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よいしょとにやり。①

ここの病室は6人部屋だけど、他の患者さんとは交流がない。
切迫流産と診断されて安静を要する妊婦さんばかりだし、それもしょうがないなと思っているけれど。

暇も続けばいろんなことを考えたりするもので、この入院生活に欠かせないキャラクターもふたり誕生した。

ひとりは、にやり。
にやりは男性の医師。休日と夜間と入院患者の担当のようで通院中もたまにあたったことがあって、正直苦手だった。
男性ということもあるけれど、初めて診察してもらったときに質問したら無視して違うことを言ってきたので、彼の日はなるべく避けてた。

初めて出血した時が日曜で、最初に内診したのは院長先生(男性)だったが、次診察室に行くと彼に変わっていてなんだかがっかりした。
入院するほどと思ってなかったのと、仕事を何日休めばいいかなどを聞くと、彼は馬鹿にしたような顔をする。

お前馬鹿じゃねえの?子供欲しいんだろがwww
だったら大人しく入院して寝とけよwww

こんな感じの顔笑

旦那ちゃんも同席していたけど、同じように思ったみたい。

にやりと名付けた。

入院してからの回診も診察もほとんどがにやり。
相変わらずだったけれど、あの流産を覚悟した日の診察で彼の印象ががらりと変わった。

涙をポロポロ流すあたしに、にやりはオロオロしてた。

にやりの人間味を初めて感じた日だった。

おそらく顔つきで損するタイプなのだろう。
かわいそうに。

でもあたしはあれからにやりが嫌いじゃない。



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