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「平気」で生きる|「自分の中に毒を持て」岡本太郎

いつも本屋さんで見かけるし(つまりロング&ベストセラー)、いつかは読んでみようと思っている本ってありますよね。
その中の一冊が、岡本太郎著「自分の中に毒を持て」。
この前読んだ本に引用されていたのをきっかけに、手に取りました。


岡本太郎さんの人生観が語られています。
結婚に対する考え方(「結婚は人間の手かせ、足かせにしかならない」、「結婚が人間を卑小な存在にしている」)なんかは、本質的ではあるけど、今の日本でこれを主張してたら生きづらいなー、ぶっとんでるなーと思わないでもないですが。


自分には才能がないとか、下手だからとか、失敗したらとか、始められない言い訳を考えて安穏としていないで、「平気で」自分をさらしたらいい、と随所に出てきます。
この、「平気で」という言葉の使い方が、実にさらっとしていていいです。気張りすぎていなくて、勇気をもらえる。


「平気で」で思い出すのは、正岡子規。
結核で早くに亡くなった正岡子規。しかも脊椎カリエスという、壮絶な痛みを伴う病気で、麻痺剤を飲みながら寝たきり生活をするような晩年。
そんな壮絶な痛みの中で悟った言葉がすごい。


悟りといふ事は如何なる場合にも平気で死ぬることかと思って居たのは間違ひで、悟りといふ事は如何なる場合にも平気で生きて居る事であった。

「病牀六尺」 正岡子規


岡本太郎しかり、正岡子規しかり、人生の出来事や、その感受性の振れ幅が大きかった人たちの「平気」度合いは、気合入ってますね!
伝記を好んで読みますが、偉人たちの何がすごいって、この「振れ幅の大きさ」だと思うんです。
ものすごい富豪だけど、ものすごい貧困経験もある、とか。
壮絶な経験をされてきた方々の「平気」。


動揺したり、痛いことがあっても、偉人たちの「平気で」を思い出して、クールに生きるべし。


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