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嗣人作品・夜行堂奇譚『山神蓮花』気配美を味わいつくす ! ! 朗読 青木双風

夜行堂奇譚、ついに第三巻発売開始!!
ただいま絶賛予約受付中・お届けは7/17から

以下初稿 注)7/12大幅に増稿

おはようございます。
まぁ、御用とお急ぎの無い方は一度聞いてみてほしい。
 美しいのです。そこはかとなく美しい。15分ほどの作品であるからして、5、6000字までの作品だろう。ここnoteで人気になり、続けざまに二冊の本を出されている。
 わたしが嗣人氏をはじめて知ったのは去年の夏前ぐらいだったろうか。遅いのであるよ(笑) 
なかでも夜行堂奇譚といえば嗣人ファンにはなじみの作品群だろう。わたしも惚れたと書いた原稿をアップするほどのファンでもある。
はじめて嗣人氏の存在を知ることになった、宮大工シリーズが大好きなのだが、ここに貼り付けた朗読系Youtuber、青木双風氏が読む夜行堂奇譚"山神蓮花"はわたしの左党を決定づけるに至った作品のひとつでもある。

                ◆

夜行堂奇譚"山神蓮花"

あらすじ◆九州の自然豊かであり長閑な山間の学校に赴任した教師。自然を師と仰ぎ逞しく育つ子供たちからは寧ろ教えられることが多いのか。主人公の穏やかであり伸びやかな人間性を滲ませた中話しは進む。赴任先の子供達から受けた幾つもの遊びの手ほどき。中でも川遊び、渓流釣りを気に入っていた。そんな夏のある日、くだんの渓流釣りを楽しむために深山に分け入るのだが_________期せずして、山中一人の翁と出遭う。
 合理性
(練り上げた気配)が壊れるギリギリのところまで攻めた一節は思わず口元を緩める。

                ◆

嗣人作品の源流を想わせる、朗読 青木双風・作 嗣人・山神蓮花というおはなし。
さて、美しいのである。そこはかとなく美しい。この一作だけで嗣人氏の美への凝着姿勢は覗えるはずである。氏の作品の源流を知るにはこの一作は外せない。
 作中、神様が登場するのだが、神様には"口"をあたえない。無駄を極限まで研磨した格好が、話を光らせる。それは磨かれた水晶の柱を想わせるようであり、チョイと光の当て方を変えるだけで千変万化、虹色が水晶の柱の中を縦横無尽に行き交っている様にすら読めて来る。

無駄は省く。徹頭徹尾。そして磨く。もっとも光り輝くところまで。慈しむように。書き手が求める耽美なる世界を目とするところまで。しかし神様シリーズにみられる作品はそれとは逆に無駄を徹底的に愛する姿勢が覗える。 
 無駄という名のクラスター爆弾。それが地を形づくる上でのドマコンとなっている。

さて、いかがでしょう。よろしければ、盛夏を楽しみつつ涼やかで美しい嗣人作品と青木双風氏の朗読を楽しんでごらんになっては。時間と声を操るスゴ技はイチ押しです。

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氏が出版にこぎつけるまでに要した時間は12年だそうだ。

頭が下がる。十二年だよ。
さぞや、様々な葛藤があったことだろう。
進め方にしても様々な可能性を模索しただろう。
結局地道にファンを増やし、一冊目の夜行堂奇譚はわたしの知る限り三刷まで伸びている。二冊目はどうなのだろうか……気になる。頑張って欲しい。

 世一


夜行堂奇譚、ついに第三巻発売開始!!
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