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小野妹子チュジャン煮っ転がし

ジャガイモが少し残っているので、煮っ転がし。少し味付けを変えてみるかということでコチュジャン風味。
以前に作った煮っ転がしはこちら。↓


材料

ジャガイモ  3個
コチュジャン 大匙2
味醂     大匙1
醤油     大匙2
胡麻油    大匙1
酒      大匙1
蜂蜜     小匙1
水      大匙1
黒摺り胡麻  好きなだけ

コチジャン、こで終わる名前ということで、小野妹子を妄想しながら料理するか。
誤解されやすい所ですが、小野妹子は男性。子がついていることと妹という字から女性のように思われそうです。
近江国、今の滋賀県出身と言われ、元々は皇族から分かれた氏族だったらしいと言われますが、妹子の頃にはあまり振るわない氏族になっていたようです。


ジャガイモを圧力鍋で茹でて柔らかくする。

この頃、日本で初めて女帝が誕生。推古天皇を摂政として支えたのが聖徳太子。
十七条憲法を制定、冠位十二階の制等、日本の政治を主導した聖徳太子、当時の超大国、隋に遣いを送ることにしました。その使者に選ばれたのが小野妹子。
只の遣いではありません。遥々と海を越えて行くだけでも大変です。更に大変なのは持たされた国書。
「日、出る国の天子、日、没する国の天子に使いす。つつがなきや」という書き出しで始まる手紙。
この書が如何にヤバイものか、妹子が知らなかった筈はないと思います。


調味料を混ぜ合わせる。

昔も今も中国は中華思想というものを持っています。この世の中心は自分達の国であり、周囲の国はすべて蛮族。天の子という称号を名乗れるのは、中国に君臨する皇帝のみであり、周囲の国はその威光に平伏し、朝貢するのが当たり前。朝貢の見返りとして、その国を治める王として認めてやるという思想。
それが海を隔てた国を治める者が対等な天子という称号を名乗るなど、無礼千万。
こんな書を持って来た使者など処刑せよと言われるかもしれない。ガキの使いなどではない。正に命をかけた使い。
それでも逃げずに役目を貫いた。太子もまた妹子ならば、それを成し遂げてくれると信じたからこそ、国書を託して送り出したのでしょう。
推古天皇十五年(607)のこと。
結果、妹子は殺されることもなく、無事に帰国出来ました。しかし、ここで失態。
隋の皇帝、煬帝からの返書を彼は盗まれたというのです。
このことにより彼は流罪。
しかし、実際に配流になることはなく、翌年には再び、多くの国費留学生を引き連れて隋に送り出されました。
何だか腑に落ちない話。
命を懸けた使いを果たした妹子が大事な返書を盗まれたとは考えにくい。本当に盗まれたとしたら、それこそ命を以て償いそうな気がします。
また、流罪を申し渡されたのも形だけのように見えます。
推測するに、返書の内容に問題があったのではないか。とても太子や女帝に見せられる内容ではないと判断したので、盗まれたことにした?
今となっては、何が書かれていたのかはわかりませんが、太子や女帝を非難する内容?或いは当時、日本国内にあったもう一つの国に関すること?

茹で上がったジャガイモの皮を剥く。

『日本書記』には、小野妹子が送り出された遣隋使のことしか書かれていないのですが、あちらの歴史書『隋書』にはそれより七年前、600年に倭国から使いが来たことが記されています。
その内容も腑に落ちない。使者の口上や書によると、倭国の王は姓が阿毎で名が多利思比古。これはどう見ても男の名前。
当時の天皇は女帝、推古天皇。
妹子の逆で、女なのに男の名前を使ったのかというと、それも違う。
王の後宮には多くの妻がいると記されています。これが推古女帝だったら、レズビアンか、男女逆転大奥か?
教科書通りの歴史を信奉する学者は、これは聖徳太子のことだとか蘇我馬子だとか言っているようですが、どうも頷けない。
太子が摂政でありながら王を自称したとは思えない。ましてや蘇我馬子は臣下。あまりも僭越。

食べやすい大きさに切り、調味料と共に鍋に入れて沸騰。弱火にして5分煮る。

つまり、古代の日本には大和朝廷の他に倭国という国が存在したと考えた方がしっくりくる。
九州に別の王朝が存在したという説があります。それが倭国。大宰府がその首都。
聖徳太子以前に隋に遣いを送ったのは倭国の王、多利思比古。
自分の国のことではないので、日本書記はそれを記さなかった?
これより前の時代、中国の歴史書『宋書』に倭の五王という存在が出て来ます。讃、珍、淸、興、武ですが、御用歴史学者はこれを歴代天皇に当てはめようと四苦八苦していますが、どうもうまく嵌らない。
最初から別の国のことと考えれば、すっきり片付く。
妹子が盗まれたという返書には、倭国のことが書かれていた?もしかしたら本当に盗まれたのかもしれず、犯人は倭国のスパイ?妄想が広がる。


小野妹子チュジャン煮っ転がし

コチュジャンを使ったけれど、そんなに辛くはないです。少しだけ辛みが強い甘辛味という所。
やはり圧力鍋で茹でるとジャガイモはかなり柔らかくなる。彩りにかけた黒摺り胡麻もいいアクセント。ゴマグリナンやセサミンも摂取。

小野妹子が歴史に登場するのは、遣隋使の一件のみです。そこから九州王朝まで妄想が広がってしまった。
最後に妹子の意外な伝承について、
京都に六角堂というお寺。この寺の初代住職が小野妹子。
住職としての名は専務。会社の役員みたい。
専務となった妹子、境内にある池に朝夕、花を供えた。このことが華道の起こりとされています。華道の家元、池坊に伝わる話。
制御不能になりそうな妄想と共に小野妹子チュジャン煮っ転がしをご馳走様でした。

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