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リモート環境になって特別なことをしなくても、完結した第1四半期決算。経理体制を振り返ってみた。

スペースマーケット経理担当の山根です。

緊急事態宣言を機に、第1四半期決算を目前にして、急遽リモートで決算業務を行うことになったのですが、いざやってみると、あまり特別な運用を導入することはなくぬるっとできていた、ということに気付きました。
リモート体制を機に特出して導入したものがないので、敢えて記事にする必要もないか?とも思ったのですが、どうしてすんなりリモート決算ができていたのか改めて振り返ってみたので、当社の体制をご紹介したいと思います。



さくっと自己紹介

私は2017年にスペースマーケットに入社しました。
前職では営業・人事を経験していて、入社当時は経理経験ゼロ・簿記関係の資格なしの私が入社半年後から経理を担当することになり、そこから初めて簿記の勉強をし、その後の2年半で、上場準備・監査対応・決算業務・開示資料作成などを経験しました。
未経験から上場企業の経理担当までの道のりはまた別のnoteでご紹介出来たらと思っています。


スペースマーケットの四半期決算体制

創業6期目で上場を果たしたスペースマーケット。
さぞ経験あるメンバーが揃っているのでは・・・?と想像くださってる方もいるかもしれませんが、実は、スペースマーケット以前は一切決算業務経験のない未経験メンバーの集合体なんですよね。
ごらんのとおり開示業務については、弁護士・デザイナーなど本業で専門的なスキルがあるメンバーが担当するという、かなり異端キャリアのユニークな体制です。

・決算業務全般、監査対応
山根(経理経験2.5年)
田中(財務経験1.5年)
・開示
開示資料 弁護士:宇根(開示資料作成経験0.5年)
決算説明資料 デザイナー:小河原(IR経験1年)


使用ツールのご紹介

コミュニケーションはSlackやZoomをメインに、決算業務で使用しているのは、基本的には下記のツールのみ。あまり特別なツールは利用していません。
・G Suite(おもにGoogleスプレッドシート・Googleドライブ)
・マネーフォワード クラウド会計、マネーフォワード クラウド経費

当社がもともと質素倹約のスタンスということもあり、積極的にツールを導入する考えがなく、またG Suiteで足りる部分が多かった為、最小限のツールで対応することができています。

その点、Googleスプレッドシート・Googleドライブはかなり活用しています!
下記はほんの一例ですが、スプレッドシートはあらゆる用途で作成しており、一時は「すぐスプレッドシート作成するヤツ」ブランディングも確立しました。

・決算業務全体の年間スケジュール
・決算業務タスク一覧(進捗管理・担当領域の確認)
・BS残高明細
・インポート用仕訳データ
・小口現金出納帳  ・・・などなど

Googleドライブでは格納場所を明確に決めて、月次決算では基本的に毎月同じ形式のフォルダを作成しています。

四半期決算時は、監査法人への提出資料がかなり増えます。他メンバーへ分担する部分もあり、その場合はGoogleドライブに指定のフォルダを作成し、そのまま内容の確認・監査法人への提出ができるよう、格納時のファイル名も指定して、メンバーに依頼しています。

具体的には、「03_提出資料(提出前確認)」のフォルダに、「20201Q_No.●●●_XXX」というファイル名で格納してもらい、確認・監査法人提出後に「02_提出済資料」のフォルダに移動して管理しています。

どらいぶフォルダ


四半期決算をどう乗り越えた?

第1四半期は初めてリモートでの決算が始まったのですが、そういえば、キックオフミーティングみたいなものは行っていません。従来より、一定は紙で届く請求書などもあったので、「それらはGoogleドライブのどのフォルダに入れよう」と決めるくらいで、そのまま流れるようにリモート決算の対応が始まりました。

監査対応も、コロナ感染拡大を避けるため、対面での機会を設けることはしませんでした。監査法人への資料提出は、Googleドライブを通じて提出、必要に応じてMicrosoft Teamsで通話するなどして順調に完結しました。


リモートで問題なく決算できる体制ができていた背景を考えてみた

このような要領で、あんまり大規模な変更をすることなく、ぬるぬると四半期決算を行うことができました。
経理でリモート決算できたというのは、経理歴のなかでも革命的なことなのですが、あんまり大改造しなくても完結できたのは、これまでつくってきたオペレーションが結果的にリモートでできる体制に仕上がってたのだと気付きました。

そこで、どういう点がリモート決算実現につながったか考えてみました。

・とにかくオンラインに集約。紙の運用を最小限にしていたこと。
マネーフォワード クラウド会計・ネットバンキング・データは決められたGoogleドライブに保存。些細なものでもオンライン上で完了する手段を採用しました。
また会計に関わる社内稟議・決裁もマネーフォワード クラウド経費を使用して承認を得ていて、もともとハンコで承認をもらう運用をほとんど採用してませんでした。その背景として、上司であるCFOをはじめ、当社の決裁者がイベント参加や外出も多いので、緊急事態宣言前から、ハンコで承認をもらう運用がフィットしない体制だったことも、自然とオンラインに集約して紙運用を避けたことに繋がったと思います。

・担当業務と領域を明確に決めていたので、決算期間中のコミュニケーションがあまり発生しなかったこと。
ひとりで決算・開示業務を行っていたころは、都度やり方を検討・判断しながら仕訳を作成していたり、毎回自分のやりやすい手段で行うなど、結果は同じでも手順の面ではあまり明確に決めてませんでした。
その後、メンバーが増えて業務を共有する際に、ルールや手順が曖昧な部分が明確になり、「誰がやっても、同じアウトプットになる運用にする」というスタンスで、オペレーションの整理・運用手順の明確化を行い、業務手順を整理しました。
その結果、メンバーが増えた現在では、自分の担当は何をどこまで完了すればよいか業務内容と範囲を明確に切り分けできていた為、滞りなく後工程にバトンを渡し、コミュニケーションが最小限で業務を進められたことで、同じ場所にいないリモート環境でも問題がなかったかなと思います。


・特別なツールの導入は不要!自社の運用にフィットするやり方を見つける。
リモートで経理行うとなると、特別なツールを使っているのでは?という印象がなんとなくあるのですが、身近なツールだけで充分達成することができました。
とはいえ、最初からパーフェクトな運用ができていたわけではないです。作成してみたけど不要なスプレッドシート、オペレーションにフィットしなかったやり方は、翌月には辞めてどんどん変えます。毎月、決算振り返りMTGを行っていて、決算業務の中でつまづいた点ややりづらい点を見直して、毎月オペレーションを改善していき、継ぎ足しするタレのようにして今の運用が出来上がりました。


とまぁ、振り返ってみたのですが、なんていうかかなり基本的なことばかり・・!私の場合、経理を担当し始めたころは、経理業務のツールや運用など新しく決めていくフェーズだったこともあり、オンライン運用での体制を作りやすかった部分もあると思います。その積み重ねで、1つずつ運用をオンラインに乗せていったこと、新しく運用を増やす際にも紙での運用をできるだけ避けていったことの積み重ねが、結果的にリモート決算できる体制をつくることに繋がっていました。


日々、試行錯誤しながら経理業務を行っていますが、自社以外の経理経験がないため、かなり我流でやってる部分も多いことかと思います😅noteを通じてほかの企業の経理の皆さまの記事をみながらさらにブラッシュアップしていきたいとおもっています!



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