうしても反社会的にならざるを得ない。
イエスは罪びとである徴税人と平気でメシを食い、売春婦を祝福し、労働を禁じられた安息日に病人を癒し、神聖な神殿で暴れまわった。
つまり現代では、あなたが石を投げたいと思う人(負け組)たちこそ、救うべき人である。
2.大衆に迎合しよう
非インテリ層の一般人にいかに教えを広められる事が大切。
超エリート宗教である仏教は、出生地のインドでは農民層に根付かず、後にヒンドゥー教、イスラム教により駆逐された。
現世利益をうたおう
イエスの非凡であった点は、当時、限られた特権階級しか受けることのできなかった医療を民間にまで及ぼした点にある。
私たちが無償のボランティアに抱くある種の気持ち悪さも宗教なら「教義」により、その「理由」を用意することができ、人々に素直な善行をさせることができる。偶像崇拝しよう
仏教が日本に入って来た時、元からいた日本の神々には形がなかった。
そのため形を備えた仏像にはみんながびっくりし、それが日本で仏教が広まった一要因とも言われている。
目に見えないとイメージしにくい。
偶像はマークだけでも良い。
3.信者を保持しよう
無宗教の人は「不思議なこと」に対する抵抗力がない。
そこで、あなたは「不思議なこと」を意味付けできるよう、しっかりと準備しておけば良い。
不安を煽ろう
人が宗教を意識するのは困った時である。
困っていないから宗教に頼らないのであれば、困らせてしまえば良い。
キリスト教:私たちはこのままだと将来地獄に落ちて確実に困る。
仏教:死んだ後は地獄や餓鬼道に落ちてしまうかもしれません。
根本的に解決するには仏道修行により悟りをひらき、解脱するしかない。救済を与えよう
浄土真宗の新興宗教から発展した「内観療法」では、まず、相手に対してセラピストが「あなたがお母さんにしてもらったこと、して返したこと、迷惑をかけたことを調べて下さい」などと過去の記憶を思い出すよう促します。(Step1.ここで不安を与える)
次に、「自分はなんてダメダメなやつなんだ」という想いから、「こんなダメダメな自分でも、みんなに助けられてちゃんと暮らしていけるって幸せだなあ」という考えへとチェンジしていきます。
(Step2.不安から救済へ変わる)
つまり、救済と呪いは表裏一体なのです。
食物規制をしよう
差別化のための具体的手段として、まず挙げられるのが食物規制。
仏教やヒンドゥー教における肉食の制限、イスラム教における豚肉食や飲酒の禁止。
また、ユダヤ教もレビ記にて色々と規制されており豚やエビは食べない。
食物規制をすれば異教徒と食事を共にすることが難しくなり、それに伴い友人作りや結婚が難しくなるので、同じ宗教の信者同士で交友や結婚をすることになる。
つまり、食物規制には宗教コミュニティの強化としての意味合いがある。
4.教義を進化しよう
義務を与えよう
義務がある方がハッピーになりやすい。
「無条件で救われる」というのは不安なので、逆に「これこれやっておけば救われる」という義務があった方がむしろ安心する。権威を振りかざそう
人は権威に従うのが大好きで、選択を人に任せるのが楽。
教祖になったら権威を振りかざそう。
科学的体裁を取ろう
おそらく現存する全ての日本語単語の中でもっともうさんくさい言葉が「新興宗教」
これに対して、多くの人が無条件に信じている言葉は「科学」
現在において新興宗教を作るなら、最も適切な手段は
「科学的体裁を取ること」
信じるとか信じないとかいうレベルではなく、あなたの言うことを信じるのが「当たり前だ」と思わせること。
5.布教しよう
弱ってる人を探そう
信者勧誘において、まず初めに狙いたい人たちが、病気で苦しんでいる人や、死にかけの老人など。
古代ローマの哲学者ケルソスはこれを、「キリスト教は好んで『罪人』とか『無法者』に向かい、彼らは明らかに、単純で無教養な、のろまな人間だけを、そして又奴隷や女子供だけを説得して自分の側につけようとしている」と批判している。
金持ちを狙おう
コミュニティを作ろう
宗教をやっていく上ではイベントを開くことも重要。
信者全員が集まるような大規模なイベントばかりでなく、気軽に行える小さなイベントも定期的に行う必要がある。
週に一度か月に一度くらいは勉強会なり座談会なりお祈り会なりを開いて信者を集めることをオススメ。
信者同士のコミュニティに同じ価値観や目的を共有しているので、当然話が合う。
宗教建築をしよう
教団経営に余裕ができたら次に行いたいのが宗教建築。
建築物に一歩入るなり、「ここは浮世とは違う別世界だ!」という感覚を与えるようにしたいところ。
具体例を上げるとディズニーランドと伊勢神宮。
教団本部を作る際は、ディズニーランドや伊勢神宮のような「一歩入るだけで別世界」のニュアンスを出すこと。
この「別世界」感覚があれば、それだけで日常からの飛躍が狙える。
6.困難に打ち克とう
他教をこきおろそう
法然にしろ日蓮にしろ過激なことですが、これは要するに、ある思想がマジョリティになり権威になると、それでは救われない人、不幸になる人、不都合なこと等が出てくるので、それに対処するために新しい思想が生まれてくる、という話。
ユダヤ教が本来口伝で伝えられるべき教えをタルムードとして文書化したのは、彼らにとって異端であるキリスト教が福音書なんてものを作ったから、それに対抗してのこと。
それでも、現在ではタルムードは立派にユダヤ人のアイデンティティーを支えるものとなっている。
7.甘い汁を吸おう
出版しよう
まず、教団の教義や歴史、もしくはあなた自身の自叙伝などを書籍化して販売すること。
教団出版物は信者の数だけは売れるので、安定したビジネスへと変えることができる。
また、シク教では経典自体がグル(導師)としている。
グルが経典であるので、人間同士のしがらみがない。
不用品を売りつけよう
宗教の本質とは「日常からの飛躍」です。
つまり、宗教でならば「日常生活で不必要なものでも売りつけられる」ことができる。
例えば、数珠・戒名・ロザリオなど。
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