【短編】バタフライナイフ
「親と子」という物について考える事は随分若い頃からあった。
僕自身の傾向なのか、その頃僕が居た場所の傾向なのかは分からないが、親子関係に何かしらの問題を抱えた友人が多かったからだ。
彼らが語った言葉や怒り、失望や涙が僕の心の中にずっと残っている。
それらを僕なりに生かしていく事。
それもひとつの友情の形だと信じる。
これはそんな話だ。
それはまだ、僕達のバンドがほんの駆け出しの新人だった頃。
ただ情熱だけを封じ込めたようなデモテープをいくつものライブハウスに持ち込んで、