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なぜ松山なのかを考えよう③

こちらの続きである。

あ、いや、続きと言っているのは私の勝手であって、引用先に許可も得ていなかったりする。要するに、リンク先の記事に刺激されたという、そういうことである(スミマセン)。

「なぜ松山なのかを考えよう①」のタイトル画像にある通り、松山市は消費支出の最も少ない都市なのだそうだ。対象は全国的ではあるが、全国の全ての市町村ではなくて「都道府県庁所在市別」である。その中で愛媛県の県庁所在地である松山市は、最も消費支出が小さいという結果が出たと、こういうわけだ。

何故、松山市の消費支出が一番小さいのか

ちょっと、データをいじくってみた。

元データはこちら。


松山市 消費支出の分類

消費支出はいくつか分類されているのだが、特に支出の少ないものは何だろう。ということでグラフ化してみた。

松山市の消費支出 一位との金額差

全部がマイナスの数字になっているのだが、各項目の一位都市との金額差である。食料が約¥-15,000-となっているのは

「食料支出の一位と比べて約¥15,000-少ない」

という意味になる。
マイナスが大きいほど一位との差も大きい。すなわち棒グラフのバーが長いほど消費支出が少ないことを意味する。

一番大きいのは「交通・通信」。
次が「その他の消費支出」。ただ、「その他」というのは総じてよくわかりにくいので横に置く。
するとその次は「住居」ということになる。「住居」という時にまず思い浮かべるのが物価の差である。
単純に考えると

「物価が安いので家賃が安い」

というように思える。


消費支出 住居

だが、しかし。

この調査資料に面白いデータがある。
それがこれである。

持ち家率ランキング

そう。松山市は持ち家率が非常に高いのである。91%を越える。10人のうち9人が家を持っているということになる。持ち家となると家賃の支払いがいらない。結果、こうなる。

家賃地代支払いランキング

持ち家のトップ4と、家賃地代の低さトップ4が一致している。家を持っているのであれば家賃はいらないよねという感じであるが、家を買ったばかりであればローンの支払いもありそうで、とは言うもののローン支払いがどこに入るのかわからない。ローンは借金の返済でしかないから消費には入らないということかもしれない。不動産を一般消費に含めるのも違和感もある。だとすると、持ち家率が高ければ、家賃の支払いも当然のことながら小さくなり消費も小さくなる。

支払い家賃の一番大きいのが東京でなかったということに、もしかしたら意外に感じなかったろうか。東京はとにかく家賃が高い(多分)。大阪をとってみても、大阪市内と大阪市以外とではかなり違う。いわんや東京においてをや、である。

ところが。

東京は意外なことに持ち家率も高いのである。
持ち家率のランキングは第30位で69.7%。約7割の人が家を持っているという計算になる。家賃の支出一位にならなかったのはそのせいかもしれない。

もう一つ意外だったのは「那覇市」である。家賃が全国二番目に多く、持ち家率が一番少ない。家を買うという人が少ないのか。あるいは米軍基地に関係するのか。東京などであれば人口の動きが大きいので持ち家より借家が多くなりそうだが、沖縄県などは長く住まわっている方も多そうで、だとすると持ち家が多いのではという印象がある。勝手な思い込みでしかなかったようだ。


消費支出 交通・通信

松山市の消費支出で最も低く押さえられているのが「交通・通信」である。

まず、自動車等購入ランキングが、非常に低い。

自動車等購入ランキング

ついでながら、松山市は自動車等関係費ランキングも低い。

自動車等関係費ランキング

自動車関係の費用について一番費用をかけないのが東京であるが、これは自家用車よりも公共交通機関に頼るということだろうか。「交通ランキング」になるとこうなる。

交通ランキング

交通費となると、東京が一番費用を投じていることになる。やはり、自家用車より電車バスを使うのが東京だろうか。

では、問題の松山市であるが、松山市は交通も最低費用なのである。交通費も使わない、自動車などにも費用をかけない。うーん。

ちなみに、持ち家率トップの津市は、自動車関係には一番費用を投じている。持ち家率と自動車関係の費用には相関関係さえもないようである。

松山市の、
 持ち家率高い
 交通費安い
 自動車関係費用もかけない
というのはどういうことだろう。

古くからの持ち家のある農家が多くて、かつ農地はすぐ近くにあり移動は徒歩が多く、交通費も自家用車もあまり費用がかからないということなのか。はたまたバイク派なのだろうか(「なぜ松山なのかを考えよう①」参照)。


その他の支出

では、先ほど横においた「その他の支出」である。
もう少し細分化されているのでそれもグラフ化してみた。

松山市 その他の消費支出

仕送り金、交際費、贈与金が低い。
親へ仕送りする人は少ないかもしれない。
でも、親元を離れた子どもへの仕送りもないのか。
地元進学が多い、とか?

交際費は、えーっと、みんなで飲みに行ったりしない?
サラリーマンみたいに歓送迎会忘年会新年会なし?

贈与金って、なに?
お年玉少ない?

「他の諸雑費」「雑費」については、だいたいにおいて、「何に使ったかわからん」「なんか知らんけどお金はなくなっている」ってやつな気がするが、だとしたら無駄遣いが少ないということか?


松山市の一番って、なに?

では逆に、松山市が一番費用をかけるものはなんだろうと調べてみたらこれだった。

調味料ランキング

いや、まあ、一位と最下位の差が千円くらいしかないので、毎年入れ替わりそうな気がするが、とにかく、2023年において調味料に一番お金をかけたのは松山市なんである。


エンゲル係数

そしてもう一つがこれ。

エンゲル係数ランキング

エンゲル係数ってなんだっけ?
という感じであるが。

「1世帯ごとの家計の消費支出に占める飲食費の割合」

大阪はなんとなくさもありなんという気もする。食いだおれの街と言われるわけだし、食べることに執着しそうだ(知らんけど)。とは言うものの、堺市はエンゲル係数は低かったりするので、大阪府をひとくくりにすることもできないようである。ただ、松山市のエンゲル係数は大阪市を越えるということだ。金額は多くないかもしれないが、割合的には食べることにお金を使われるらしい。


結論

うーん。
結論と言ってもよくわからないんだが。
少なくとも「これが原因だ!」というような一つの理由というのはない。全体的に松山市は費用少な目という感じがする。その場合、節約志向が強いという見方もあるんだが、それだけではこれだけ低く押さえるのは難しいのではないか。もしかしたら、松山市は、余りお金を使わない生活が定着しているのかもしれない。隣近所が融通し合ったり、みなで寄り合って楽しんだり、そんな風に。

というような、どうでもいい勝手解釈である。

ただただ。


私が、面白かったのである。




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