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フリーで写真撮りって儲かるの?

この記事は定期的に修正を想定しております。2023年9月時点での記事でありまして、修正加筆が必要と感じ次第、訂正していく所存です。

世の中にはトップクラスな情報しか殆どないので、底辺足元組の感覚もアリなんじゃないかな、と思いまして。

結論から言いますと、儲からないけど、食ってけないことはない。しかし、生活スタイルによる。個人的にはそう感じます。

まず仕事量ですが、いけて週3稼働でしょうか。1日の撮影時間は少な目で2時間以内。多い時で8時間~とか。変なクライアントに当たると24時間戦えますか? みたいなケースもあるのですが、レアなので除外。

撮影1回当たりの収入は約1~2万。これを稼働日に当て込めば月の収入が凡そ、計算できると思います。高ブレすれば、

月12日稼働✕1日 2万円=月 24万円

低ければ1日 1万円として月12万です。平均値は18万円。この平均値の方が実際には近いです。

金額の良し悪しは個人に寄りますので、判断はお任せします。個人的にはこれで食っていけるので、特に困っておりません。

では、フリー写真撮りのメリットを箇条書しますと、

1.面倒くさい上司とかは居ない
これはどこのサイトでも書かれていますが、言葉の通りです。写真撮り以外のフリーでも同じだと思います。私が勤めていた所は上が、

↑とほぼ同じ体制で、上もそのまんま、こんな感じでした(「死刑」と言われたことは流石にないです)。地方の同族企業を何社か渡り歩きましたが、だいたいこれなんで疲れました。上司の靴、舐められますか? 地方の企業はだいたい、そんな感じです。

2.時間は自由
何時に出社とかはないので朝も夜も「撮影開始から終わるまで」に合わせればOK。仕事によっては撮影時間が2時間以内で終わる事もあるので、帰りにちょっと寄り道とかも出来ます。寄り道して、文句言う人も組織もありません。

3.人間関係が気楽
組織に属すると、組織の人間関係で気を使う事が多々あると思います。会社ではお付き合い残業とか、あるあるかと。帰れるならすぐ帰れる。と言うか、撮影終わったのに帰らないとか、撮影先にむしろ迷惑です。お局さんとか、日本語が通じない上司と会話したり、気を使うことはありません。

4.仕事を選べる
会社だと選べません(最近は選べるようになりつつあるっぽいですが)が、フリーは選べます。やりたくない仕事は応募しなければOK。


対してデメリットは、

1.仕事量に波がある
これはどこのサイトでも書かれてますが、毎日必ず仕事がある訳ではありません。私はクラウドソーシングサイトをメインに活動しておりますが、1つの仕事に対し応募は複数。当選して初めて仕事になります。
稀に不人気案件で応募者少数なんてケースもありますが、地雷の場合がありますのでご注意を。その場合、24時間戦えますか? 状態になる事も。

↑これを本気で要求されます
体験談としては朝4時前に家を出て、夜は早くて20時現場終了の様なスケジュールを当たり前のように通告されました。連続稼働の契約で、次の日も似たようなスケジュール。これで1日¥12,000。契約は契約なので、その期間はやり切りましたが、以後はお断りしました。

2.継続的な事案は少ない
クライアントさんがフリーに仕事を頼むということは、「突発的にやれる人がいない」からであって、その仕事が継続的にある訳ではありません。ので、1つのクライアントで継続性がありません。
仕事を続けるなら延々、応募→当選を繰り返さなければなりません。この部分を初期に頑張ったからと言って、後々楽になるとかはありません。
ただ、よく募集を掛けるクライアントさんの仕事を定期的に受けていると、応募したら即当選みたいな事もありますので、この様なクライアントさんの募集は必ず狙っていきましょう。
後は、子供の行事撮影のみのフォトグラファーサイトとかもありまして、ここは継続案件が多いので良いかも知れません。私はやってみて、子供が苦手と分かったので、辞めときました。

3.実稼働時間が長い
メリットで「撮影時間は短ければ2時間以内」と書きましたが、実稼働はもっと長いです。写真を撮ってる人は分かるかと思いますが、現像があります。仕事によって100枚以下でOKから、最低1000枚以上とかもあります。撮ってからが本番で、撮影よりむしろ現像に時間が掛かります
ので、真面目に現像しようとすると、週3以上の稼働が入れづらいと言うのもあります。
こう言う理由もあって現像を前提とした撮影より、JPG撮って出しでその場で納品出来る、くらいのセッティングで撮影に望むスタンスが必要です。

4.仕事があるのは東京都心くらい
関東圏以外は絶望です。0じゃないんですが、数がこなせません。この部分だけで、フリーに挑戦するかどうかの判断基準にしてもいいくらいです。

5.週3稼働は何でもかんでも引き受け状態
フリーは仕事を選べますが、稼働を増やすなら選んでられないというのもあります。どっからどう見ても怪しい案件は流石に除外と言っても、ちょっと引っ掛かるくらいは遠慮なく応募しないと週3は難しいです。
その結果、変なクライアントで「24時間戦えますか?」にどうしても当たります。


思い付く範囲でメリット・デメリットを上げてみました。「この辺はどうなの?」等は直接ご質問を頂ければと思います。

では、本当にデビューするとして、私も全くの丸腰でデビューした訳でもありません。元々は自動車業界で畑違いも甚だしいのですが、お仕事として引き受けられる準備めいたものはしました。

私が請ける仕事の殆どが、HP上に掲載する為の店舗内外観・物撮り・人物撮影です。その条件で最低限、必要な物や事を書きますと、

1.カメラ
当たり前ですが一応。細かく言うと、フルサイズが最低限です。やり取りした経験上、APS-Cでも大丈夫な気はしますが、フルサイズでフリーデビューしたので確信はありません。フルサイズの方が現像時に救い出せるケースが多いので、出来ればフルサイズを。
ミラーレスの方はバッテリーの予備を必ず用意しましょう(ミラーレスでなくても出来れば)。
ちなみに結婚式撮影はカメラが2個必要です。

2.レンズ
標準レンスがあれば良いと思います。
F2.8通しとかじゃなくてOK(不利になる場面はあります)。
広角はなくても、あれば便利。
「広角必須」とか言う仕事もあります。持ってなければ、その仕事を請けなければOKです。

2.クリップオンストロボ
ハイスピードシンクロは出来るストロボは必要です。ハイスピードシンクロを常時使う訳ではなく、「それくらいは出来るストロボ」クラス以上の物がないと厳しいです。
特に室内はバウンス撮影必須なので、それが出来ないと詰みます。

3.現像に使うPC
大量の写真を捌くのにテラの保存環境と、一気に現像しても固まらない性能のPC。ZOOMとかもありますので、それが出来る様に。最近のPCなら保存容量さえクリアすれば、性能は大丈夫だと思います。
出来れば、GPU搭載のものが好ましいです。CPUが高性能より、GPUがあるかないか、こちらの方が重要です。最近の現像ソフトはGPUがあること前提のような造りをしています。

4.ポートフォリオ
ここがデビュー戦で一番の難関です。
仕事を応募するにしても「これくらいは撮れますよ!」的な、見本が必要です。他の応募者は既に実績を持っているので、こちらもクライアントに見せられるものがないと100%落選です。
ただ、「写真は撮れます」を見せられれば良いので、クライアントが予定している撮影物と見本が完全にリンクしていなくても当選します。
例えば、HPに掲載する人物や店舗内・外観撮影に応募したとして、見せる見本が、

↑これで通りました。全く関係ない被写体ですが、「写真は撮れる」アピールになりました。
ので、何でも良いので「写真は撮れますよ」が分かるポートフォリオは必須です。

5.募集に応募しまくる
落選当たり前で何十個も応募します。出ている募集に全て応募するくらいの勢いが必要です。それくらいやって、週3稼働いくかどうかくらいです。

6.複数のサイトへ登録し、応募する
それぞれのサイトの募集に全て応募するくらいの勢いで応募します。案件数的に撮影日が被ることも稀ですし、被ってもそんなに沢山当選しませんので、ダブルブッキングすることはありません(万一した時は…、ごめんなさいで…)。
そうやって応募していくと、比較的当選しやすいサイトが絞られてきます。そしたら、そのサイトに集中して、その他サイトはたまに摘んでみる位にすれば良いと思います。

7.ビジネスメールに慣れる
何発応募しても、「チィース、オイラを使ってよ、ヨロシク!」みたいなメールだと当たりません。かと言って、「拝啓」に始まり、「敬具」で終わるほど固めた文章も難しい、と。軽い自己紹介とクライアントが知りたい情報のみを送ると良いと思います。絵文字とかはダメ絶対です。

8.報連相はなる早で
なる早と言うのは連絡貰ったらその場で。自分が困ったらその場で相談です。その場が無理なら数分でも何らしか、空くタイミングを見計らって。撮影先で困ったことがあって、クライアントと相談したい時は「ちょっと本社へ連絡させて下さい」と、自分で時間を作って連絡する位は必要です。

9.撮影先は1人で行きます
フリーは面倒くさい上司は居ませんが、常に1人です。撮影先にお邪魔させていただく際に「チィース、写真撮りに来たよ!」だと、キレられる事もあるかも知れません。撮影先によってはこれが「アリ」な事もありますが、撮影先の雰囲気を感じ取って、初手を繰り出す必要があります。
また、必要な写真を撮るためにお願いをする事もあります。ある程度はコミュニケーションを取らないと、やり切れません。

10.現像は即日
クライアントさんによっては「撮影日から1週間以内納品」、みたいなこともあるのですが、そうであっても翌日迄にはある程度、仕上げるようにしています。1000枚以上納品とかは流石に翌々日ですが、早くやらないと撮影が重なった場合、現像作業がダブって全ての仕上がりが遅れていきます。また、やっておく事でポッと出の仕事にも食い付けます。
早く仕上げてクライアントさんへ投げることで、微調整のキャッチボールが始まることもあります。応じて調整する事で、納品後のワーカーサイトでの良評価を狙います

11.デビューする前にお金を貯めておく
デビューしようと動いても即当選する訳ではないので、お金の面ではしばらくマイナスになります。それがいつまで続くか分からないので、先立つものは用意しておきましょう。
具体的には1年無収入でも問題ないくらい、貯めると良いと思います。1年の間、仕事に当選する事がない、と言う事は無いと思いますが、ポンポン当選するものでもありません。
貯金があっても当選しないと焦ります。貯金がなければ尚更です。最低1年は無収入でも問題ないくらい、貯めてからデビューしましょう。


と、思い付くまでを書きましたが、ある面では会社員の方が楽では? と感じる部分もあると思います。全くその通りで、フリーだからと言って、何もかも楽になる事はありません。

ただ、上司の靴、舐められますか? みたいな事はないです。会社では理不尽な事でも今後の為に我慢してやる、みたいな事もあると思いますがフリーの場合、「お宅とは金輪際、付き合わねぇ!」ですっぱり切れます。

会社は入社しないと本当はどうなのか分かりません。入ってみてブラックだった場合、やっぱやめた!がとてもし辛いです。会社にそれを伝えるのも、人によっては気が引けるでしょう。辞めるなんて言った日には、「あ? んだテメェは?」みたいなバイオレンス社員がいるかも知れません。

健康保険や雇用保険に入った後だと、記録に残ってしまうので職歴も汚れるんですが、ここは昨今、個人情報がうるさいので公的機関側も喋らないような気はするんですが、詳しくないので割愛します。

切りたくても切れないor切りづらい会社員と、切りたい時は切れるフリーでは大きな差かな? とは思います。安定性は断然会社員(我慢して出社すれば収入。フリーはやる事やらないとゼロ)ですので、どっちを選ぶか、です。

フリーは営業活動が必要です。ワーカーサイトはありますが、応募するにも、文面を考えるのも自分なので、サイトは掲示板みたいな役割しかありません。撮影現場でも、ただ行って撮って帰る訳ではなく、ディレクションと言うか、ここでもそれなりに営業的動きが必要です。

応募→当選→撮影→納品→入金を全て1人でやります。

私の場合、東京へ出るのが電車1本、地元の正社員は北朝鮮みたいなところしか無いと言う条件の為、フリーをしています。

ネガティブ情報の方が多いですが、月15~20万の収入でボーナス無くてもOKなら、フリーもアリだと思います。

論より証拠、この様な記事を作成する暇が作れるのは、何よりフリーであるからこそ、です。即日作成ではありませんが、下書きを2~3日掛けて約5000文字。生活スタイルにもよると思いますので、一参考にして頂ければ幸いです。


読んでみて、1円でも価値があるなと感じて頂けましたら、1円寄付して頂けると助かります。