雑記|「趣味は歌舞伎を見ることです」から始まる歌舞伎普及活動
歌舞伎を見たことはありますか?
私は歌舞伎が大好きです。
「私の趣味は歌舞伎を見ることです。」という一文にはなかなかインパクトがあり、自己紹介をするには大変役に立つフレーズです。
映画も音楽も大好きですが、自己紹介の時には、せっかくなので記憶に残りやすい歌舞伎を採用することにしています。
歌舞伎を見る理由
歌舞伎を最初に見たのは2016年1月の歌舞伎座。今思えば、初春公演が最初だったなんてちょっと縁起が良いな。
演目は二代目中村吉右衛門の「梶原平三誉石切(かじわらへいぞうほまれのいしきり)」でした。
私はその迫力と圧倒的な"意味のわからなさ"に興味を持つようになりました。
当時はチラシの裏面にちょこっと書かれているくらいのわずかな簡単な筋書きしかわからず、誰が出ているのかも知りませんでした。セリフも難しくてよく聞き取れないし、舞台で行われていることがほとんどわからなかったのです。
なのに面白い!
石切梶原は時代物の長いお芝居です。歌舞伎ではない舞台にはちょくちょく行っていたので、「お芝居を見る」ことには慣れていたとはいえ、きっと2時間も意味のわからない舞台を見ていたら飽きますよね?
それが、面白かったんです。
とにかく迫力があり、役者個人の力量で成り立っている感じがしました。
特に吉右衛門の梶原平三だったのは、かなり大きいと思います。当時71歳とは思えない程の迫力、存在感、大きさ、そして場を支配する雰囲気。
↓こちらの舞台写真は、演目は違いますが「楼門五三桐(さんもんごさんのきり)」の石川五右衛門を演じる中村吉右衛門です。場を支配するとはこのことか、と実感した舞台でした。
※また別に五三桐については感想を残したいと思っています…!
そして大道具や衣装、かつら、化粧、音楽全てが初めて出会うものばかりで、この世界をもっと知りたいと思うようになりました。
歌舞伎の普及活動
「趣味は歌舞伎を見ることです。」という言葉から生まれるのは、歌舞伎の普及活動。
と言ったら大袈裟ですが、歌舞伎を薦める機会が自然と増えてくるのです。
歌舞伎に興味がある人というのは意外といるもので、これまで見たことがないという人も結構います。そのような方には、「興味があれば行きましょう」とか「おすすめしますよ」と言っておきます。
さて、そんな時に注意していることがいくつか。
①長時間座っていることが辛くないか
長時間椅子に座っていることに慣れていなければ、上演時間の短いものを。なぜなら、歌舞伎がどうのこうのより、ただ疲れることで終わってしまうかもしれないから。それはもったいない!
②好きな役者がいるか
知らない演目でも、知っている役者が出ていれば、ちょっと嬉しかったりするものです。
③どの劇場で見たいか
中には「歌舞伎座に行ってみたい」という方もいます。基本的に歌舞伎座では昼夜2部制が基本なので、舞台を見慣れていない人には長尺との戦いになります。最近は3部制の月もあるので、"さくっと見たい"という方にはおすすめしやすい公演です。
④特に要望がない時は
ただ「歌舞伎が見てみたい」という場合は、荒事の演目をおすすめしています。隈取やかつらなど派手な格好の登場人物が多く、ザ・歌舞伎というイメージだからです。特に「車引」は上演時間も短く、わかりやすく、ビジュアルも面白いので、大変おすすめです!
来年、歌舞伎どうですか?
今年は歌舞伎界ではまさに「事件発生、かなりの事件」だったわけで(笑)、残念ながら5月以降は、なかなか歌舞伎を見ようという気になりませんでした。まあ、お財布事情的にも余裕があるわけではなかったので。
来年は、気になる公演が早速二月にあります!
歌舞伎座で十八代目中村勘三郎の追善があるみたい。そこで、「籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)」が上演されるようです。
中村勘九郎の佐野次郎左衛門、七之助の八ツ橋。これでも結構楽しみなのに、色男・繁山栄之丞に片岡仁左衛門ですって!(年齢的にもこれが見納めの可能性が十分にあると思ってます…!)これは行かねばなりませんね。
花魁と田舎者の悲しい廓話といったところで、結構長いのですが見どころも多いので、せっかくなのでお誘い合わせの上、行ってみてはいかがでしょうか?
ちなみに籠釣瓶と同じ1部には「新版歌祭文 野崎村」と「釣女」。両方とも見やすい演目です。
野崎村は身分が壁になる三角関係をコンパクトに描いた世話物。田舎娘とお金持ちの娘の板挟みになるイケメン丁稚に中村七之助(レアだね)。楽しみだな。
釣女はいわゆるコメディで、何にも考えずに見ても笑える。そして配役も絶妙。獅童のこういう役はなかなか面白いし、大名に萬太郎というのも古風で雰囲気が出そう。からの醜女に芝翫!(醜女という役名でお察しください)
十八代目勘三郎は亡くなってもなおファンが多く、勘九郎七之助という有名兄弟もいるため知名度が高い。ですので、チケットはちょっとだけ要注意ですね。おそらく土日の3等席はすぐに無くなってしまうと思われます。
ぜひ、歌舞伎初めは来年に!👏
ではまた。
◉掲載の舞台写真
・「楼門五三桐」平成30年11月 吉例顔見世大歌舞伎@歌舞伎座
・「菅原伝授手習鑑 車引」平成30年1月 壽初春大歌舞伎@歌舞伎座
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