白いばら×Docosa
01.白いばら
白いばらとは創業80年の銀座最古のキャバレーのことである。
(2018年に閉店)
たまたま書店で手に取った本なのだが、想像以上に面白かったので記事にしてみた。
01.出身地ごとにホステスを指名できる
店の入口横の外壁には「あなたのお国言葉でお話が出来ます。あなたの郷里の娘を呼んでやって下さい」と書かれた縦1メートル、横3メートルほどの特大の日本地図が飾ってあり、そこに出身地別にホステス全員の名札がかかっていた。
つまり、同席する子を出身地で指名できるサービスである。
東京は地方出身者が多いため、同郷の子を指名する客も多かった。
02.明朗会計
料金が明示されており、料金表が店の前に貼り出されていた。
当時の銀座には料金を表示する店は少なく、ぼったくりのような値段を取る店も多かった。
また、「渡すべきなのか」「いくら渡せばいいか」など、お客さまに余計な気苦労をかけないため、チップ制度は設けなかった。
03.プロを雇わなかった
白いばらのホステスのほとんどは、日中はOLや販売員というように、別の仕事についている〝素人〟さんだった。
(AKB48にも通じるところがある)
そして、下は18歳から上は50歳過ぎまで、あらゆる年齢層やタイプのホステスが在籍していた。
(年齢による定年がないため、30年選手のベテランも居た)
そのため、若い子だと何を話せば良いか分からないというお客様にも対応ができた。
04.無理のない勤務体系
店内がどんなに盛り上がっていても、お店は23時半に閉店としていた。
アフターを強制することがないので、多くのホステスは電車で自宅に帰って行き、午前0時には店の灯りが落とされた。
無理のないサイクルを守ることで、毎日最高のサービスを提供できるようにしていた。
02.Docosa
Docosaとは、白いばらの要素を現在にアップデートできないかと考えたものである。
名物である日本地図を参考にしている。
Docosaの名称は童謡『あんたがたどこさ』から取った(安直)
少子化の時代でも東京への人口流入は止まらず、毎年3万人近く増えている。
つまり、都市部での地方民の数も増加しているということだ。
地方出身者は東京に根を張る事になるが、いきなり都会のコミュニティに属するのは難しいだろう。
そういった層に対して、地方出身者同士のコミュニティサービスに需要があると思う。
県人会のように同郷の仲間をサポートする組織もあるが、若者にとっては死語になりつつある。
(ネットで調べてもらえば分かるが、若者が少ない)
そこで、県人会のように都会の中での地方民用マッチングアプリが求められるのではないだろうか。
都市部への人工流入は世界の潮流であるため、海外でも同様の需要はあると感じている。
知らない土地で不安を覚えるのは人類共通の感覚だからだ。
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