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ママだって大冒険したいのよ。小さな子どもたちをパパにまかせて、10日間フランスに行ったはなし

6月の中旬に、本当に久しぶりにフランスに行ってきました。

※ 幼少期にほんの少しだけ家族と一緒に暮らしたことがあり、はじめての外国だったこともあり、フランスとのつかず離れずな距離感が、わたしの人生の大切な一部になっています。

物心がつく前から、身近な存在の国だったので、
「フランスの何がいちばん好き?」とあらためて聞かれると、いつも迷ってしまうのですが、ラタトゥイユとかクスクスとか、フランスの家庭料理もだいすきだし、映画や美術や演劇など、文化的なものがとても豊かなところとか、パリのちょっと下町っぽい雰囲気とか、人間味溢れる情景とか。チャーミングなおばあちゃんやおじいちゃんが多い(いくつになっても人生楽しそう!)ところとか。古いものを長く大切にする価値観とか。個を大切にする社会で、自分軸で生きてる人が多いとか、そんなところにも自由な風を感じて、とても好きです。嫌いなところもあります。(話し出すと止まらない…)

社会人になってからも休暇のたびに、
2〜3年に一度はフランスに行っていたのに。
子どもが生まれたり、コロナ禍になったり、
また子どもが生まれたりして、気がつけば7年近くも経っていました。

家族に背中を押してもらって、フランスに行くまでに、いろんな葛藤がありました。だけど、本当によい経験になったので、心から行けてよかったなと感じています。


「2024年は、フランスに行きたい」

冒険のきっかけをくれたのは、小さな自分からのお便りでした。

インナーチャイルドの声を届けてくれる江角悠子さんのお手紙チャネリングというものを、昨年末にお願いしたのです。

そのお手紙の中に、
「2024年は、フランスに行きたい」
と書かれていました。

行けたらいいなぁ、と心の底では、何年も前から思っていた。ずっとフランスやフランスの家族が恋しかった。

だけど、子どもが小さいからとか、飛行機代が高いとか、いくつも行けない理由を並べて、その想いを先延ばしにしつづけていたのはわたし自身でした。そのことにハッと気づかせてくれたのが、そのお手紙でした。

わたしの今も、今しかない。

4歳と2歳のわんぱくキッズたちは、
それはそれはにぎやかで、追いかけ回したり、イライラしたりして感情が忙しいけれど、やっぱり子どもは、かわいくって、おかしくて、愛おしい。

子どもたちがかわいいのは今だけだよ、
あっという間に育っちゃうからね、と先輩ママパパに言われてきて、本当に、そのとおりだと思います。きっと、あっという間に、手の届かないところに行ってしまうんだろうな。

だけど、そのとおりだと思いながら、
「子どもと一緒にいられる時間は短い」と言われれば言われるほど、
「わたしの今だって、今しかない」と心の中で呟く自分がいました。

10年後、15年後。
あるときふっと、子どもが手離れしたとして、
そのころは、両親が元気でいてくれるかもわからないし、自分や家族がどんな状況にあるかもわからない。「あのとき、行っておけばよかったな」なんて、あとから絶対に後悔したくない。

だから、今年こそは、自分で行く理由をつくろうと思ったのです。
内側から湧きあがってくる、使命感に近い感覚でした。

本当は家族旅行で行けたらいちばん良かったのだけど、夫はあまりフランスびいきではないのと、わたし自身も7年のブランクがあるフランスを、子連れで安心して楽しめるか自信がなかったこともあり、まずはひとりで、今のフランスを肌で感じてこようと思いました。

行く理由を自分でつくる

「2024年こそは、フランスに行こう」と決めてからは、まずは、最大の関門は夫の説得だと思ったので、外堀から埋めるために、母と義母に、まず相談をしました。

すると、母からは「一週間なら子どもたちを連れてきてもいいよ」。義母からも「なるべく子どもたちと家事のサポートに行くね!」という、なんとも心強い温かな言葉が返ってきてホロリ。いつもわたしの仕事ややりたいことを、誰よりも応援してくれる二人の母に、本当に支えられています。

そして、夫のきげんのいいときを狙って(←ここ大事)、何回かにわたって「フランス行こうと思ってるんだ」と言いました。
お正月の初詣で、絵馬にも大きな文字で書きました。笑

最初は、はいはい、と聞き流していた夫が
「仕事で行くならいいよ」とぽつり。
「その代わり赤字になったら意味ないからね」なんて小言つきで。

・仕事につなげること
・一週間
という条件つきで、フランス行きの許可がおりました。

許可なんてなくても、堂々といけばいいのですが。わたし自身、これからはフランスと関わることをしていきたい想いがあったので、子どもたちに納得してもらうためにも、仕事のチャンスをつくることを目標にしました。

あとは、夫の交渉作戦としては、
ちらほら国内外の出張があったり、多趣味でサックスを習ってたり、マラソン旅行やひとり登山も好きな夫くん。ちょくちょく飲みに行く予定などもあるなかで、わたしはいちども嫌な顔をしたことはありません。
トータルでのfree timeは圧倒的にパパの方が多いので、おたがいさま精神で、おおらかに、強い気持ちで相談しました。(こっちに迷いがあると、つっこまれるので、決意表明する感じでね)

突然やってきたチャンス

とは言っても、フランスのとくにパリは、住んでいる日本人も多く、現地のライターさんもいるので、この円安の時代、日本からわざわざライターに旅費をだして、現地に送るメリットがあまりないだろうなと容易に想像ができます。

なので、飛行機代は自分で負担するつもりで、「フランスに行くので取材記事を書かせてもらえないか?」という方向で、つながりのあるメディア何社かに連絡してみたところ、ひとつ興味を示してくれたWebメディアがありました。

メディア側がインタビュー候補者を提示してくださり、それにあわせて企画書を作成し、企画を採用してもらえることに…!まさかフランスで取材の仕事が叶うなんて、夢のようでした。

だいたい飛行機代が比較的安いのはシーズンオフの2月、6月、11月。秋にパリに行くことが多かったのですが、久しぶりに夏に行きたいなと思い、心の中では、6月に行けるといいなと思っていたのですが。

ちょうどその時期、6月初旬までに校了というスケジュールの、本のライティングのお話をいただいていました。今まででいちばんくらい大きな単位のお仕事で、まとまったお金が入る見通しが立ったのです。

スケジュールもぴったりの本のお仕事の話をいただいて、現地で取材できる媒体も見つかり、
夫のGOサインもでて、
エールフランスがセールをしている…!
これはもう行くしかない、と決心して、飛行機のチケットを予約したのが3月末。

最後の最後に、うじうじ迷っていたわたしに背中を押してくれたのは、「ママちゃん、行ってきなさいよ!」という娘の一言でした。
4歳なのに、本当にたくましい。

メディアではなく、個人取材でのチャレンジ

フランスの取材記事を書ける媒体がひとつ見つかって、少しほっとしたこともあり、4月、5月は、他に書かせてもらえる媒体を必死に探すよりも、日々の仕事に追われていました。

そんな中、企画書が通ったはずの媒体の仕事が、その後の取材先のアポ取りが難航しているうちにメディア側の諸事情で頓挫してしまったのです。

正直このタイミングで!? という気持ちもありましたが、もう飛行機のチケットも取っちゃったし、
せっかくなら個人的な取材でもいいから、いろんな人に話を聞いてみたい。
そう思って、渡航のギリギリまで、アポイントを粘って、4名の方にお話を伺えることになりました。

無名のライターの、個人的な取材でも、こころよく時間をつくってくださる方々がいること、本当に感激しました。このときのご恩は、ずっとずっと忘れません。(noteでインタビュー連載を準備中です。こちらもお楽しみに)

夢のような10日間。

7年ぶりのフランスでは、パリ郊外の友人宅を拠点にして、日中インタビューをしては、その前後に、留学時代の友人に会ったり。すきま時間にパリの街を歩いたり。

ノルマンディの田舎に住む、親戚のようなフランスの家族に会いに行ったり。とにかく人と会う時間の多い滞在でした。

木と漆喰で作られるノルマンディの伝統家屋。
コロナ以降、フランスでも地方に移り住む人が増えているようです。

オリンピック前ということもあって、メトロの駅や街がきれいになっていたけど、基本的には、パリの美しい街並みも、生活感のある雰囲気も変わっていませんでした。

英語を話す店員さんも増えたし、何かを聞くとみんな親切に教えてくれて、旅につきもののトラブルはまったくありませんでした。

ちょうどEUの議会選挙後だったこともあり、パリのレピュブリックで大規模集会が行われたり、会う人みんなが選挙の話をしていたのは、さすがフランスだなぁと感じた瞬間でした。

緑がきもちいいサンマルタン運河。
休日は朝からパリジャンたちが川沿いでピクニックを楽しんでいます。

日常を離れてみて、思った以上の解放感があって、いつもギリギリまで自分ががんばっていることに気づけたのも、今回の旅のよかったことでした。

もうひとつ。
慣れ親しんだ街ではあるものの、本当に久しぶりに海外でひとり歩きをして、暮らすように旅をする中で、ひとりでもできるんだ!という自信にもつながりました。同時に、いつもいかに夫まかせだったか、ありがたみも感じました。

このラズベリーの贅沢な使い方‥!イチゴも旬で美味しかった。

がんばってくれた家族に感謝

家族や日本を恋しいと思う間もなく、あっという間の滞在でしたが、自分がからだの内側からリフレッシュできたことで、家族にありがとうという気持ちが前よりも自然に感じられるようになりました。

「パパ、10日間もワンオペすごいね!」とよく言われるけれど、子どもたちがとても空気を読んでおりこうだったとのこと。笑
パパも、子どもたちも、本当によくがんばってくれました。心なしか、家族みんながちょっぴり成長したようにも感じます。

娘が大きくなったときに、女の人は何かを我慢したり諦めなきゃいけない、なんて思ってほしくないので。夫くんにあまり強くは言えないわたしですが(十分言ってる?笑)、娘のとなりでは「好きなことを楽しんでるお母さん」でいたいなと思っています。わたしの小さなプライドです。

思い切って、行動にうつせた、自分にも万々歳!
この経験のすべてが、最高のご褒美になりました。

心はいつだって自由でいたいものです。



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