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【コラボイベント2 腸内環境と人類進化の関係性を紐解く】

腸内環境が人の行動や性格に大きな影響を与えるとしたら、皆さんはどのような食生活をしますか?

直接目に見えることのない腸内環境。そもそも腸内環境のことなど気にしたことなかったという方もいるかもしれません。

そんな一見遠い存在に思える“腸内環境”が実は人間の行動に大きく影響しているのではないかと研究を進めている株式会社キタイエの代表取締役 喜多恒介さんにお話を伺いました!

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(1)人生と食事の関係性について、膨大な実践から明らかになってきていること
(2)具体的にどんな食事を食べるといいのか?
(3)医学博士を目指す!これから深めたいと思っていること


和食の学び舎の<和の食卓のこれからを考えるシリーズ>の第2回のはじまりです。

ー食の関わりは?

〈会社立ち上げ〉

自分の会社を2015年に立ち上げ、教育にまつわる事業を行っていました。やりたいことを見つけ、主体的な人生を送る人を増やしたいと思い、その為の良い教育をと考えていました。

〈食が人をつくる〉

しかし実際に様々な人と向き合っていくうちに、やりたいことが何かわからない、選べない人がいる。その人に主体的な人生を送り、自己実現をしましょうと言ったとしても無理があることに気付く。どうやって向き合っていくのかを考えたときに、自己肯定感を腸内環境を整えることによって(食べるものを変えることによって)育むことができ、人の行動を変えることができるのではないかという視点を持つようになりました。

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ーベーシックインカム実験で何が起こるのか?

 ベーシックインカムに近いような形で、宿と食を提供し箱根で自由に過ごしてもらうという取り組みをやっていました。参加者は、社会で一見成功してみえるるような人が自分の生き方や働き方を問い直したりするようなケースが多かったように思います。しかしほとんどの参加者が1ヶ月以内に元気になり飛び出していくという姿を見てきました。自分の悩みの答えは自分の中にあるし、それを信じられるかどうか。その為には体調が良いこと、自然を感じること、これを滞在期間中に叶えられるような環境を用意しました。具体的には、温泉に入れる環境、玄米や野菜中心の健康的な食事を提供しました。温泉では、身体をリラックスさせ、食事では、食物繊維の摂る量を増やし体調を良くするように促す。そして季節の野菜をシンプルに美味しく味わえるようになっていけば自然と身体はどんどん元気になっていくように思います。

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ー腸内環境と行動の衝動について

 東京で過ごしていたときは年間ラーメンを200食、食べている時もありました。身体が欲しがってないのに食べてしまうという現象。その裏側には食べたいものは腸内細菌が決めているため、脳に指令を出し、食べるように人の行動を誘導しているという仕組みがあります。つまり、腸内環境が変わると嗜好も変わり、ひいては環境も変わり、行動も変わるといえるのではないかと思っています。実際にアクティブマウスと、臆病マウスの腸内環境を入れ替えると性格が変わるという実験結果が明らかになっています。

人間を形成するに当たり大きな影響を及ぼすとされる腸内環境についていまのところわかっていることは、                  

①後天的に変わることもあるが、ベースは5才で決まる                     ②民族性によって決まっているものもあるということです。

①について、300人の起業家に実際にインタビューしてわかったことなのですが、健康に気を遣って幼少期を過ごした人しかいませんでした。誰かが作ってくれたご飯をちゃんと食べて育っている。この食の格差が、モチベーションや学歴、職業格差にもつながるのではないかとも考えています。

②について、日本人は昔から海藻をよく食べてきた為、海藻を消化する腸内環境が生まれたときから整っているが、外国人によっては、消化できないため、海苔などを食べても美味しいと思えないという事象があります。

ーヘルスケアコーチとは?

 自分らしくキャリアを歩んでいくことを健康という視点も含めて向き合っていく伴走者であると思います。健康といいキャリアを積んでいくことは繋がっています。なにやっても上手くいってない人というのは健康がそもそも崩れている。一方でたくさん食べて寝て自然を浴び、やりたいことをやっていれば、上手くいっていないと悩む暇がない思います。しかし、健康な身体というのはすぐに取り戻すことができるわけではありません。また、健康な身体になったからといってすぐいい就職先を見つけられるわけでもありません。日常的に日々の行動や気持ちを振り返りながら、身体の調子、食との向き合い方なども合わせて見直していきます。そして自分の身体の健康を育みつつ、より主体的な人生とは何かを向き合うこと、そして気付くきっかけをつくります。切り口は必ずしも食から入るわけではありません。食をよりよく摂ることができない要因の一つが仕事での長時間労働や人間関係だったりすることもあります。その場合は仕事の問題にまず重きを起きながら対応します。ここでの問題の本質を見極めることも重要です。そういった意味でキャリアという視点、ヘルスケアという視点、多角的に人を捉え、向き合う力が大切だと思います。

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ー食は自分へのメッセージ

食は自分に対して1日2回あるいは3回送るメッセージでもあると思っています。自分の身体がいまなにを食べたいのか、感じて、身体が喜ぶような食事を用意する。それを1日3回やると自然と元気になり、日々のパフォーマンスも上がると思います。必ずしも毎回自分で作る必要はなく、いかに自分の身体に耳を傾け、応えるかということが大事だと思います。

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ー今後の探求について

腸内環境と人間の形成との関連性について、探求していきたいと思っています。腸内環境のこと、まだ明らかになっていない部分も沢山あり、実験を繰り返したり、分析したり、日本だけにとどまらず海外にも足を運びたいと思っています。腸内環境は普段食べているものでつくられている。つまり土地が現れている。その腸内環境で性格が決まるとしたならば、土地によって性格が変わるのではないかという仮説がにわかにある。世界の様々な国の腸内環境と性格との因果関係を見つめていきたいです。腸内環境というキーワードをもとに人々の幸福と食と土地との関係を感じたり調べたりしていきたいと思っています。

ー最後に

たくさん色々と言ってきましたが、一番伝えたいことは「体が喜ぶものを食べましょう」というシンプルなことです。食べたら顔がにこっとほころぶようなものを選んで食べること。そういう料理を作ったり、食べたりできたらいいなと思います!

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(文:岡村 恵)

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