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アクロス・ザ・パルプフィクション・ゲームバース(予告編プログラム)


「お話して……」

「これは冒険の物語」

「様々な世界の冒険譚」

「いろんな種族の群像劇」

「恐ろしい争いの記憶」

「わたしが生み出した、わたしだけの物語」


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based on the imagination from azitarou

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砲塔と増設されたハッチから絶え間なく発射される徹甲弾とミサイル!操縦席では2本のレバースティック操作によって、弾幕を最少の動きで掻い潜りつつ砲身は常に敵へターゲッティング!そしてそのショットボタン上部には「ON」のスイッチが!連射モード機能搭載!画面左上のハイスコアは最高記録を更新し続けている!全て妖精グレムリンによる魔改造の賜物だ!「ヒャッハァー!これだから戦車乗りはやめられねえ!」

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虚空からグリッドラインが浮かび上がり、鋭角のポリゴン物質が出力された。彼女が腕を振り上げるとそれは恐るべき槍へと変貌し影の兵が5人まとめて串刺しにされる!その間にもう片方の手で生み出したゲートからはワイヤーフレーム空間が展開されゲートの正面の兵をまとめて飲み込み、それらを形を残さずレイヤ分解せしめた。「あなたたちの相手をしている暇はないの。虚無へ帰りなさい」点と線だけになった兵士だったものは、風に溶けて見えなくなった。

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【電鋸電鋸電鋸電鋸電鋸電鋸電鋸電鋸】8本のチェンソーが雄たけびをあげ、周囲に殺戮の暴風が吹き荒れる!彼は淡々と、しかし最大効率的に敵兵を微塵切りに仕上げていく。ピコーン! 【電鋸電鋸電鋸電鋸電鋸電鋸ハープーンモーニングスター】「ウム?」8本のチェンソーのうち2本が残像を残しながらブレ始め、鋭利な銛と凶悪な棘付鉄球に変化した。

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「本当はここでお披露目するはずじゃなかったんだけどね…。でも、そうも言ってられないか…!」アルスのドゥームスレイヤーがうなりをあげた!あれくるうひかりのほんりゅうがてきをつつみこむ!フォトンヘルストームがはつどうした!対象に最大HPの70%+120ダメージ!装備品:ばらじゅうじのタリスマンの効果で最大HPの20%以下のダメージを無効化!

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「私はね、別に元居た世界に戻りたいわけではないんだ」初老の軍人は無駄が一切ない動きでナイフを投げ続ける。「私は静かに余生を過ごしたいだけなんだよ」ナイフを投げ続ける。「湖畔のロッジでゆったりと読書を楽しみ、時折やってくる友人と語らう……そういった余生をね」投げ続ける。投げ続ける。おびただしい死体の山。

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猪人が猛烈な速さで軍勢を当たり散らし、兎人の鉄甲具足が兵士の頭を蹴り飛ばした!龍人が怯んだ他の兵士たちにすぐさま息吹を吹きかけると、兵はみるみる朽ち果て塵と化してゆく!一騎当千の武人を見守る獅子の少年の背後には、ゴリラ、虎、牛、蛇、羊などの特徴を持つ獣人が幻影のように浮かび上がる。幻影?そうだ。彼らは少年に臣下の忠誠を誓い、その結束は遠い異界の地であっても途切れることは無い。「我に忠誠を誓いし獣人たちよ!臣下の盟に従い外敵を駆逐せよ!」

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バーは異様な雰囲気に包まれていた。男たちのやかましい喧騒や抜き打ちリボルバーダーツ、程度の低いイカサマが横行する賭博は鳴りを潜め、今にも爆発しそうな緊張感が満ち、客の注目はたった一ヶ所に集中している。その視線の先、店内中央の円卓では、いかにも場違いな6人が油断ならない目つきでお互いを見ていた。

「で?話をまとめると俺たちをこんな訳の分からない世界に引き込んだファック野郎をブッ潰せばいいんだろ?」

「いいえ、元の世界に帰る方法を聞き出すのが先。叩きのめすのはその後よ」

「私トシテハココモナカナカ興味深イ世界ナノデ、 モウ少シ長居シテモ良カッタノダガ

「あなたロボットでしょ?燃料とかメンテナンスどうするの?」

「いやいや今すぐ帰らないと!丸々3ヶ月かけてようやく宝剣を錬成したのに、こんなところで油売ってる場合じゃないよ!」

「いいじゃねえか、減るもんじゃねえし」

「減るよ!時間が!僕がどんな大変な思いをしてこれ造ったか分かってないでしょ!王家の献納品コンペに備えて半年間も準備してたんだぞ」

「私ノ体ハ限リナク生体ニ近イぱーつデ構成サレテオリ、新陳代謝機能モアルノデめんてなんすハ不要ナノダ。食事モ必要ナイ」

「それではなぜ料理の注文を?……ここの生ハムはひどい塩気だ。ナッツも大きさが不揃い。お酒は…まずまずだが、これではもう一度足を運ぶ気には、とてもとても」

「ニンゲンノ食糧ヲ構造解析スルノガ私ノ趣味ダカラダ。異文化理解トイウヤツダ」

「我もいち早く国に戻り、ニンゲンを自称する猿人の賊鎮圧に取り掛らねば……ハッ!もしや貴様らもニンゲンの仲間か!?」

「落ち着きたまえ小さき王よ。我々の身なりを見るがいい。君の知るニンゲンとやらはもっと粗末な格好をしているのでは?」

「なるほど…!言われてみるとそうだな確かにお前達はニンゲンではないな!早とちりをしてすまない!」

「…こんな王様でよく国が成立するね」

「こちとら何でブリキの人形が喋ってるのか不思議でなんねえよ。なあ嬢ちゃん」

「ゴーレムみたいなものでしょ?どっかで誰かが操ってるのよ」

「失礼ナ。私ニハ自我ガアル」

「失礼、失礼、そこの勇者一行諸君」円卓に声をかけたのはスキットルを手にした山高帽を被った鷲鼻の男と、その一歩後ろからオドオドした目でこちらを見る太っちょの口髭。「どうやら目的はあるが、足も土地勘もないって顔をしているな」山高帽は酒をあおりやおら言った。「俺達がガイドしてやろう。お前達は悪いやつをブッ倒し、俺達はそいつのお宝をブン取る。ウィンウィンだろ?」


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ACROSS THE PULP-FICTION GAMEVERSE

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COMING SOON……?



……

…………

やあ、こんにちは。azitarouだよ。
ようこそ、胡乱なバーへ。
このコロナはサービスだから、まず飲んで落ち着いて欲しい。

うん、「嘘予告」なんだ。済まない。
仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。

きっかけはね、逆噴射小説大賞なんだ。はじめはみんなの作品を読んで楽しんでいただけなんだけど、次第に自分も書きたくなってきたんだ。パルプ小説をね。それで生み出したのが最初の6作品だったってわけ。でも400文字の先の話は何も考えていなかった。いや、正確には構想があったものもなかったわけではないんだ。でも自分でも面白くなるとは思えなかった。ところがある時、このパルプたちが1ヶ所に集結したら……?全く世界観が異なる作品がひょんなことから時空が融合して、カオスな事態になったら……?想像してしまったんだ。とてもエキサイティングだった。そう思ったんだよ。

僕はね、ナムカプのOPやシャワルマ、主題歌オールスターズメドレーがね、大好きなんだ。クロスオーバーという概念そのものがね、好きなんだ。だからこの嘘予告を書いたんだ。書きたいところだけを書いた。チョー楽しかった。ただね、すまない。アベンジャーズタワーでヒーローたちがグダグダ内輪もめしているシーンはあまり好きじゃないんだ。つまりそういうことさ。

でもね、この嘘予告を読んでくれたとき、君は、きっと言葉では言い表せない「ときめき」みたいなものを感じてくれたと思う。未完成とも、粗削りとも言われたっていい。書きたいことを書き、好きなものを語る。殺伐としたメキシコの荒野で人間性を失わないために、そういう気持ちを忘れないで欲しい。そう思って、この嘘予告を書いたんだ。

じゃあ、注文を聞こうか。


(終わりです)

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