ハイブリッド配信を1年間やってみて分かったこと
こんにちは、渡辺です。
ケンブリッジ・テクノロジー・パートナーズというコンサルティング会社で人事の仕事をしています。
先日、年に1度の会社イベント「Employee Appreciation Day」(EAD)を開催しました。社員同士がお互いに感謝の気持ちを述べたり、表彰する場です。
私は今年も、社内副業であるハイブリッド配信エンジニアを務めました。
2時間30分のハイブリッド配信、今回も大成功と言っていいでしょう。
オンライン参加者に大変喜んでもらえました。やったー!
思い起こせばちょうど1年前。
私が社内で配信エンジニアとしてデビューしたのも、この社内イベントでした。
それから1年間、社内のイベントやセミナー、会議のハイブリッド配信をお手伝いしてきての学びをここで書き留めておこうと思います。
学び:「対面⇔オンラインの相互のやり取りは、そんなに望まれていない」
はい、残念ながらそういうことです。
私がハイブリッド配信に興味を持ったのは「対面参加者とオンライン参加者が分け隔てなく相互にプレゼンテーション、質疑応答、ディスカッションできる一体感を実現したい」と強く願ったことがきっかけです。
そのためにいろいろとオンライン配信に関する自己学習を重ねました。
しかし、オンライン参加者にあまり発言したがらない傾向があることに、途中で気づきました。
頑張ってオンライン参加者の音声・映像を現地に流すための機材をセッティングしても、一言も声を発してもらえないという場面も幾度となく経験しました。
オンライン参加者は「現地の進行に迷惑を掛けたくない」という思いが強く、オンライン内で完結することを望んでいるように見えます。
対策:紅白歌合戦のバナナマンの副音声
そこで今回のイベントでは、対面⇔オンライン間の相互のやり取りは諦め、オンライン内で完結する盛り上がりを目指しました。これがよかった!
つまり、現地の映像を見てオンライン参加者同士であーだこーだ盛り上がってもらう。どんなに笑っても雑談しても、現地に声は届かない。そんな状態をつくりました。
事前にオンライン参加者のうち、ベテラン社員2名に対して盛り上げ役を依頼。これもよかったですね。
2人はずっとマイクをONにして、Zoom内で喋り続けてくれました。感謝しかないです。
私も当日、オンラインの音声をモニタリングしながら配信していましたが、実質的にこれは「紅白歌合戦のバナナマンの副音声」の状態だったなと思っています。
示唆:オンライン参加者が望む"姿勢"を掴む
「対面とオンラインの双方向性」という当初の私の想定と、今回の「バナナマンの副音声」では、本質的に何が違ったのか?
私は、オンライン参加者のイベント参加に対する姿勢にあると思っています。
今回の社内イベントのように主導権が現地にある場合、オンライン参加者はテレビを見るときの受け身の姿勢を望みます。
ディスプレイの前から離れたり、何か作業をしながら見たり、時にはウトウトしたり‥。
そんな姿勢でいるところに、現地からいきなり発言を求められてもギョッとしてしまいますよね。私が当初試みていたのは、そういう振舞いだったのだと思います。
一方、ハイブリッド会議のように、あらかじめオンライン参加者に前のめりの姿勢が期待されている場合は、双方向性を求めても問題ないでしょう。
なんでもかんでも双方向性を実現するのではなく、「今回のハイブリッド配信において、受け身・前のめりのどちらがオンライン参加者の期待に近いか?」を考え、一方向か双方向かを決める。
そんな思考モードがハイブリッド配信には必要なのだと感じました。これがこの1年間の学びです。
余談
今回のハイブリッド配信で、「表彰者の名前が発表されたとき、本人が笑顔で立ち上がりステージに登る」という、アカデミー賞みたいな映像が撮れた。ずっとこれを撮りたかったんだ!
本当はZoomではなくYouTubeLiveで配信したかったし、OBSを使って字幕にもチャレンジしたかった。でもそこまで手が回らなかった。
「現地のスクリーンに何を映すのか?」という悩ましい問題。今回は自分のZoomアカウントに全員のスポットライトを当てたうえで、Zoomのウィンドウをそのまま表示した。これでよかったと思う。
現地のスピーカー音量が少し小さく感じたので、ミキサーのマイク音量を上げたところハウリングを1度起こしてしまった。どうすればよかったのか分からない。
VR-4HDのPinPはちょっと扱いづらい。ATEM miniと組み合わせて、PinPはそっちに任せた方がいいのかもしれない。
ハイブリッド配信エンジニアの道は、険しく果てない‥。
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