「聞いてないんだけど。」

って言われたことがあった。

鬱病が判明する前。
適応障害になりやすいなって思っていた時期だった。

適応障害による休養、約半年を終えて、環境がガラッと変わった時期。

新しい仕事先で、大分辛かった。
生活環境が整わないまま様々な事が始まって、適応出来なかった。

適応障害だと思っていた症状は、どうやら鬱病の初期症状、もしくは、もうすでに鬱病だったのかもしれない。

適応障害は、治ったと思っていた。元気になったから、また人生頑張ろうと踏み出したところだった。
過去の精神疾患をわざわざ口にすることはない。それは自分語りでしかない。そう思っていたから、職場には何も言わなかった。

でも、私の心は直ぐに悲鳴を上げた。

自分自身、メンタル不調をあんまり自覚しておらず、ただ病んでるだけだと思っていた。病んでいるのが通常運転だった。
生理周期的にもそんな時期なのかなと。
(基本的に月経は軽い。PMSとは無縁のはずなのに、そのせいだと思った。そう思いたかったのかもしれない。)

私は仕事で見落としが多くあったらしい。
自覚はない。新人だから、私のせいだと思われていたのかもしれない。
頭は回らない。事項を処理できない。視野を広く持て?無理。
言葉が文章、文字でしかなかった。

自覚がある時ももちろんある。その時は、本当に焦った。申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

そんなある日。
仕事前、涙が止まらなくて、身体が重くて、動かなくて、職場でも泣いてしまうだろう(以前の職場で同じことがあった)と思い、お休みしたいと連絡した。

出勤することで迷惑をかけたくなかった。
それは、建前かも知れない。
自分が辛かっただけ。苦しかっただけ。
私が全面的に悪かったかもしれない。
でも、どうしようもなかったんだ。当時の私には。自分の最善をとっているつもりだった。

「メンタルの不調とか聞いてないんだけど」

と、怒気がありありと見られる声で言われた。

言ってないし。と思ったが、言うべきだったのかなと思った。

メンタル不調は雑談で話していた。でも、そんなに重大なことじゃない。はず。
それなのに職場の人は、重大事のことのように話していた。

その人は、私の心が重傷を負っていることに気づいていたのではないか。今思うと、そう思う。

でもそれなら、責めないでほしかった。

倍以上も年の離れた人だったと思う。忙しい職場だった。一番忙しい人だったと思う。でも、新人の、病んでる女の子を捕まえて、罵声浴びせないで欲しかった。
名前を呼ばれるだけで、恐怖に震えた。

ハラスメント問題は、人に寄り添わないから発生するものだと思う。
自分と、自分に対する相手と、相手に対しての自分と、相手を考えればいい。

私は、パワハラだったと、思ってる。
特に何を言うつもりもない。
ただ私が辛かっただけだから。

「出勤して迷惑かけたくないんです。」
「それがもう迷惑かけてるの!」

私の存在は迷惑なんだと、そう思った。実際そうだっただろう。それなら、クビにすればいいのに。

あの時は、本当に死にそうだった。
仕事だけのせいじゃない。
でも、この日初めて、私は包丁を自分の胸に突き立てた。

発する言葉には気をつけよう。感情のままぶつけないようにしよう。
些細なあなたの言葉が、人知れず、人を殺すかもしれないんだから。

ーーーーー

未だに、自分が悪かったのかわかりません。
いえ、多分悪かったんだと思います。でも、人に優しい社会ならいいのにと、本気で思った経験でした。余裕がない人が上に立つと、下の人が苦労するんです。なんでその人に余裕がないのか、もっと上がしっかりと機能していないからでしょう。もしくは、不満があっても言わない人がきっと多すぎるんです。
職場の人には、申し訳なかったと思ってます。ただ、私は精一杯生きてました。
だから私は、精一杯生きている人の強さ故の痛みに、気づける人でありたい。

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