『おまえら、モナカの気持ち考えたことあんのかよ?』

つぶ餡「なんでもっとありのままの自分を大事にしない?
だいたい裏ごししすぎなんだよ、お前は。
みんなが右向きゃ右向いて、皮までむくのか?
どこから食べようがどこまで食べようが同じ舌触りで同じ味。
そんな均一化されたおまえを見てアイツが喜ぶとでも本気で思ってるのかよ?」

こし餡「っせーなあ。いつまでも皮をかぶっていい子ちゃん気取りで
本心をさらけだせないのはアンタの方だろうが」

つぶ餡「な、なんだと!? 」

こし餡「アンタだってモナカと寝たいんだろうが?
くそ真面目にいい兄貴演じてよ。
頭隠してツブ隠さずってか。ヘドがでるぜ……」

つぶ餡「き、きさま……ッ!!」

モナカ「やめて! もうやめてよ二人とも!
……たった二人の兄弟なのに、どうして……?
どうしてもっと仲良くできないの!?」

つぶ餡・こし餡「あん!? 兄弟だからに決まってんだろっ!!」

モナカ「……地雷かよ(白目)。てか、あたしの気持ちは……」

つぶ餡「モナカは黙ってろ!!」

こし餡「金魚すくいに使われてえのか!!」

モナカ「(……ああ、面倒くせえ。
こんなことなら、アイスなんかと浮気すんじゃなかったわ)」

水もしたたる真っ白い豆腐がひどく焦った様子で煙草屋の角を曲がっていくのが見えた。醤油か猫にでも追いかけられているのだろう。今日はいい日になりそうだ。 ありがとうございます。貴方のサポートでなけなしの脳が新たな世界を紡いでくれることでしょう。恩に着ます。より刺激的な日々を貴方に。