経営者の生き様とご飯＃５
夜10時半のラーメン
仕事場から長い坂を下り国道沿いにある来来亭
無邪気にラーメンを食べる幼い息子
幼稚園の年長で６歳
卒園間近、小学校入学を控えた２０１１年３月
仕事終わりの夜１０時半
６歳の子どもには遅すぎる晩ご飯。
今日を生きる
再生不良性貧血
２歳の娘がそう診断され入院していた。
助かるためには骨髄移植をするのが最善と言われた。
まさかうちの家族がこんなことになるとは。
妻は娘に付きっきりでずっと病院にいる。
独立してすぐの出来事。
仕事を取れるのか？生計を立てられる収入を得られるのか？
不安で、必死で、全部しんどい時。
朝、息子を幼稚園に送り届け、仕事に向かう。
夕方、幼稚園に迎えに行き、そのまま息子を連れて撮影や打ち合わせに向かった。
仕事中も息子がすぐ側にいて、子どものことが頭から離れない。
ずっと気になるけど、もう仕方ないって割り切るしかなかった。
とにかく今日を生きていくことしか考えられなかった。
お座敷の席でいただきました
家族を守る
仕事が終わって晩ご飯を準備して食べさせる。
なんてできる訳もなく、週１はお世話になってた来来亭。
今となっては、そこを乗り越えたことが糧になっていると思う。
それにしても、よう耐えたわ。
耐えるしかなかったけど。
当時、周りの人たちの励ましも、慰めにしか聞こえなかった。
今日やること、明日やること、
目の前にやるべきことがあり過ぎて、悲観してる暇もなかった。
辛かったのは夜寝る前の時間。
身体が休む体勢になると湧き上がる思考と感情。
不安。しんどい。終わりが分からない。
「終わりのない渋滞はありません。」
村上春樹の小説のセリフを思い浮かべながら
その日その日をやりきった。
たまに病院の泊まりを妻と代わっていた。
体を丸め、娘が寝ている子供用ベットに無理やり入る。
「よかったな。」
って思ってた。
「今、息子はかぁかぁと一緒にいれてるな。かぁかぁのご飯。よかったな。」
ある日、お医者さんが興奮気味に走ってきた。
奇跡的に息子の血液の型が一致した。
息子が娘のドナーとなり、骨髄移植が行われた。
６歳の息子が２歳の妹の命を繋いだ。
その年の夏、娘は無事退院することができた。
現在２人とも元気で、息子１９歳、娘１５歳。
ほんまに、家族みんな、よう耐えた。
人とのご縁で繋がる
創業以来、紹介と口コミで様々な企業様の映像を制作してきた。
人との縁には本当に恵まれてる。
独立すぐに「うちのコンサルにこい。うちにいる3年の間に自分でいけるようになれ。」
と言ってくれた社長との出会い。
自分から様々な交流の場に出向き、志を持ち前向きな活動をしている経営者の人達と出会い繋がる。
人との出会いが仕事に繋がっていき、人脈が広がるにつれ、仕事も広がっていった。
シェアオフィスの皆さんともめっちゃ仲良し！
映像制作は天職
中小企業の課題解決のための映像。
制作するのは「外部に向けて発信」するための映像だけれど、
「内部の人を喜ばせる」ことを意識して制作している。
映像制作を通して、スタッフさんの愛社熱、組織熱、仕事熱を高めたい。
人の話を聞くのがとにかく、好き。
その人がなぜその仕事をしているのか？
どんな想いでその仕事をしているのか？
その人の人となりを通して仕事への姿勢が見える。
映像制作を頼まれた会社の社長さんの想い、仕事内容を聞く。
その会社のスタッフさんの仕事にかける想いを聞く。
本人たちが自分が働いている姿を見て、自分が誇りに思えるような映像を制作する。
「作ってもらって良かった！」
と喜ばれると本当に嬉しい。
時には社員旅行にお誘いいただき同行することもある程、社長のみならず社員の方々とも仲良くなる。
やっぱりお仕事の時の顔は違う顔！
使命は繋ぐこと
使命は何かと聞かれたら、
自分を通して人と人を繋ぐこと。
「サークルワークス」という社名は、人と人との縁が繋がる。そして円となり循環するイメージでつけた。
普段から人間関係で心がけていることは
フランクな対応。
相手が何か困ったことがあった時、ミスがあった時
「松井さん…すみません…」
と言いやすい人間でいること。
相手にとって「リラックスして何でも言いやすい人」でいること。
ご縁があって仲良くなった人がまた新たな人のご縁を繋いでくれる。
そして自分も縁のある人を、縁のある人に繋いでいく。
目の前で自分を通して人が繋がっていく喜び。
人との繋がりから生まれる喜びを繋いでいく。
経営者#5
サークルワークス株式会社
松井敬樹さん
ムービーさんが制作した、娘さんと息子さんの骨髄移植のお話のYouTube
経営者のご飯#5
来来亭 膳所店
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