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ピカピカの新入社員、一人前の人材に育てよう!(前編『最初の第一歩』)

冬が終わったかと思う間もなく急に暖かくなり、寒の戻りもあり、と気候が目まぐるしく変わる日々でしたが、皆様も体調など崩されていないでしょうか。どこの企業様も新入社員を迎え、希望に満ちた新年度のスタートですね。

当社、株式会社Tenmaruでも、本日から3日間、11社43名の新入社員の皆さんをお迎えし、集合研修がスタートします。今年もワクドキの始まりです。

せっかくご縁あって入社してくれた新入社員の人たち、前向きな気持ちを持続できる環境で、イチ早く会社の戦力になってもらいたいのです。

過去エントリ「新人育成のイロハ、お伝えします(※)」でも語りましたが、今回は「新入社員の育て方」の具体的方法について、
前半は『最初の第一歩』編
後半は『石の上にも3年、一人前に磨きをかける』編
として、前後編でお伝えしたいと考えております。

「仕事がデキる人」という肩書は、その人自身の今後のライフキャリアに大きな影響をもたらします。会社にとっても大きな財産になるでしょう。
そのためには社会人基礎力、まずは3年が勝負です。どこの会社でも通用する普遍的なスキルは早めに攻略していきましょう!


まずはここから!「新入社員研修」

入社初日、まずは社長や役員の方から新入社員に向けてありがたい歓迎のお言葉から始まり、就業規則や会社ルールの説明があった後の新入社員研修、誰でもイメージするのは、「ビジネスマナー講習」「社会的常識」このあたりでしょうか。

「電話の取り方」「名刺交換の仕方」「会社を訪問する際のマナー」などなど、なるほど、いろいろと教えなければならないことも多くありますよね。初期のタイミングで、どんなスキル習得にどれだけの時間をかけていますか?

基本的なこれらの研修を一通りサラッと終わらせ、「具体的な仕事内容」はOJTでよろしく、『ハイ、今日から貴方も立派な社員です、頑張ってください』と、現場に送り出してもよいものでしょうか?


新入社員研修、誰もが受けるべきその基本とは?

先述の「新人育成のイロハ、お伝えします(後編)」でも触れた通り、
新入社員が身につけるべきスキルとは、基礎的な能力と、基礎能力を前提に身につけた能力に分類されます。

出典:経済産業省/社会人基礎力「人生100年時代の社会人基礎力」説明資料①

つまり、スキルを「OS」と「アプリ」に分類した場合、「OS」に含まれる『社会人の基本ビジネスマナー研修』=「新入社員の初期研修」として認識しているケースも多々あるようです。しかし、これだけでは新入社員にとって、最初の第一歩として、必要最低限の研修も満たしていないのです。それはなぜでしょうか?

これから「必要な研修内容とその理由」をお伝えすることで、「なるほど、これはすべての新入社員が身につけたほうがいい」と、きっとそう思ってもらえると確信しています。


新入社員必須!身につけるべき最低限のスキルとは?

社員研修といっても、業種、職種によって求められるスキルは様々。
当然ですが、配属先に適したプログラムを組む必要がありますし、どこの企業様も実務スキルをどう高めるかについては、色々と工夫されているかと思います。

しかしそれ以前に、社会人、企業の一員として、すべての人が最低限身につけるべきスキルが存在します。

出典:経済産業省/社会人基礎力「人生100年時代の社会人基礎力」説明資料②

それが「社会人基礎力」であり、アクション・シンキング・チームワークのスキルです。これをどう磨いていくのか、まずは新入社員研修の初期段階で気づいてもらう仕掛けをしておく必要があります。

当社で行っている研修を事例に上げるとすれば、それはできるだけ実践的に、他者からの刺激を受けつつ、自己理解や他者受容につながるような内容を想定して作っています。グループワークやゲーム的な仕掛けをすることで、楽しく意欲的に取り組めるような工夫も大切にしています。

内容としては、ご存じの「社会人マナー」から始まり、「集団意思決定場面での役割の把握」「実際の現場を想定したインバスケット」「ストレスマネジメント」「他者に合わせた適切なコミュニケーション」「行動計画立案」です。

それでは、具体的に見ていきましょう。

◎社会人マナー

手始めにこれはほとんどの企業様が取り組んでいる、恐らくもっともご想像しやすい研修だと思います。
言葉づかい(敬語とは尊敬語、謙譲語、丁寧語)の確認から、電話対応の仕方、報・連・相など、会社員なら必須の基礎的スキルです。
マンツーマンのロールプレイングやグループワークを用いるなどして、より具体的なシーンを想定した演習が効果的ですよね。

◎集団意思決定場面での役割の把握

これも文字で見れば「ああ、なるほど」とお感じになるのではないでしょうか。組織は集団で何かを成し遂げる場所です。それぞれが持っている情報も、立ち位置も、判断も違います。
自分は集団の中でどのようなポジションを取るタイプなのか、求められているのはどんな行動か、「与えられた状況で適切に発言、行動する」ことを学びます。具体的にはそれぞれ違った情報の書かれたカードを使ったゲームに取り組み、「集団での意思決定」における自分の対応のクセを具体的に体感してもらいます。ゲームの体験から、自身がどう行動したかを振り返ると同時に、ディスカッションを通じて互いの行動をチェックし、組織での仕事とは何かを実践的に学ぶことができます。

また「実際の現場を想定したインバスケット」、架空の人物に成り代わり、実際に案件処理に当たるなどにも取り組みます。仕事で直面するであろう問題に自分なりの答えを考え、グループで話し合い、正解を探すことで、問題解決スキルを身につけます
そのシーンでは素早く対処する能力や優先順位をつけて仕事をこなす能力の必要性も感じ取るでしょう。どのようなワークにも言えるのですが、講師が話すだけの一方通行の座学だけではなく、具体的、実践的に行うことが大切です。

◎ストレスマネジメント

非常に今ドキな言葉ですよね(笑)ストレスマネジメント。これは新入社員だけではなく、本当はすべての働く人に必要なスキルです。しかし、最近まではあまり重要視されてこなかった…というより、概念すら存在していなかったように思います。
「仕事は辛くて当たり前。耐え抜いてタフに成長しましょう」というのは前時代的な価値観です。私のような団塊ジュニア世代は、人材も豊富で「嫌なら辞めてもらって結構」という風潮すらあったように思います。
しかし、今はせっかくご縁のあった貴重な人材、なるべく大切に育て、イキイキと長く働いて欲しい、という風に変わってきています。

新入社員の早期離職はどこの企業様も抱える問題です。
仕事の何たるかに触れないまま、早々に離脱してしまう新入社員、本人にも企業にも不幸なことです。自身のストレスに対する「感じ方」「思い込み」を把握し、「自身の感情の起こり方」を理解します。ストレスと上手に付き合っていく方法を学ぶことで、不幸な早期離職を減らせるかもしれません。いや、減らしたいと思っています。

◎他者に合わせた適切なコミュニケーションスキル

相手を尊重しながら自分の気持ちを伝えるスキル「アサーティブコミュニケーション」の活用や、人を4つのタイプに分類する「ソーシャルスタイル理論」を学び、自分自身のタイプを理解し、行動のクセと弱点を理解します。また、ソーシャルスタイルタイプ別の対応方法を学び、適切な交渉力を身につけます。

人をざっくりと4つのタイプに分類する「ソーシャルスタイル理論」は、4種類という大まかな分類ながら、「ああ、なるほど」と、どなたも腑に落ちる性格タイプ診断です。同じことを伝えるにしても、このタイプにはこのような伝え方がいいですよ、と具体的な対応方法を学びます。例えれば、「カラフルで見やすい資料が好み」「データ重視で実用的な資料に説得力を感じる」、このようなタイプの人は、誰しも心当たりがあるのではないでしょうか。
また、誰でも知っている芸能人をたとえに使うなどし、実際にタイプの見きわめ方を学び、適切なコミュニケーションに活かしていきます。
実際に、私も若手の時にこのソーシャルスタイル理論は頭に叩き込みました。そして、それぞれのタイプに合わせた提案や商談を行うことで成果に結びついたので、個人的には営業には必須のスキルだと思っております。

それらをふまえて自分がどんな社会人になりたいのか、自己理解が進み、
具体的なアクションに結びつけるための「行動計画立案」でマインドセット、こうしたインプットをスキルに変えるため、定期的にフォローしていくのです。

「新入社員に必要な研修」、どうでしょうか。確かにビジネスにおいて、すべて必須のスキルだとは感じませんか。

こんな研修を受けたことは無いが、今までちゃんとやってこられたよ、という方も多いかと思います。そういう方は、現場に出て、実践でそれらを学んでいったのではないでしょうか。とても感度が高い方々ですよね。
しかし研修という形で、より効率よく学べれば、それだけ早く成長できるとも考えられます。

仕事とは他者とするものです。学生時代は人間関係を選ぶことができました。気の合う友人達とだけ過ごすこともできたのです。しかし、仕事ではそうはいきません。感じ方、考え方の違う人と何かを成し遂げるということを、まずは最初に学ぶことが大切なのではと思うのです。

自分のタイプを知り、他者との適切なコミュニケーション力を培うことは、社会に出る最初の一歩!と考えております。


新入社員研修で得られるものとは?

このような研修を通じて、当事者である新入社員は何を得ることができるのでしょうか。実際にアンケートを取り、感想を聞いてみると、

「安心した」
実はこれがとても多いのです。

これら研修はスキルアップが目的ではあるのですが、右も左もわからない新入社員にとって、

ビジネスマナーの会得→恥をかかずに済む

集団意思決定場面での役割の把握→仕事の進め方の理解

ストレスマネジメント→つまずきや不安の解消

他者に合わせた適切なコミュニケーションスキル→お客様との接し方の指針

と、すべてが「新入社員が持つ不安の解消」に結びついています。つまり心理的安全性が高い状態で仕事をスタートできるということですね。新入社員にとっても、そして会社にとっても有益だとお感じにはならないでしょうか。


新入社員からの卒業って、いつ?

新入社員と聞けば、「ああ、入社1年目の社員さんね」というのは誰でも理解できるかと思います。では、新入社員が新入社員ではなくなる瞬間は、一体いつになるのでしょうか。

当然ですが、2年目が始まった新年度、まさにその日から、「新入社員」は、「社員」になるわけですね。
しかし、昨日まで「新入社員」だった人が、一夜あけてハイ、あなたは新人じゃなくなりました、というものではありませんよね。
新入社員は1年間かけて「新入社員」から成長していきます。2年目、まだまだ「新人」です。そして3年目はどうでしょうか。

私が今まで関わってきた「人材育成」の経験とデータから、おおよそ3年間は「新人教育の集大成」として、育成をする必要があるな、と感じています。本当の意味で独り立ちするのは4年目からということになります。

その中でも一番大切かつ、タスクのボリュームがあるのが、最初の1年、「新入社員」の時期ですが、2年目3年目と、より深く、継続して成長し続ける為にはどのように育成をすれば良いのでしょうか。

後編では、「新入社員にもっとも大切な1年目の成長と、成長し続ける2年目3年目」について語りたいと思います。


企業によって変わる?「新入社員研修」

おおよそ必須と思われる「新入社員研修」ですが、基礎的な部分はこのままに、やはり業種、職種によって重要度のウェイトは変わってきます。

営業職と内勤者、どちらもコミュニケーション力は必要ですが、お客様に直に接する営業職は他者の理解をより必要とする…当たり前ですね。

いやー、というわけで今日は大いに語りました。長々と読んで下さった方、本当にありがとうございます。ご不明な点があればどしどしお待ちしております。

もし、新人教育で定期的なフォローに困っている、最初は自社でやれるけどその後の新人教育がのマンパワーが足らない、現場がいっぱいいっぱい、でも長く働いてほしい、そんなことを思っている欲張り経営者の皆さま、
Tenmaruでは、基礎基本はそのままに、よりきめ細やかにカスタムした新入社員研修を行っております。継続してお手伝いさせていただいている企業様においては、実際に研修を受けた新入社員の感想をもとに、毎年より良いものへとチューニングすることで、より効果的な研修を提供させていただいております。

新入社員の成長は会社の成長!キャリア教育についてお考えのことがあれば、Tenmaruにお問い合わせくださいませ♪

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