福祉と政治(政策)


これは、切っても切り離せないもので

どういう視点から見ても、良し悪しはある。

今、大学で学んでいる中で興味が出てきたのは

「精神保健福祉」だ。

課題をしていて、精神科病院に40年も入院していて

病院から退院できずに、しんどい経験をした方を取材した動画を見て、

感じたことは、

まず、有り得ないことがまだ起きているのかと思って

しまった。

精神障害者は、歴史のなかでかなり粗悪と考えられて

きた時代があまりにも長すぎたのではと考える。

昔の新聞記事では、「精神障害は感染する」などあるはずの無いことを

書かれ、精神科病院は山の中など市街地とは離れたところに隔離され、

「隔離政策」等と呼ばれていたこともある。

その期間が長すぎた影響があり、精神障害者が地域で暮らしていく為の

グループホームを建設するとなっても、建設反対の抗議が起こる。

1958年10月2日 特殊病院(精神・結核)に対する人員基準

1958年10月6日 医療局長通知  

事情によってはその基準を満たさなくてよい

というものがあった。

これを具体的な数字にすると

患者48人に医師1人 (一般病院の3分の1)

患者6人に看護師1名 (一般病院の3分の2)

なおかつ、措置入院(公費)・「薬漬け」にすると、

経営者からすれば利益があるというのがこの時代の実態だ。

1964年にライシャワー事件(ライシャワー駐日アメリカ大使刺傷)

があり、「精神異常者野放し論」の沸騰し、国会でも問題になった。

そして、1965年 精神衛生法の一部改正があった。

これは、入院が促進された感は無い。

その内容は

①保健所の精神衛生業務明確化
②精神衛生センターの設置
③通院医療費公費負担制度の創設
④措置入院者の手続きの改正

で、①~③は地域の内で生活をしやすい様にしている。

1968年にWHOによる【クラーク勧告】があった。

それも、1回だけでなく何回も言われており

「過剰収容による利益追求が大きな人権侵害につながるおそれがある」

と、言われているのにも関わらず、対策も浅いものが多く、

政府も、経済系の法改正はするのに福祉系の法改正はしたがらない。

更に、海外の精神科病院と比較しても、入院日数や措置の取られ方が

違いすぎるのではないかと考えることが出来る。

「平均在院日数」     「長期入院」
 先進国 28日      【1年~5年】
              8万524人
 日本  247日     【5年以上】
             9万3948人
             (出典:精神保健福祉資料)

それに、加え

海外の精神科病院は、年々病院数が減ってきているのに対して

日本はそれに逆行している。

それが、現代でも、あまり変わっているようには学んでいて思えない。

世の中の人に精神障害を持っている人が全てにおいて

危害を加えるわけではない。

地域で暮らしていける人も多くいるということを

周知させていかないといけないと思うし

その事を伝えていくのは、前線で働いている、

精神保健福祉士が中心だと考えている。

今、福祉の勉強をしている学生も出来るだろうし、

私自身も出来ることはしていきたい。

私の今の考えていることは、相談を受ける側(援助者)の経験も

積みつつ、世の中に認知して貰える様に活動していきたい

というのがひとつで、もうひとつは国の精神保健福祉分野の法律を

維持するところは維持し、改正が必要だと考えるところには

指摘していけるような人材になれたら良いなと

心の片隅で考えていたりする。

【参考文献】

#アベプラ ②精神病棟に40年間…61歳で退院した男性に聞く 日本の精神医療と課題 #ABEMA で無料配信中 https://gxyt4.app.goo.gl/pftgH

https://www.nhk.or.jp/heart-net/article/4/
「60歳からの青春 精神科病院40年をへて」

荘村 明彦(2015年)
『精神保健福祉の理論と相談援助の展開Ⅰ』
             中央法規出版株式会社

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