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トップレベル大学受験物理[4]運動量保存

[3]章では、運動方程式をもとに、エネルギー保存を導出し、
摩擦力のなす仕事によるエネルギー減少などについて、
理解できたかと思います。

[4]章では、引き続き運動方程式から再びスタートし、
運動量保存について理解を深めます。

難関大の入試問題も実践的に取り組んでみましょう。
ここまでのシリーズを学んでこられた皆さんは、
簡単に解けることが実感できるかと思います。


また本記事は有料としていますが、

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運動方程式から運動量保存則を導こう

図4-1

上の図で、静止している球2($${v_2=0}$$)と、球2に向かって速度$${v_1}$$で運動する球1がある。どちらの質量も$${m}$$とする。
それぞれの$${x}$$座標を$${x_1, x_2}$$とすると、
A)衝突前の運動方程式は、どちらにも外力が働いていないので、

$$
m\ddot{x}_1 = 0, m\ddot{x}_2 = 0 ----(ex.0.1)
$$

これらを積分すると、$${t=0}$$で$${\dot{x}_1=v_1, \dot{x}_2=0}$$だから、

$$
m\dot{x}_1 = mv_1, m\dot{x}_2 = 0 ----(ex.0.2)
$$

ここで、B)のように、球1と球2が衝突したとする。
衝突時の撃力を$${F}$$、衝突時間を$${\Delta t}$$とする。
B)衝突時の運動方程式は、

$$
m\ddot{x}_1 = -F, m\ddot{x}_2 = F ----(ex.0.3)
$$

衝突時、球1、球2の速度が$${v_1, 0}$$からそれぞれ$${v'_1, v'_2}$$に変化したとすると、
$${(ex.0.3)}$$式を積分して、

$$
mv'_1-mv_1=-F\Delta t, mv'_2-0 = F\Delta t ----(ex.0.4)
$$

$${(ex.0.4)}$$式を整理すると、

$$
mv'_1+mv'_2-mv_1(-mv_2)=0 \\
mv'_1+mv'_2=mv_1(+mv_2) ----(ex.0.5)
$$

$${(ex.0.5)}$$式は、衝突時に運動量$${mv_1, mv_2}$$の和が保存されることを意味する。

また$${F\Delta t}$$を力積と呼び、式$${(ex.0.4)}$$の球1に対する運動量変化のように、物体に対して外力が働いている場合、その力積により運動量は保存されないが、式$${(ex.0.5)}$$の球1と球2の全体を考えた場合、力$${F}$$は球1と球2の間に働く内力であり、内力により運動量が変化することはない

また、物体同士が衝突する時、実験的に観測される反発係数$${e}$$を以下のように、衝突前後の相対速度の比として定める。

$$
e=-\frac{v'_2 - v'_1}{v_2 - v_1} \\
 \\
e = 1 のとき 弾性衝突 \\
0 \leqq e < 1 のとき 非弾性衝突 \\
e = 0 のとき 完全非弾性衝突
$$

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