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安藤忠雄:日本橋の家

昨年末に、大阪の日本橋で安藤忠雄「日本橋のいえ」が
イケフェスのイベント期間中に公開されていましたので、見学に行ってきました。
現在は住宅としては使われていないそうですが、
安藤忠雄設計の住宅を実際に見学できる機会は、そうそうありません。
建築業界に身を置く主にとっては、又と無い機会です。
大変貴重な機会に、カメラを持って飛んで行きました。
場所は大阪市内の日本橋、大通りから1本中に入った建物が密集する場所で、
非常に喧騒な場所に佇んでいました。
間口が狭く、奥行きが深い敷地いわゆる「うなぎの寝床」と言われる狭小地で、
設計をするには、色々な制約を受ける、プランが難しい土地です。

ですが建物の中に入って驚きです。
階段室を大胆な吹抜空間として狭い事を全く感じさせません。
階段室と階段室に面する部屋までを窓からの光が満たしています。


現在は住居としては使われていないそうです。
1階はギャラリースペースとして使われています。
奥まで進むと、天井が高くなっていて閉塞感など感じず、とても開放感があります。

階段を上がって3階へ登っていくと。。。
各部屋をつなぐ中庭に出ます。
敷地の奥まった場所がこんなに開放的になっているとは驚きです。
敷地の奥にある部屋にも光と風を届けるため工夫ではありますが、この開放感に感激しました。

この中庭、屋根が可動式になっていて、屋外空間にも、屋内空間にもすることができます。
また狭小地でありながら、長い廊下や階段を歩いていくので、狭さを感じません。

中庭に面した部屋にも、光が差し込んでいます。


空間構成が大胆で、細かなディティールはシンプルに、潔くカッコイイ建築。
僕の中で安藤忠雄建築を簡単に表現すると、こういう表現になりますが、
「日本橋のいえ」はまさしく、それを体感できる建築でした。

こうやって実際に建物の見学に行くと思い出す言葉があります。
建築を学び始めた時、授業の中で先生が、
「建築を学ぶ上で大切なことは、良い建築を実際に現地に行って、たくさん体験することです。」
とおっしゃっていた言葉です。
見学が終わった時の、心が満たされているこの感覚。
本当にそうだなぁと思います。
これが自身の活動の活力になる気がします。
機会を見つけて、また良い建築を体験しに行こうと思います。

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