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"DIVIN" Vol.27

『DIVIN』(ダイヴィン)は、国内外の様々な記事や読んだ本、面白いinstagramアカウントなど、生活している中で得た「誰かに教えたい情報」をお伝えするニュースレターです。


日々美味しくなるノンアルコールビール


ノンアルコールビールは昔から存在しているものの、長らく評判は良いものではなかった。

アルコールがゼロの代わりに、味も”ゼロ”と言われることもあった。

そんなノンアルビールの市場にも、D2Cブランドや各ブランドが品質向上を目指すことで、”美味しいビール”が増えている。

2018年に登場したLucky Saintは、イギリスで最大のインデペンデントなノンアルビールのブランドだ。

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Lucky Saintは100年の歴史を持つ、British Beer & Pub Associationにノンアルで初めて加入し、そしてイギリスのパブで初めてタップで提供されたノンアルビールとなった。

Lucky Saintは、最近5億円もの新たな調達を発表。今後は本格的に海外進出をしていくと述べている。

ある調査では、2019年度のノンアルコールビールの売上は39%増となっており、パンデミックの影響にもかかわらず、2020年も安定した伸び率を維持していると言う。

とは言え、”本物”のビールに比べると、まだまだ小さいマーケットではあるものの、Lucky Saintの他にも、様々なブランドがこの市場を盛り上げる担い手として挙げられている。

DAYS

「100% Beer 0% Alcohol.」のタグラインが絶妙でとても好き。

見た目からは、「PALE ALE」と「LAGER」が目立ち、ノンアルと気付かないようなパッケージデザイン。

夏のピクニックに持って行きたくなるようなトーンでシンプルなカラーリングが目を引く。

そしてこの投稿のメッセージもとても良い。

Forget no, low or "Zero".
We brew for those who want to do more and we call it Beer For Doing.⁠


AL’S

アメリカ発、2020年末にローンチしたノンアルビール。

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『軽くて、さわやかで、さわやかなアメリカの伝統的なビール。お酒を楽しみたい人のために。ただし、アルコール抜きで。』

のメッセージも良い。


パッケージもリソグラフのような色合いのグラフィックデザインとなっており、なんとも素敵。

FounderのAlbenのステートメントも良い。D2Cブランドのサイトでは、いつも創業者のコメントを見るのが好きなのだが(どれもウィットに富んでいる)、Albenのように自分自身の課題からプロダクトを作っていくのが当たり前で、等身大でとても良い。

冷えたビールを飲むことは、人生のシンプルな楽しみの一つです。
しかし、健康のためにお酒を断ちたいと考える人が増えています。

数年前、私は禁酒を決意しました。最初は、社交の場から排除され、友人を失うことに恐怖を感じていました。
ビール好きの私は、まともな”お酒”を見つけるのに苦労しました。

誕生日を祝おうと思っていた時、お気に入りのバーやレストランでノンアルコールビールが一杯も置いていないのが不思議でした。
これがきっかけで、何かを逃したくない人のために、美味しいノンアルコールビール、AL'sを立ち上げました。


従来のノンアルコールビールの作り方は大きく分けて2つある。

1つは、アルコールを生成する前の発酵のポイントで作業を止め、アルコールを生まないようにする方法。

2つ目は通常のビールを作る工程の後で、ボイルすることでアルコール分を飛ばす方法。

前者は、狙っていない甘みが出てしまうこと、後者はホップの味が飛んでしまうなどどちらもデメリットを持っていた。

昨今のノンアルコールビールでは新たな手法を用いることで、味を格段に上げている。

前述したLucky Saintは、通常のピルスナーのように醸造され、減圧下でアルコールを除去する「真空蒸留」と呼ばれるプロセスを経て製作されている。(この工程で完成するのに2年を要したそう。)

他の醸造所では、発酵時にアルコールを生成しない、いわゆる「怠惰な」酵母("Lazy" yeasts)を使用している。

これらのブランドから出ているノンアルコールビールの価格は高いものが多い。

これには2つの簡単な理由がある。

1つ目は、前述したように通常のビールと同じように醸造されることが多いため、”アルコール入り”と比べて安くならない(原価が大きく変わらない)ということ。

2つ目は、これらのブランドたちは、これまで以上に本物に近い味のビールを製造しているため、”本物”と思われるようにしたいと考えているからだとも言われる。

つまり、炭酸水やジュースのような価格だと人々はジュースとして飲むが、ビールと同じ値段であれば、”本物”を飲んでいると想像するのだ。

この2つ目の仮説はとても興味深かった。確かに、1ドルのノンアルコールビールだと、ジュースとして飲んでいる感覚になってしまうが、4ドルであれば、「自分で意図的に、飲みたくて選んだ1つの嗜好品」となる。

価格の付け方も人々の心理を大きく左右する。


バーガーキングがリワードプログラムを始めたワケ


バーガーキングは最近、ロイヤルティインセンティブを開始するファストフードチェーンとなった。

2月上旬、バーガーキングは「Royal Peaks」と呼ばれるリワードプログラムをロサンゼルス、ニューヨーク、マイアミを含む一部の都市で開始することを発表した。

このプログラムでは、顧客は1ドル使うごとに10クラウンを獲得し、全メニューのアイテムと交換できるようになる。

また、バーガーキングのアプリを介してサインアップするだけで新規会員の特典として、400クラウンを獲得するなど顧客獲得に向け、キャンペーンも行っている。

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今月初めにアプリ内でのリワードプログラムの開始を発表した競合のマクドナルドの後に続いたかたちだ。

マクドナルドは、今年4月まで提供しているキャンペーン「Craver Nation program」プログラムを介して、デジタル注文の顧客に報酬を与えるテストを開始している。

マクドナルドもバーガーキングも、パンデミックの中で新しいデジタルプログラムにより、顧客のエンゲージメントを高めようとしている。

ファーストフード業界にとって、リワードプログラムはリピート購入を促進し、有用な顧客データを収集する目的で行われている。

つまり、食事体験にゲーミフィケーションを持ち込むだけでなく、登録内容によって、どんな人がどんな購買行動をしているかを把握することができる。

あるデータによると、ロイヤルティの高い顧客は、リワードプログラムを使用していない顧客に比べて67%以上の購買をしていると言う。

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バーガーキングの親会社であるRestaurant Brands Internationalは、最新の決算で既存店売上高が7%減少したと発表した。

リワードプログラムは、スターバックスを中心に他の飲食店も行っている施策である。

Chipotle Mexican Grillは近年、デジタル技術に多額の投資を行っており、その結果とも言うべきか、最終四半期のデジタル売上高は、前年同期比177.2%増にも及んだ。デジタル注文は 77億 8,140 万ドルに達し、この期間の売上高の半分を占めている。

リワード(ロイヤリティ)プログラムは、企業と顧客の橋渡しとなるものであり、特にこのパンデミック時においてはデリバリーサービスへの需要が高まっており、レバレッジが効く。

Uber Eatsのようなサービスは手数料をとることもあり、バーガーキングはこれらの”中間業者”を使わずに、自社でプログラムを実施している。

より彼らにとって大きな顧客である、ドライブスルーとピックアップの顧客のための大きなインセンティブを作り、この厳しい状況を打開しようとしている。


今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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edited by Ayumu Kurashima
Instagram: @micronheads
Twitter : @micronheads_new

illustration by @mihirayuta



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