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「うつの人が見ている世界」は灰色

鬱病を経験すると、色彩豊かな世界が灰色に見えます。


「休め」と言われても休み方もうまくわからなくて、美しい風景を見ても何も感じない、ご飯が美味しくない。自信もなく、達成感もうまく感じられず、今日を生きるだけで精一杯なのに明日のことなんて考えられなくて、次第に絶望が押し寄せるようにやってきます。

そんな自分を救えるのは、抗うつ薬でも周囲のだれかに寄りかかることでもなく、自分だけです。

もちろんおくすりも周囲のサポートも必要なのだけれど、わたしはそれに頼りすぎていました。
「薬を飲んでいれば治るだろう」とおもって、ほんとうにとるべき行動をなにもしなかったから、病気はさらに悪くなりました。

そんなわたしを見て、最初は支えようとしてくれたひとも、徐々にわたしを見限るようになっていきました。わたしは、驕りすぎていたのです。
周りからみたわたしは、病気を治すためになにもしていないのに、鬱病だから助けられて当然とおもっている、そう見えていたのです。

自分を救うことができるのは自分だけ、そのことに気づいたのは鬱病と診断を受けてから1年と2ヶ月が過ぎようとしていた頃でした。

自分がこなせる量以上の仕事を背負いすぎていて、身体も心もぼろぼろになっていたときに、「うつの人が見ている世界」を読みました。

誰かが止めてくれないと、風船が破裂するまでやりすぎてしまう。

「うつの人が見ている世界」


鬱病をよくするためには、鬱病というフィルターを通して見ている世界、そして自分を知ることがたいせつで、この本には当事者の声がたくさん収録されています。

毎日頭のなかが曇りの天気のようで、変わることがなかった。

「うつの人が見ている世界」


この本を読んでから、「この症状で苦しんでいる人は他にもいて、自分が悪いわけじゃなかったんだ。」と思えるようになりました。
病気に向き合うことは怖いけれど、苦しいことは苦しいと割り切って、できることに少しずつ取り組んでゆくことが、寛解へのいちばんの近道へなると信じています。

もうすこしだけ、生きてみるよ。

2023.1.16
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