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モリナガ?


凝固しているので湯せんで溶かしている。

キャラメルシロップが少し余っているので、菓子でも作るか。

材料

薩摩芋 200グラム
バニラエッセンス 5,6滴
卵 2個
バター 適量
豆乳 220ミリリットル
塩キャラメルシロップ 40グラム位

キャラメルといえば、森永だろう。ということから、護良親王のことを
妄想しながら調理。超が付く強引なこじつけ。
後醍醐天皇の第三皇子、一説には第一皇子とも言われる親王ですが、この方のお名前、読み方に二つ説あり。
モリヨシ?或いはモリナガ?
ウイキペディアではモリヨシとなっていますが、宮内庁の公式見解ではモリナガであり、大塔宮とも呼ばれる親王を祀る鎌倉宮でもモリナガと書かれています。鎌倉宮の動画です。↓


よって私はモリナガ親王とお呼びすべきかと個人的には思っています。
昔の大河ドラマ「太平記」でモリヨシと呼ばれていたので、そちらがポピュラーになってしまったのかもしれません。


芋を圧力鍋で茹でる。

公式には第三皇子とされていますが、第一皇子だったかもしれない護良親王ですが、早くから皇位継承候補からは外され、比叡山に入れられ出家する道を進まされていました。
そうなった理由ですが、どうやら生母に事情があったようです。というのも当時は生母の出自が大きく皇位継承に関わることでした。親王の母は民部卿三位という女性ですが、出自が定かではなく、実は後醍醐天皇の祖父、亀山天皇との間にも皇子を生んでいます。祖父と孫と関係。あまり聞こえがよくないということも、皇位継承から外された一因?


豆乳とバニラエッセンスを沸騰寸前まで加熱。

父、後醍醐天皇が政治の実権を鎌倉幕府から取り戻して、天皇親政を実現しようと思い立ち、号令をかけると護良親王は還俗して兵を率いて幕府との戦に身を投じました。
求心力を失っていた鎌倉幕府は、天皇方に付く武士が続出したことによりついに滅亡。天皇親政である建武の中興が成りました。
大きく貢献した護良親王は征夷大将軍に任じられました。


ボウルに卵、キャラメルシロップを入れ、泡立て器でシェイク。

鎌倉幕府が滅亡した元弘三年(1333)の翌年に建武と改元。ここから始まった建武の中興或いは新政ですが、3年で頓挫。実際に戦った武士達よりも公家や寺社への恩賞が厚かったとか、訴訟沙汰が不公平だったとか、様々な要因。又、功労者である護良親王と足利尊氏の対立が激化していったのも大きな原因。

温めた豆乳の半分を入れて、更に泡立てる。

武士達の信頼が足利尊氏に集まっているのを、護良親王は危惧。このままでは尊氏が新たな武家政権を樹立するかもしれない。しかし、後醍醐天皇は息子である護良親王よりも尊氏を信頼。ついに親王を拘束、身柄を尊氏に預けることに。
「武家よりも帝が恨めしい」
拘束され、鎌倉に送られることになった親王はそう嘆いたといいます。
鎌倉で待ち受けていたのは尊氏の弟、直義。
直義は親王を土牢に幽閉。

鎌倉宮の奥に現存。
しかし、本当に使われたのか?

この後、思いがけない出来事が親王の運命に影響。
滅ぼされた鎌倉幕府、最後の得宗、つまり北条一族の総帥であった北条高時の遺児、時行が挙兵。鎌倉に迫る事態に。

皮を剥いた芋、混ぜた生地をミキサーにかける。

この時、鎌倉を守っていた足利直義は兄程の軍事の才能はなく、たちまち劣勢。鎌倉を捨てる決心。その時に困ったのが親王の扱い。連れて行こうとすれば逃げられるかもしれない。置いていけば、北条方に奪われ、人質にされるとか旗頭として利用されるかもしれない。皇族ですから、権威があるということです。
結論、殺すことにしました。


バターを塗った容器に生地を流し入れる。何を作っているかって?実はプリン。

直義の命を受けた刺客、淵辺伊賀守が親王を襲撃。
激しく抵抗した親王、刺客の刃を口で受け止めて噛み折ったと伝えられます。抵抗むなしく討たれた親王の首は凄まじい憤怒の相を浮かべていて、あまりの恐ろしさに淵辺は藪に放り捨てて逃げてしまったと言います。
享年27歳。

170℃のオーブンの天板に熱湯を
半分張り、プリン生地を入れて30分、蒸し焼き。

親王が閉じ込められた土牢のようなオーブン。
それはともかく、近くにあった理智光寺の僧が親王の首を拾い上げて、丁寧に葬りました。


30分後。

焼き目が付いた、しっかり固めプリンに仕上がりました。
粗熱が取れたら、冷蔵庫で40分程、冷やします。

自分の息子よりも他人の尊氏を信頼した後醍醐天皇。結果がどうなったのかは歴史が証明。
護良親王が遠ざけられたのは、後醍醐天皇の后である阿野簾子の思惑もあったかもしれません。自分の子を帝位に就けるためには、先頭に立って戦った護良親王が邪魔だった?


キャラメル芋プリン完成。

残っているキャラメルシロップもたっぷりとかける。
使用した塩キャラメルシロップは蜂蜜屋さんが作った商品であり、甘味も蜂蜜。薩摩芋の自然な甘さもよく合います。蒸したプリンはしっかり食感。

父のために戦いながらも、疎まれて敵に引き渡され、最後は殺された。悲劇の生涯ではあったと思いますが、己の信じることに命をかけた護良親王。
キャラメル芋プリンを味わいながら、親王の魂に鎮魂の念を捧げます。

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