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よりよいインタビュアーになるために

仕事は楽しいことばかりではない。嫌な作業だって時にはある。特に私にとって憂鬱になる作業は、取材の録音を聞き直すことだ。

私はテープ起こしをするタイプではないので、必要なところのみ聞き直すだけなのだが、それでも嫌すぎる。録音を聞いてると、自分の未熟さをとことん思い知らされるからだ。

変なタイミングで質問していたり、相手が答えにくいような聞き方をしていたり…。こんな不出来なインタビュアーによくぞ丁寧にご回答してくださったと、本当に毎度頭が下がる思いで聞いている。時には「この下手くそが!」と悪態をつきながら…。

だがやはり録音データから学ぶことは多い。「ここはもっと掘り下げられたな」とか、「回りくどい聞き方をしないよう、シンプルな質問を心がけよう」とか、次の取材に活かせる要素が溢れているのだ。

特に注意したいのが、相槌だ。相槌っていうのは、取材を進めるうえでけっこう大事なポイントのように思う。私に取材のノウハウを教えてくれた人は、「リアクション芸人になれ」と教えてくれた。そう、相槌ひとつが相手のテンションに影響を与え、得る情報をも左右するのだ。

ところがどうだ、私の相槌は。「確かにー」とか「なるほどー」とか、つまらない返答ばかりしている。たまに「あー確かに、なるほどなるほど」とかいう華麗なコンボ技をナチュラルに決めてたりする。しかもびっくりするほどの棒読みで(笑)。

「確かに」とかどの目線で言ってるんだって感じだし、「なるほど」も偉そうに聞こえるようでビジネスでは適さないらしい。でも、わかってはいてもついついこの言葉が口をついて出てしまう。まぁいわゆる『癖』ってやつだ。

染みついた『癖』を直すのはそうとう難しい。ちょっとやそっとの意識では直せないからだ。最近はバリエーション豊富な相槌ができるよう、普段の会話から気をつけ、訓練を繰り返している。地道な努力だが、意外と大事だ。癖は習慣になっているものだから、とにかく反復するしかない。

とはいえ取材は会話なので、相槌ばかりに気を捉えないよう、自然なラリーも忘れないようにしたい。その塩梅が難しいわけだが、習得できた時には自分にとって大きな武器になる。

だからこそ、上手くいかなかったという取材ほど聞き直したほうがいいのだ。恥ずかしさと戦い、歯を食いしばりながらでも。取材歴が7年目に差しかかった今でも、勉強することはたくさんあるのだから。

執筆:otaki

編集:アカ ヨシロウ

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