よるうみ

『やっと、生きてる』

そう、
まるで、立ち泳ぎしながら生きてきたって気分。

島影ひとつ見えない、

暗く、荒れた海の真ん中で、

ひとり、何度も波をかぶって、

塩辛い海水を飲んで。

海は地獄の底みたいに真っ黒で、容赦がなくて。

それでも生きていくには、

立ち泳ぎをしながらもがいてなきゃいけなくて。

船も浮き輪も太陽もない。

水もしたたる真っ白い豆腐がひどく焦った様子で煙草屋の角を曲がっていくのが見えた。醤油か猫にでも追いかけられているのだろう。今日はいい日になりそうだ。 ありがとうございます。貴方のサポートでなけなしの脳が新たな世界を紡いでくれることでしょう。恩に着ます。より刺激的な日々を貴方に。