#13 アクセス解析レポートをコミュニケーションに使おう

現在わたしの所属しているDX推進部のデジタルマーケティングセクションには2つのミッションがある。

1.MAツールを活用し、自社クライアントの新規開拓をする
2.各クライアントのマーケティング支援

1はクライアントのいない社内案件で、2はクライアントから依頼があった際、既存チーム(営業と制作のセット)ではできないのでサポートをする立場になる。

見習いマーケターの柏木くんは今まで自身が担当するクライアントのアクセス解析をやっていた。そして、ちょいちょい我が部に顔を出す営業部の荻野くんは最近クライアントの自社アプリで行っているクーポン施策のレポートを受注した。

わたし「先ず、柏木。そのアクセス解析は何のためにやっているの?クライアントが得たいものは?」

柏木くん「全体の数値を見るのと、企画毎の数値を見ることでしょうか。そして、次の企画のネタを探す・・・?」

わたし「”何のため”だよ?クライアントの最終ゴールは売上だよね?A社の場合は実店舗がメインだからサイトの役割はプロモーションになってくるの。」

柏木くん「はぁ・・」

最近はECサイトを持つことが当たり前になっているが、このクライアントは今その準備中である。そのブランドサイトをあずかっている当社が出来ることは『消費者へ商品情報を届けて店舗に誘導すること』。商品は実際に手にとってもらわないとわからないから、売上に直結させることはできないけれど、店舗への送客が増えれば売上が比例することは過去のデータからわかっていた。

わたし「そのためにサイトで見なくてはいけない数字は、全体のトラフィックもだけど、店舗検索ページもチェックしたほうがいいね。後、このお客さまのターゲットはSNSを活用しているはずだから、SNSもチェックしてね。」

柏木くん「でも、サイトの解析は売上に直結しないんですよね?クライアントにはどんな風に報告すれば良いのでしょうか?」

わたし「確かにうちは売上データを共有してもらっていないから、サイト解析をしてレポートするだけではお客さまの課題解決に繋がる提案はできないよね。そこで、レポートはコミュニケーションに使ってみよう。」

柏木くん「レポートがコミュニケーション?」

クライアントはレポートを対面で説明する時間を設けてくれる。その報告会の際にレポートを説明しつつ、疑問点に思ったこと(サイトから見えない店舗だけ施策とか)や、売上との関係をヒアリングできるのだ。

わたし「例えばね。サイトではあまりA企画は見られてないんですが、SNSをウォッチしていると注目度が高いんです。サイト以外、例えば店舗やSNS広告などやられてますか?みたいな。」

柏木くん「なるほどですね!」

わたし「逆に情報提供の手段としても使えるよね。ちょっと前にやった企画なんですけど、先週Twitterのトレンドに入っていまして再燃しているみたいなんです。とかね。」

結果がこうでしたと報告するだけではなく、お客さまの目標、この場合だと売上に直結するようなデータを収集し提供する。そして、お客さまと一緒になって戦略が考えられるようになれれば一人前だ。ちなみにコンサルタントという職業は、お客さまの課題解決をするためにマーケティングを使う。コンサルティングとマーケティングについてはまたコラムで触れることにしよう。

荻野くん「Bossさん・・・そうすると、ぼくがやっている売上データの集計なんかはどんなことを注意して見ればいいんでしょうか?」

わたし「じゃあ次は荻野くんの例で考えてみようか。」

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