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なぜ松山なのかを考えよう②

2023年度の総務省家計調査の結果発表を受けて、「なぜに松山市民の財布のひもは、日本で一番固いのか」を考えてみようというシリーズ第2弾。

前回は、「松山の家賃の安さと、車に乗らずにバイクに乗る人が多いことが、要因になっているのではないか」という私の観察から導かれた考えを書いてみた。

今回は、自宅から半径2km以内で見えた光景をもとに推理した仮説をお伝えする。

③ワンコインドリンク自販機の多さに見る学生層用物価

首都圏で見かけると、思わず駆け寄り、何かしら買ってしまいたくなる「ワンコインドリンク自動販売機」。
よくよく考えれば、コンビニのプライベートブランドのお茶や水の方が、もっと安いのだが、なんだかお得な気がしてしまうのだ。

けれど首都圏では、「ワンコイン」とでかでかと書かれている割に、10列×3段のうち、100円で売っている飲み物は1種類しかないことが多い。(しかも、たいてい水)

それが、ここ松山では、近所で見かける自販機の7割が「本当のワンコインドリンク」自販機なのだ。

ご覧あれ。
ワンコインと看板を掲げたら、ちゃんとワンコインを徹底している。
ホットもアイスも関係なく、100円。
コーヒーも、紅茶も、ココアも、コーンスープも100円。

この低価格は、逆に「100円以上の飲み物を自販機で売っても、売れない」ことを表しているのではないだろうか?

よく見ると、このワンコイン自販機のそばには「ペットボトルは持ち帰りましょう」「集まって騒がないようにしましょう」などの張り紙があることが多い。
しつけが完了した大人は、自分で出したゴミは持ち帰るし、自販機前に集まって騒がない。
つまり、ワンコイン自販機は、お小遣いで飲み物を買う中高生から大学生までをターゲットに置かれているのだろう。
部活帰りの子ども達にロックオンしているのかもしれない。

つまり、松山は学生が多い街で、学生向け低価格に設定されたもの(その一例がワンコイン自販機)が、他の街より比較的多く存在し、大人もそのおこぼれに預かって、家計の出費が抑えられるのかもしれない。

そう思って松山をよく見ると、学生街に多い「安くて量が多い飲食店」も、中心部に多く建ち並んでいる。
学生相手の商売が成り立つ街なのだろう。
(なんとなく、人の雰囲気が札幌に似ている気がするのは、そのせいなのかもしれない)

④制服リサイクルの大々的展開に見られる「教育費削減努力」

以前も書いたが、松山では公立中学、公立高校の制服リサイクルが進んでいる。
NPOと大手のクリーニングチェーン店がタッグを組んで、下の写真のように、いつ行っても買える状態でリサイクル制服を販売している。
体操服や学校指定ジャージも取り扱っているため、相当家計に優しいシステムが構築されていると言える。

システム化された制服リサイクル

PTAによるお譲り会も盛んなようだ。

ここまで家庭の教育費負担を無くす努力がなされている街を、私は今まで暮らしてきた場所で見たことがない。
意外と大きな出費である「制服代」が抑えられていることも、もしかすると、松山がナンバーワンになった要因の1つなのかもしれない。

**連続投稿738日目**

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