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話を作る時に参考にしたい本・動画
昔から「自分でも本を出版してみたい」と思っている。
しかし、実行に移せていない。
なぜなら、何をどう書けば良いか分からないからだ。
そう言っているウチに、アラサーになってしまった。
ちょっとウダウダし過ぎた。そろそろ行動を起こさねばならない。
そこで「話の作り方」に関するハウツー本を漁ってみた。
(黙って書き始めろ!というツッコミは無しでお願いします)
1.荒木飛呂彦の漫画術
まずは『荒木飛呂彦の漫画術』
自分がジョジョ・ファンなので買った本だが、作者が話の作り方を丁寧に説明してくれる。
良いと思ったところを抜粋していく。
①まずは冒頭の書き方について
一コマ目で5W1H、二コマ目で主人公のちょっと異様な行動を描き、そこで「これは普通の漫画とは違う、なんだか変わった話だぞ」という感じを演出します。
読者に興味を持ってもらうため、最初は意表をついた描写を書く。
ジョジョの第一部も冒頭からアステカ王国の「石仮面」のエピソードから始まっている。
少年漫画として王道ではないが、こういう予想外のスタートは、次が気になるので読者の心を掴みやすい。
②漫画の「基本4大構造」について
①「キャラクター」
②「ストーリー」
③「世界観」
④「テーマ」
①「キャラクター」を作る上で1番大事なのは「動機作り」である。
性格よりも先に「人がなぜ行動するのか」を描くのが重要である。
まずは「動機リスト」を作ることから始める必要がある。
人間の基本的な欲望が動機となるので、読者の共感を得るためには倫理観に則った動機でなければならない。
主人公は「善なるもの」であり、さらに「ヒーロー」である必要があります。
ここでヒーローの条件が何かと言えば、実は、孤独である、ということです。
主人公は究極の選択を迫られたとき、自分の力だけで解決できる立場でなければならない。つまり、どうしても孤独にならざるを得ない。
著者は理想のヒーロー像をイーストウッドとし、『ジョジョ』第三部の空条承太郎のモチーフにしている。
キャラクターを描くときに最も大切な基本は「成長するように描いていく」ということですが、こうした「努力」を描くことによって、すなわち人間としての成長を描くことができるのです。
ストーリー作りの章でも書かれているが、話作りの基本は必ず「主人公は常にプラス」でなければならない。
成長を描くことが大切である。
②「ストーリー」の基本は「起承転結」これに尽きる。
①「起」主人公を読者に紹介する ここで大事なのは、主人公はなるべく早く登場させる、ということで、読者に「いったい、いつ主人公が出てくるんだよ」と思わせてしまってはいけません。
②「承」主人公が敵もしくは困難に出会うなど
③「転」主人公が困難に立ち向かうが、さらなる問題が起こって窮地に立つ この段階で、主人公は難関を跳ね返そうとするものの、どんどん困難が増幅して「主人公、いったいどうなるんだろう」という興味で、読者はページをめくっていきます。
④「結」勝利などのハッピーエンド
これを体現しているのがバトル漫画であり、少年漫画の王道である。
コース料理やスポーツの試合など、観察してみると世の中には「起承転結」が溢れている。
ストーリーの基本は必ず「主人公は常にプラス」にあるはずです。
理想的なパターンは、ページをめくる度、主人公は次々にパワーアップした困難に見舞われるけれども、その都度勝っていき、「次は負けるのかな」と読者に思わせるほどの状況に陥っても、最後は必ず勝つというものでしょう。
そのプラスを積み重ねていく部分のアイディアをどうするか、これがストーリー作りの要です。
主人公は「常にプラス」であるという法則は2章に渡って触れられている。
主人公が壁にぶつかって、結局プラスマイナスゼロという展開は絶対にやってはいけない。
続編にありがちな展開だが、ダメパターンに終わることが多い。
キャラクターと困難な状況のアイディア、このふたつがあれば、ストーリーを作っていくことができます。
キャラクターを作り終えたら「そのキャラクターを困難な状況に放り込む」シチュエーションを考えなければならない。
これさえ思い浮かべば話を書き始めることができる。
③「世界観」を作るには徹底的にリサーチする
ネットに頼り切らず、実際に現場に行って見ることが大切である。
調べたことを全部は描かない
1番やってはいけないのは、最初にダラダラと世界観の説明をすることである。
読者は「早くストーリーを始めろよ」とイライラしてしまう。
④「テーマ」はぐらつかせない
自分は何を描きたいかという「テーマ」をキチンと心に決めるしかない。
また「売れるテーマ」から考えるのは間違いである。
ものすごく頭のいい人が、たとえばこの本に書いてあることを参考にし、読者に人気の出そうな魅力を全部かき集めて漫画を描いたとしたら、その人の計算通りにヒットする、ということはあるかもしれません。
けれども、それが続くのは短い期間で、せいぜいもって三年です。
頭脳で考えることは3年が限界である。
それ以降は惰性となってしまい、読者もそれに気づいてしまう。
※自分は『ドクターストーン』を思い出した。
以上が『荒木飛呂彦の漫画術』のまとめである。
物語を作る上で大切な要素を、章ごとに説明してあるのでわかりやすい。
読んでいるうちに執筆欲が湧いてくるので、創作に行き詰まった人にはオススメである。
2.ミステリーの書き方
本作はミステリー作家への質問形式でノウハウを学ぶように作られている。
福井晴敏、森村誠一、宮部みゆき、乙一、北村薫、伊坂幸太郎、赤川次郎、恩田陸etc
名前だけで売れる作家が大勢参加している。
全部はまとまり切らないので、良いと思ったところだけを抜粋する。
まずは、福井晴敏氏から。
私が中学生の頃にガッツリ嵌った作家である。
映像映えするミリタリージャンルに定評があり『亡国のイージス』『終戦のローレライ』は映画化された。
ネタにこだわるのは、ドラマずれした一部のマニアの身で、大衆が求めるのは普遍的な人間ドラマである。
マイナー嗜好の自分は意識しておきたい言葉である。
ニッチな路線に突き進むと、自己満足で終わってしまう可能性が高い。
次は東野圭吾氏。
日本で1番有名なミステリー作家である。
東野圭吾原作にハズレなしと言っても過言ではない。
※個人的には『秘密』が1番好き。
この世界でプロとして飯を食っていける人間とそうじゃない人間との違いというのは、些細なことを真剣に考えるかバカにするかどうかなんです。
一見くだらないと思ったことも、一旦は真面目に考える。
その考える作業を、全てにおいて何回も繰り返す。
そうしてアイデアを練り込んでいく。
気に入った映画や本は何度でも味わう
意外に思った体験をそのままにしておくのではなく、なぜ意外に思ったかを考える。
ひねくれてモノを見ることが大切である。
本は沢山読むことを目的とせず、一冊に時間をかけて読む。
興味のない領域を作らない
苦手な話題を出されても「関心ないです」とか「興味はないです」とは絶対に言わないようにする。
とりあえず、関心があるように芝居する。
次は北方謙三氏。
一冊も読んだことがないのだが、西原理恵子の漫画に出てきたのを覚えている。
確かズボンのチャックから指を出して、下ネタをしていた記憶がある。
自分の中あでは“た”は3回続けない。
「…だった。/…した。」と来たら、次は「…する。」と変える。
音痴がいるように文痴というものあり、読みにくい文章を書く人もいる。
テンポ、リズムも大切である。
ゆっくり書くところはゆっくり書き、テンポ良くいくところはポンポン書く。
新人賞に応募してくる作家志望のほとんどに言えることだが、文体にキレがないよね。説明が多い。
削りに削って文章を絞り込み、本当に濃密に書かなきゃいけないところを思い切り濃密に書けばメリハリが出てくる。
“トル・トル・トル”で削る作業が大切である。
自分は文章を削る作業が好きなので、この人のアドバイスには大いに共感した。
次は柴田よしき氏。
名前も作品も知らないので、今まで縁がなかった作家だと思う。
良いアドバイスがあったので抜粋する。
人物をかき分けるというのは、外見を事細かく報告することとは、全く別のことなのである。
外見の描写をあまり用いらないで、語る仕草でいかにその人物を印象づけるかが大切である。
外見の情報がなくなると、読者は無意識に、それ以外の細かな部分から情報を汲み取ろうとする。
これは北川謙三氏の“トル・トル・トル”に近いと思う。
文章の絞り込みがプラスの要素として働く。
次は貴志祐介氏。
ホラー作家として大好きな作家である。
『天使の囀り』『新世界より』は二度読みした。
著者の語る悪役の書き方は、大変参考になるので抜粋する。
悪役は、ミステリアスでなければならない。
底を割ったらおしまいで、その時点から、読者の興味は離れていく。
したがって、悪役の行動は何から何まで描写されることはない。
『羊たちの沈黙』のレクター博士を例に説明がされている。
劇中でレクター博士が手錠を外すのに使ったボールペンの入手方法については何の説明もされていない。
悪役の情報量をあえて絞り、子供時代の作文や、新聞記事、噂話などで説明していくとキャラの厚みが増す。
最後は花村萬月氏。
作品を作り上げた後の推敲方法について。
推敲とは、自分の作り上げた文章を格好よいものにすることです。
決して破綻したストーリーを訂正する作業のことではありません。
推敲とは、削る作業です。
スリムにする作業が推敲です。
初心者は「深い湖のように美しい瞳」といった無様な比喩を削ってみましょう。
ほとんどの比喩は不要であるという文章表現上の現実があるのです。
ここでも削ることの大切さを説いている。
プロの作家からすると、初心者の文章はメタボと判断されるらしい。
以上が『ミステリーの書き方』のまとめである。
正直、良アドバイスが多すぎて、まとめ切れない。
作家志望でなくても、好きな作家がいれば読んで欲しい。
3.ストーリーの書き方・入門
アマチュア作家によるハウツー本なので、上記の2冊に比べると内容は薄い。
しかし、執筆ツールの紹介やKindleで出版するまでの流れが書いてある点は参考になる。
小説の新人賞は原稿用紙80枚が応募規定となっているものが多い。
プロの編集者は、小説の単位として80枚を目安に作家の力量を見分けている。
80枚を綺麗に書ければ新人賞をもらえる可能性は高い。
本作では原稿用紙80枚を目標として、ストーリーを組み立てる方式を紹介している。
目標が数値化されると、ゴールが明確化されやすい。
Scrivenerを使用し、箱書きでシナリオを書く。
PCアプリを使用し、シーンをブロック組み立てる役割をオススメしている。
モノ書き業界では有名なアプリらしいが、私は知らなかった。
こういう情報は助かる。
映画のあらすじを覚えて、上映時間と同じ時間をかけて説明する。
映像を言葉に置きかえる訓練として推奨している。
手間のかかる練習方法だが、言葉の筋トレとしては良いと思う。
短くなるが『ストーリーの書き方・入門』の説明は以上である。
Kindleでの出版方法については、制作後の行程なので割愛する。
4.小説家になって億を稼ごう
5.岡田斗司夫ゼミ
最後はYouTubeの動画から。
ガイナックスの創業者で自称オタキングこと岡田斗司夫氏の動画を紹介する。
岡田斗司夫流『アイデアの作り方!』
これは間違いなく神回。
ヒット作の構造を分解し、別の作品として組み立てる工程を丁寧に説明している。
「これを参考に話を作ればヒット作が生み出せる!」と思ったが、自分でやると難しい。
今度、売れ筋の作品を分解して記事にしたいと思う。
また、似たような内容は大塚英志氏も語っており、手塚治虫の『どろろ』をベースに『魍魎戦記MADARA』を作っている。
『10万文字以上の長編小説を書くには?』
本格的な長編を書くための方法について説明している。
自分の好きなシーンを書き、文量が溜まってきたら、個々のピースを繋いでいく。
説明を聞いているとイケる気がするのが不思議だ。
以上である。
この記事が誰かの参考になることを祈る。
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