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しらすぺぺロンリー仮面ライダー

「荒野を渡る風、飄々と。一人行く、一人行く、仮面ライダー」
ロンリー仮面ライダーの歌詞。ということで、『シン・仮面ライダー』を観賞。
エンドロールが流れる中、「レッツゴーライダーキック」「ロンリー仮面ライダー」「かえってくる仮面ライダー」の三曲が流れました。
賛否両論というか、非の意見が多いようにも感じる『シン・仮面ライダー』ですが、私は十分に楽しめました。今回は仮面ライダーに纏わる人物を主に妄想しながら料理した記録。


材料

しらす    たっぷり
ミニトマト  1パック(14個)
大蒜     1欠け
塩      小匙1
胡椒     適量
唐辛子    1本
オリーブ油  適量
パセリ    少々

昭和四十六年(1971)に放送開始された『仮面ライダー』初期の頃は怪奇風な演出もあり、何となくおどろおどろしい感じもありましたが、『シン・仮面ライダー』もそれを現代風に表現していたように感じました。また、本郷猛のバックグラウンドもしっかりと描かれていました。
池松壮亮が演じた本郷猛も悪くなかったのですが、やはり私にとっての本郷猛は藤岡弘、さんということで、藤岡弘、さんを妄想しながら料理開始。
初めて生存中の人物を妄想。


大蒜と唐辛子を細切り。

昭和二十一年(1946)愛媛県に生まれた藤岡邦弘が藤岡弘、氏の本名。
先程から弘の後に、を付けていますが『藤岡弘、』が彼の正式な芸名。
句読点をつけていることで、いまだ完成せずという意味合い。
代々、藤岡流という武術を継承している家に生まれたので、御自身も子供の頃からそれを修行。
ある時、それを使って同級生に怪我をさせてしまう。すると母親から
「あなたが人様に迷惑をかけるようなら、私があなたの命を頂き、私もその後を追います」と仏壇の前で鬼の形相で説教。
武道の怖さと母の覚悟を知ったそうです。


オリーブ油で大蒜と唐辛子を炒める。

小学六年生の時に父親が失踪。御自身もアルバイトで生計を支えながらも苦しい生活。後々まで父が許せなかったと語っておられます。
父の失踪の理由ですが、差し障りがあるからということで、藤岡さんは公表しておられません。ただ、都市伝説めいた話ですが、藤岡さんの御父上、国のエージェントみたいなことをしていて、家族に危険が及ばないように姿を消したとか?そんな真偽不明な話もあります。
高校卒業後、俳優教室に。昭和40年(1965)に松竹ニューフェイスとして入社。都はるみ主演映画『アンコ椿は恋の花』でデビュー。
そして25歳の時に、あの番組『仮面ライダー』に主演。


ヘタを取ったミニトマトを投入。

当時、藤岡さんは本郷猛だけではなく、仮面ライダーのスーツにも入ってアクションもこなしていました。スーツを着て撮影中に事故で全身打撲、左足大腿骨複雑骨折の重傷。全治三か月から半年との宣告。番組はまだ十話程しか撮影が終わっておらず、放送前。
番組関係者は頭を抱えることに。そして番組存続のために本郷は海外のショッカーと戦っているとして、2号ライダー、一文字隼人を登場させました。
仮面ライダーといえば、変身ポーズが連想されますが、これは2号ライダーから始まったこと。当時、一文字役の佐々木剛さんは自動二輪免許を持っておらず、1号ライダーのようにバイクに乗り、風を受けて変身という演出が出来なかったから。ところが、この変身ポーズが子供達に大受け。仮面ライダーの人気を絶大なものに。
藤岡さんの怪我から始まった変身ポーズ、正に怪我の功名?
復帰した1号もそれを踏襲。私を含めた昭和の子供達を熱狂させました。
当時、仮面ライダースナックという菓子があり、景品に付いていたライダーカード欲しさに子供達が購入、カードだけ取って菓子を捨てるという現象が社会問題になったことを覚えています。
風を受けて変身の1号、ポーズで変身の2号、更にライダーカードも劇場入場特定という形で『シン・仮面ライダー』でも再現。


シラスと塩を投入。更に炒める。

仮面ライダー後の藤岡さんですが、刑事ドラマ『特捜最前線』に10年に渡って出演。
ハリウッド映画『SFソードキル』に出演。
この時、氷の中から蘇った侍の役でしたが、最初の脚本ではやたらに刀を振り回す怪物のように侍が描写されていて、藤岡さんは脚本の書き直しを要求。
当時、俳優が脚本の書き直しを求めるなど前代未聞で、なかなか聞き入れられず。それでも粘り強く交渉。ついに高い精神性を持った戦士というべき存在として描写する脚本に。
役が気に入らなければ、自分が降板すればいいだけの話。しかし、そうなると他の俳優が怪物めいた侍を演じて、誤った侍のイメージが世界中に発信されてしまうかもしれない。藤岡さんはそれが我慢ならなかったので、脚本の書き直しを求めたという次第。こうした信念や粘り強さが本物の侍と認められたようで、藤岡さんは日本人として初めて、全米俳優協会に加入を認められることに。


しらすペペロンリー仮面ライダー

大蒜と唐辛子の辛みが絡みついたオリーブ油というペペロン味が、しらすにしっかりとマッチ。
しらすから海の風味が出ているので、塩は少量でも十分。トマトの酸味もよし。
しらすからカルシウム、ミニトマトからリコピン、大蒜からアリシンと栄養価も問題なし。

歴史にも造詣が深い藤岡弘、さん。時代劇でも坂本龍馬、柳生十兵衛等の侍を演じました。
私にとって記憶に新しいのは『真田丸』での本多忠勝。
本多忠勝について調べている時に役のオファーがあり、縁を感じられたとか聞きます。
元祖、本郷猛として『シン・仮面ライダー』にも何等かの役で藤岡弘、さん出演してくれたらよかったのになと、ないものねだり。
仮面ライダーの原作者、石ノ森章太郎先生、
「仮面ライダーの物語の後、本郷猛はどうしていると思いますか」という質問に、
「藤岡弘、君を見ればいい。彼がその後の本郷猛だよ」と答えられたとか。
『シン・仮面ライダー』をきっかけに藤岡弘、さんを妄想しながら、しらすペペロンリー仮面ライダーをご馳走様でした。

#映画にまつわる思い出

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