エイジ

元バンドマン。現変なオジサン。双子の父。 架空のロックバンド「musasabi st…

エイジ

元バンドマン。現変なオジサン。双子の父。 架空のロックバンド「musasabi strings」のヴォーカル・エイジを描く短編小説と日々の雑感。

最近の記事

【短編】レッスン

「ユニークね、って言ってたよ」 練習スタジオでよく会ったり、スタジオ主催のイベントで一緒になったりするうちに気軽に話すようになった女性が言う。 彼女は多分僕と同じくらいの年齢で、街の音楽教室に長く通っていた。 大手楽器メーカーとかが経営するタイプの教室で鍵盤を学んでいたようだけど詳しくは知らない。 その夜、僕は練習スタジオの事務所に居た。 僕達のバンドが練習に使っていたスタジオは家族経営の小さなスタジオで、とにかくアットホームな雰囲気が強かった。 たまたま、そこで練

    • 【雑記】引き出しの中のタイムマシーン (2009.12)

      昨日、高齢者介護施設にお邪魔して弾き語りをしてきたよ。 以前にも演奏した事がある所だったからリラックスしてできました。 お年寄りの皆さん、あったかいんですよね。 演奏も歌も、それほど上手い訳ではない僕達なのに、どこに行ってもすごく喜んでくれる。 んで、必ず泣き出しちゃう人が居る。 昨日もけっこうな勢いで号泣してる人がチラホラと居た。 悲しい歌を選んでるつもりは無いんだけどね。 演奏の後、今回の企画を担当してくれた介護士さんからその辺りのお話を聞いた。 例えば誰かがある

      • 【雑記】桜(2009.4)

        僕の生まれた田舎町は「桜の名所」と呼ばれる町で。 今、一年で最も華やかな季節を迎えております。 パッと咲いて潔く散る桜の花は、そんな感じのアレコレの例えに使われたりして「儚いからこそ美しい」ってイメージがあったりするけど。 でもですよ、 毎年毎年、必ず十日くらいの「超モテ期」があると思ったら... 羨ましいじゃねぇか、そんな人生。 ソメイヨシノの寿命は人間とそれほど変わらない、って言われてるようだけど。 そんなモテ期を死ぬまで繰り返す人間はあんまり居ない様な気がする。

        • 【短編】バタフライナイフ

          「親と子」という物について考える事は随分若い頃からあった。 僕自身の傾向なのか、その頃僕が居た場所の傾向なのかは分からないが、親子関係に何かしらの問題を抱えた友人が多かったからだ。 彼らが語った言葉や怒り、失望や涙が僕の心の中にずっと残っている。 それらを僕なりに生かしていく事。 それもひとつの友情の形だと信じる。 これはそんな話だ。 それはまだ、僕達のバンドがほんの駆け出しの新人だった頃。 ただ情熱だけを封じ込めたようなデモテープをいくつものライブハウスに持ち込んで、

        【短編】レッスン

          はじめに

          小説とエッセイ。 書いてみました。 【短編】 1990年代のロックバンドの話。 ほぼ実話。 【雑記】 いわばエッセイ。 【近況】 近況。 「言葉」というツールを、どう優しく使うかという事を考えています。

          はじめに