将棋稽古大全 SELF-TRAINING ゆっくりだけど強くなるための技法

まえがき

 将棋に強くなりたい。これは、将棋を指す棋士であれば、誰もが一度は通る道である。しかし、その方法を知っているものはいない。Nobody knows.とすると、この書き物の意義が薄れるかもしれない。
 だが、考えてみれば、あらゆる稽古を試してみない限り、僕は満足しないだろう。まだ、知らない戦法や考え方があることは、論を待たないし、これから来る新しい世代の指し方も気になる。
 僕の考えでは思いつかないような稽古をしている。また、目の付け所が違うという人もいるだろう。
 この企画で示したいのは、ボーダーラインである。所謂、脚蹴りの最低基準である。
 アマチュア高段者・アマチュアトップを目指すとしたら、何ができなければいけないのか。そして、どのような稽古を日々繰り返していくのか。それを検討していきたい。
 人によって、負荷の掛け方が難しいという人もいるかもしれない。
 飽くまで、これは、塾長の稽古法であるから、改善点がある場合は、是非とも自分でチャレンジしてみてほしい。

 では、さっそくだけれど、始めてみよう。

第一稽古 ルールの理解

 将棋というゲームをするからには、ルールを知っていなくてはいけない。
 しかし、この将棋のルールは案外守られていない気がする。アマチュア高段者になる為には、やはりこの当たり前のことを当たり前にやらなければならない。

 例えば、反則負けとなる項目は何種類あって、駒の動きに関係するものはその内、いくつあるのか。とか、トリヴィアルな知識を振り回すのではなく、新しく始めたい人に、教えられるだけの知識は持つべきだと思っている。
 
 歩の動かし方を教えたり、頭金という手筋を教えたりする。
 また、そもそも将棋ってどういうゲームかを一言で言えるかとか。自分の知識を実践的に伝えられるか稽古してみよう。
 
 文章で説明するのは、至極大変だし、動画で将棋詳解等を作るのも大変だ。でも、将棋高段者になったら、出来れば、誰かひとりに将棋文化は面白いものなんだよと引継いでほしい気がする。これは、僕の願望だ。

 まずは、自分がルールの理解をしているかどうか、今一度確かめてほしい。
 将棋はどういうゲームなのか。一言でまとめられるか。
 そのゲーム性によって、どのようなことが導き出されるか。
 駒の動かし方で、どういった特性が認められるか。

 一つ一つ押さえていってほしい。これが手筋の理解に回りまわって役に立つ、と考える。
 まずは、ルールを確認しよう!


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