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20.言っているのか言わされてるのか

 仕事を休ませてもらっている間、あまりにも暇で時間を持て余し、タロットカードを検索したことがあります。

 きっかけは、わたしが小さい頃、父がタロットカードを持っていて、一緒に遊んだことを思い出したんです。その頃はタロットカードなんていう名前もよく分からず、ただトランプとはちょっと違う面白い絵のカード、そんな認識でした。遊び方も単純で、父と交互に一枚ずつめくっていき、お気に入りのカードが早く出た方が勝ち、というルール。二人の間で盛り上がり、何回も一緒に遊んだのを覚えています。

 わたしは手に収まるカードというもの全般がなんとなく好きで、トランプ、名刺、ショップカード、メッセージカード、などなど触ったり眺めていると、なぜか心地よく感じるんですよね。これは小さい頃に、父と遊んだ記憶が影響しているかもしれません。

 タロットカードと検索すると、いろんな種類があって、それぞれ独特の世界観を放ってました。「これで占え!」という攻めの絵柄のものもあれば、「一応これでも占えると思います」的な遠慮がちな絵柄もあり、デザインを見てるだけでもけっこうな時間でした。
 ちなみにその時に、父が持っていたタロットカードは、映画007の中で使われていたものと同じデザインということが判明し、ミーハーだな・・・と思いました。そういえばジェームズボンドがどうこうってよく言ってたな。

 そもそもタロットカードはどう始まったのか気になり調べていると、中世ヨーロッパ、フリーメ○ソン、神秘主義、高等魔術、占星術、秘密の奥義、黄金の夜明け団などなど、「信じるか信じないかはあなた次第です」の、関○夫がちょいちょい頭に出てくるワードがてんこ盛り。
 たまらない・・・。これはワクワクすぎてたまらない・・・。

 わたしはこういう世界観に非常に弱いんです。特に気になるのが「黄金の夜明け団」。何をした組織なんだろうか。どういうメンバーがいたんだろうか。誰も知らない地下の部屋で、黒いフードとマントを着た人たちが夜な夜な集まりながら、黄金の杯でも交わしていたんだろうか。

「秘密の組織だ、表立った行動はできない。困った時はこの短剣についている石を頼るのだ。それは黄金の夜明け団しか持っていない特別な石だ。必ず力になるだろう。今宵から君もその力を手にすることになる。ようこそ黄金の夜明け団へ」

 ・・・想像だけでご飯食べられそう。あえて今は、黄金の夜明け団については調べないことにします。想像を膨らませるだけ膨らませて、今度の楽しみに取っておきます。

 やっと本題に入ります。
 タロットカードを検索しているうちにYouTubeにもたどり着いたんですが、タロットカードの動画をあげている方がけっこういらっしゃいました。
 簡単にいうと、ここから好きなカードの山を選んでください、出たカードをリーディングすると共にアドバイスを送ります、という感じのもの。

 これがなんとも面白くて、ついつい夢中になって観てしまいました。しかもやはりみなさん、きつい言葉は言わない。何を選んでも前向きにポジティブに、結局は応援してくれます。画面越しでも、自分で選んだという前置きがあるので、説得力も増します。

 一時期、一日の大半をその時間に使ったことがあります。そして今後の未来、今後の自分に対して、前向きな言葉を言われる度に、その言葉を一字一句ノートに書き写し、何度も読み返しては、きっと大丈夫、わたしは大丈夫って言い聞かせてました。
 その気力もないほどのひどい鬱状態の時は、それを書いたノートの表紙だけを見つめ、なんとか今の状況から抜け出そうともがいたこともあります。
 うわ、文字にすると引くぐらい見事な不安定さですね・・・。

 あの時は大変お世話になりました。また今後も、たまによろしくお願いします。

 今は聞いていて声が心地よい方を、睡眠のお供に、また年始のおみくじ気分でたまに観てます。そうそう、占い師って声の質も大事なのかもしれませんね。柔らかい声の人はおやすみ3秒です。

 見えない力って本当に存在していると思いますか?
 こういう気持ちになった時にいつも思うのは「やってるのかやらされてるのか」ということ。
 もし、見えない力が存在するとして、今の自分が起こしている行動は、自分の意思でやっているのではなく、何かにやらされているのではないか、と思ったりします。
 同じように「言っているのか言わされているのか」「のっているのかのらされているのか」。
 うーん、なんとも哲学的な話・・・。

 ちなみに、鎮座DOPENESSのMODEという曲、まさにそれです。時間がある方はぜひ。ライブバージョンもめちゃかっこいいですよ。