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ストレングスファインダーを仕事に活かす「わたしサクセスマップ」の作りかた

こんにちは。高橋 歩と申します。普段はカスタマーサクセスのサクセスに向けた伴走支援をしています。

このnoteでは、ストレングスファインダーで明らかにされた自分の強みを、シゴトやキャリアに活かすための具体的な整理方法をご紹介いたします。

「自分の強みを活かそう」とは言うものの…

人は誰でも、自分の強みを持っています(少なくとも、僕はそう信じています)。
そして、自分の強みを活かせる状況や環境を作っていくことで、もっと楽しくイキイキとシゴトができるようになると思っています。

とはいえ、自分の強みを活かそうとはいっても、いろいろな疑問が頭をよぎります。

・そもそも、自分の強みとは何なのか?
・現在の業務に、その強みを活かすためにできることは何か?
・将来に向けたチャレンジに強みを活かすにはどうしたらいいのか?

こういった疑問を解決するにはどうしたらいいだろう…。そんなことを考えていたタイミングで、ストレングスファインダー診断を受ける機会がありました。結果を見てその場では盛り上がったのですが、その後何かができたかというと、お恥ずかしい限りで…。しかし、そんな人がたくさんいらっしゃることも知りました。(次のアンケート結果をご覧ください)

そこで、ひらめいたんです。ストレングスファインダーの診断結果から自分で強みを把握して、シゴトに活かすためのアクション定義までを考えることができるフレームワークが作れないだろうか? それからしばらく試行錯誤しながら作ったのが「わたしサクセスマップ(β版)」です。

「わたしサクセスマップ」とは

「わたしサクセスマップ」とは、ストレングスファインダー診断で明らかになった自分の強みをベースに、シゴトでの現在の役割や業務内容と今後チャレンジしていきたいことをまとめていくためのワークシート(フレームワーク)です。

ただ自分の強みを理解するだけでなく、その強みを業務遂行や行動変革に活かすことで、成果をあげられるようになることを目標にしています。

「わたしサクセスマップ」は、以下の2枚のワークシート(スライド)をつかって整理をしていきます。

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1枚目:ストレングスファインダー診断のトップ5結果から自分の強みを把握し、その強みを通じておこなう現在の業務や将来のチャレンジを考えます。
2枚目:1枚目で整理した内容をもとに、業務やチャレンジで強みを活かす方法を整理し、アクションしやすいように仕組み化します。

「わたしサクセスマップ」作成の作業手順

では、「わたしサクセスマップ」完成までのステップをみていきましょう。ステップを6つに分けて説明します。

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①ストレングスファインダー診断を受ける

書籍「さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0」付属のアクセスコードやGallup社公式サイトでのチケット購入のうえ、ストレングスファインダー診断を受けます。

書籍のアクセスコードで受けても強みトップ5の診断を受けることができますが、Gallup社公式サイトではより詳細なレポートの提供が受けられるコースもあります(ただしその分、お高めです)

②自分の強みベスト5を理解する

まず、ストレングスファインダー診断でわかった自分の強みトップ5をワークシートに書き出します。
次に、診断レポートや書籍などの表記からそれらの強みの特徴を抜き書きしていきます。レポートをていねいに読み込んでいくと、意外とストレングスファインダーの各強みのタイトルと内容の印象が異なることがあります。それぞれの強みの理解を深めていきましょう。

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なお、診断のコースによって個人ごとにカスタマイズされた特徴がレポートに記載されている場合もあります。それらも参考になります。

(Aさんのケース)
ここで、架空の人物「Aさん」に登場していただきましょう。AさんはSaaSスタートアップのカスタマーサクセス職として転職してきて3ヶ月が経ち、そろそろ新しい目標を持ちながらシゴトをしたいと考えています。
そんなときに出会ったのが「わたしサクセスマップ」です。

さっそくストレングスファインダー診断をうけたところ、Aさんの強みは
①自己確信
②戦略性
③収集心
④分析思考
⑤個別化

との結果になりました。

その後、診断レポートを読み込みながら、それぞれの強みについて理解していきました。例えば、個別化とは個別に仕事をするという意味ではなく、一人一人の個性を理解できることなんだとか、分析思考とは必ずしもデータ分析をする能力だけを指している訳ではないんだなといった気づきを得ながら、ワークシートをまとめました。

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③強みを活かした現状役割や業務を書き出す

現在担っている業務を振り返り「業務遂行のためにどんな強みを活かしている(またはこれから活かせる)だろうか」と考えながら現在担当している業務や役割をリストアップします。

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(Aさんのケース)
入社して3ヶ月のAさんが担っている業務は以下の3つ。

・自社製品を購入してくれた企業へのオンボーディング活動
・サポートに届くメールの確認と返信
・チームの週次活動内容をエクセルにまとめるレポート作成

それぞれを「業務遂行のためにどんな強みを活かしている(またはこれから活かせる)だろうか」という視点で書き出してみると、

・分析思考を強みとして進めている業務が多いな
・導入企業へのオンボーディング活動では型を守ることばかり考えていたけれど、そういえば個別の状況にあわせた提案や追加コメントが評価されていたな

といったことに気づきました。

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④強みを活かした今後のチャレンジを考えてみる

今後のキャリアで実現したいことやチャレンジしたいことに対して「自分のどの強みを活かすことでそれが実現できるか」と考えながらリストアップします。

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(Aさんのケース)
Aさんには、自分がやっていきたい(またはやって欲しいと言われている)チャレンジが3つあります。

・一番気になっているのは、来期から始まると聞いたコミュニティ立ち上げ企画に携わりたいということ。転職を決めたときから気になっていたのです。このチャレンジには、自分の強み「戦略性」が活かせないかなと考えました

・また、部の定例会議でアクションを議論するとき、もっと自分の意見をしっかり伝えられるようになりたいとも思っています。転職してきて3ヶ月、いろいろこうしたほうがいいと思うこともあるのです。このチャレンジには、自分の強み「自己確信」が活かせないかなと考えました

・最後は、業界ごとの事例データベース作り。先日、部長から頼まれたものです。当初は気乗りがしていませんでしたが、自分の強み「収集心」を活かすことでチャレンジできるのではないかと考えました

ここまでで、以下のとおり1枚目のワークシートを書き上げました。

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ワークシートの1枚目を使ったここまでの整理でも、いろいろな気づきが得られます。

・自分の強みの特徴は何か
・その特徴を活かしてどんな業務を担えているか
・今後のキャリアやチャレンジを、どう自分の強みを活かしていくか

ワークシートに書き出すことで、こんなことが整理できます。

そして、ワークシートの2枚目では、これらの気づきを日常業務やチャレンジのためのアクションに紐付けていくことを考えていきます。

⑤業務やチャレンジをマップに整理する

強みを活かしたシゴトをしていくために、ここまで整理を進めてきたワークシートの内容をもとに、業務やチャレンジを1枚のシートに並べ、つながりや関連をマップとして整理していきます。

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・まず、現状役割や業務(現在やっていること)をマップに書き出し、業務の流れを線で結びます。業務がぐるぐる回る(サイクルが回る)状態にできると、強みが強化しやすい状態が作りやすくなります。
ここでは青色のオブジェクトを使って表記しています。

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・次に、今後のチャレンジをマップに書き出します。それらのチャレンジ実現のために活かす強みを踏まえて記載します。
ここでは赤色のオブジェクトを使って表記しています。

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・今後のチャレンジは、現状役割や業務だけを担っていても実現することができません。現状役割や業務を超えてチャレンジ達成のためおこなうべきアクションを定義して記載します。
ここでは緑色のオブジェクトを使って表記しています。

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・上記が完了したら、それぞれの業務やアクションの流れを線で結びます。それらの活動を業務サイクルに取り込んだり習慣化していったりするために、ブーストしていくためのアイディアを書き込んでいきます。

(Aさんのケース)
まず、現状役割や業務を書き出してみます。この3つの業務は1週間で1度業務内容の方針が決まるサイクルでまわっています。

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(Aさんのケース続き)
今後のチャレンジを、現在の業務を関連付けてマップに配置していきます。

・まず、定例会議で自分の意見が言えるようになるには、自分の意見をしっかり持っておく必要があるな。それには、いまやっている週次の活動データ集計のときに意見を作っておくのが良さそうだ。なので、週次の活動データ集計と活動方針議論を矢印で繋いでおこう。そして、議論がしっかりできればサポート対応やオンボーディング活動もよいものになっていきそうだ

・事例データベースを作れると、オンボーディング活動自体ももっとよいものになりそうだ。なので、このデータベースの作成目的を部長と議論し、オンボーディング活動でも使えるよう設計することを提案しよう。そのうえで活動をすすめよう

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(さらにAさんのケース続き)
・コミュニティに立ち上げメンバーに立候補するというチャレンジは、現状業務との直接のつながりがなく、自分でアクションをしていく必要がありそうだ。自分の強みを加味しつつ、チャレンジ実現のためにやったほうがよさそうなアクションはこのあたりかな

・顧客の課題を深く理解し定量・定性で分析できる(強み:分析思考)
・自分の意見を言語化してまわりに伝える習慣をつける(強み:自己確信)
・コミュニティ事例を集め社内でいちばん詳しくなる(強み:収集心)

これらの取り組みをチャレンジのためのアクションとして追加しました。

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(さらにAさんのケース続き)
現状とチャレンジをつなぐアクションを、活動のサイクルに組み込んでいきます。

・コミュニティ事例の収集は、そんなに苦にならず進められそうだ。まずは普段使っているSNSで情報収集できるようにしてしまおう

・課題の定量・定性分析は、日常業務に組み込みたい。たとえば、今やっている週次の活動データ集計だけでなく、オンボーディング活動結果も一緒に分析して月次レポートを作ればチームのために役立ちそうだ。そのためには、部長に月次レポート作成の提案をしてみよう

・自分の意見を伝える習慣づくりは、業務ですぐには実現できなさそうなので、同期とランチの時に語り合う会をやってみるのはどうか。テーマを毎回悩むと活動が止まってしまいやすくなるので、月次レポートや事例データベースの内容からひとつ選ぶルールにしよう。そうすれば、その内容をデータベースに反映したり、定例会議での議論にも役立てることができそうだ

Aさんは、ここまで考えたことを以下のとおり「わたしサクセスマップ」として整理することができました。こうして業務サイクルや習慣に関連付けていくことができれば、強みを活かしたシゴトをより進めやすくしていくことができそうです。

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⑥強みを活かしたアクションで活動を広げていく

ここまで整理ができたら、あとはアクションあるのみです。
業務サイクルや習慣の中でアクションしつつ、より強みを活かしたシゴトを進めていきましょう!

「わたしサクセスマップ・ワークショップ」をやってみました

こうしてできあがった「わたしサクセスマップ」。本当にお役に立てるかどうかを試してもらうため、ワークショップを企画しました。

ご協力いただいたのは、普段からストレングスファインダーを実務でも活用している、超詳しい3名のみなさんです。「わたしサクセスマップ」のワークシートを事前にお渡しし、記入いただいたマップを持ち寄っていただきました。

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参加いただいたのは、左上から反時計回りに:
・普段から多くの診断を実際に試したりコーチングを受けたりしながら、自分への理解を深め続けている池田さん
・チームメンバーのストレングスファインダーを聞き、コミュニケーションやチームワークづくりに役立てている駒谷さん
・ストレングスファインダーだけでなく自社で開発したメソッドも活用している組織人材コンサルティング企業にお勤めの杉山さん

上記3人と僕の合計4人で2時間、それぞれが記入し持ち寄った「わたしサクセスマップ」を見ながら背景や意図を聞いたり、ディスカッションをしました。

それぞれの視点からみた強みやそれを活かしたシゴトやキャリアについての議論ができたほか、参加してくれた3人からも

「強みの解釈や考え方の違いから客観的に整理できた!」
「自分の強みに気づけてなかったけど、そう使えばいいんだと気づいた!」
「強みの組み合わせが、その人の強みをさらに加速させるんだ!」
「不得意だと思っていたことを、自分の強みを使って乗り越えられる方法がみつかった!」
「メンバーの強みやアクションもこうして整理できるとよさそう!」
「明日からはじめられるアクションが具体的になった!」

などなど、それぞれが翌日からできるアクションのイメージを持てたと感想をいただくことができました(僕もたくさん気づきを得られました!)。

「わたしサクセスマップ」は、自分で整理するワークシートとしても使えますが、同僚や友人などと議論するときのフレームワークとしてもお役立ていただけそうです。

あなたも「わたしサクセスマップ」を作ってみませんか?

というわけで「わたしサクセスマップ(β版)」をご紹介いたしました。自分の強みの活かし方を整理したいときはぜひお試しいただき、よろしければご感想などをお聞かせいただけるとうれしいです

フィードバックをいただきながら「わたしサクセスマップ(β版)」を「わたしサクセスマップ(正式版)」に成長させていきたいと思っています。

p.s. ワークシート差し上げます

「わたしサクセスマップ」のワークシート(Google Slide形式・PPT形式ダウンロードもできます)が欲しい方がいらっしゃいましたら、以下お願いできれば、リンクを共有いたします(期間限定)。

・ぜひ多くの方からご感想をいただきたくTwitterにてシェアをお願いします
・シェアいただいた際のURLとともにTwitter( @ayumut )にDMください

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なお「わたしサクセスマップ」はたった2枚のスライドだけで作れます。サクッと作っていただいても、まずは手書きでも試してもよいかと思います


以上、「わたしサクセスマップ」のご紹介でした。
少しでもお役に立てたらうれしいです!

Twitter: @ayumut

最後までお読みいただきありがとうございます ぜひ、Twitterなどで感想やコメントをいただけるとうれしいですー🙌 (次のnoteのテーマの参考にさせていただきます)