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わたしの大恋愛 完結編

わたしと一緒にいるときでも、元カノが「今すぐ来てくれないと死ぬ」と連絡してくれば、行ってしまう。だいすきなのに、彼も愛してると言ってくれるのに、それでも行ってしまう。

あと何回我慢したらとか、あと何ヶ月我慢したらとか、期限が見えていれば耐えられたかもしれない。でも、元カノの呼び出しには終わりが見えなかった。いつまで続くかわからない状態に、わたしはほどなくして彼とお別れする決意を固めた。

行ってしまうのは彼の優しさで、そんな優しい彼がだいすきだったけど、そこだけは優しくなくていいからわたしを選んでほしかった。「あいつが生きてようが死のうが関係ない」くらい言ってほしかった。でも、彼にそれはできなかった。答えは自ずと出ていた。

こうして、わたしの人生初の大恋愛は終わりを告げた。嫌いで別れたわけではない。こんな終わり方が世の中にはあるのだと思った。

その後彼と元カノがどうなったのか、わたしは知らない。電話番号は消したし、メールアドレスは覚えているが連絡する気はない。共通の知人がいるので聞こうと思えば近況くらい聞けるかもしれないが、聞きたい半分聞きたくない半分である。

彼とお別れしてから何人か経て主人と出逢い、結婚して現在に至る。主人と結婚したことに1ミクロンの後悔もないし、家柄やいろんなことを考えるとむしろ結婚相手としては彼よりわたしに合っていると思う。ふたりの娘にも恵まれて、しあわせである。

ただ、主人には言えないが、わたしが人生でいちばんすきになったのは、愛したのは、彼だった。仮にいま再会したとして、どうなるわけではないけれど、いまでも、だいすきだ。彼とのすべてが、わたしを成長させてくれた。本当に、本当にすきだった。不本意な別れ方をしたけれど、彼には感謝しかない。どこかで、元気にしているといいなと思っている。

テレビで大沢たかおさんを観ると、福山雅治さんの歌を聴くと、自然と浮かんでくる彼の顔を、わたしは死ぬまで忘れないだろう。

#恋バナ #姉妹ママ #子育て #年の差カップル #長男の嫁

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