青森県立美術館
青森県立美術館
はじめての青森県立美術館。美術館前に着くと、太陽の光できらきらと輝く雪景色が広がるなかに、慎ましくも雄大な真っ白なキューブがそこにあって、雪と建物の白の重なりによるあまりの美しさに心が満たされ過ぎてまだ中に入ってないのに遠藤すでに大満足。青木淳さんの建築、白の表現が豊かで美しくて大好きだなぁ。
さて、この美術館では青森出身のアーティストである奈良美智さんや棟方志功をはじめ、様々な青森にゆかりのある方の作品が展示されている美術館なのですが、みていて感じたのは「穏やかではない熱さ」。
今回わたしは雪の季節に来たので青森の無垢な面が強く印象づいてますが、きっと春夏秋冬それぞれの季節に咲き誇る花や緑や生き物などによる極上の色彩や、はたまた自然の厳しさが日常として作家たちに深く影響を与えているのだろうと容易に想像できるような作品が多く見受けられて、芸術が生まれ得る所以、自然とアートの密接な関係性を改めて強く感じさせられました。
三内丸山遺跡の豪を彷彿とさせる空間に佇む、この美術館の目玉でもある奈良さんの「あおもり犬」にしんしんと降り積もる雪を見て、瞬間の美しさではなく、時が織り成す深みによる美しさを感じてぐっときました。
あと普通に変なかつらかぶったみたいで愛しかわいかったです♡
また、ここにはシャガールによる「アレコ」という全4枚のバレエの舞台のおーきな背景幕が展示されているのですが、これがまたかなりやばめでした。もともとシャガールの作品はあまり好みではないのですが、この作品は好きにならざるを得ない感じ。
この演目のストーリー自体は『愛する彼女が浮気をして嫉妬で彼女を殺す』というおいおいまじかよ昼ドラかよみたいな内容なのですが、地に足のついたような表現ではなく、シャガールの描く『愛』ってとっておきにドラマチックでロマンチックでファンタジックなもんだから、その想像を越えた見たこともない世界に、案の定感情が揺さぶられました。
ちょうどタイミング良く、舞台と同じ環境で照明をあてながらの解説が聞けたのですが、シャガールの絵にいろんな色の照明やスポットがあてられるともう美しさが際立ちまくりでそれがめっちゃくちゃ良くて、実際に見てみたかったなぁさぞ神がかった舞台だったんだろうなぁと思いを馳せずにはいられませんでした。
というわけで青森県立美術館、ほんとうに素晴らしかったです。また違う季節に行きたい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?