#3 マーケター見習い柏木くん、レポート入力をする。

入社4年目の柏木くん。新卒で配属されたのは営業部でマーケターに憧れて、DMS(デジタルマーケティングセクション)に異動になったのだが、マーケター見習いと言えども就業時間を勉強に使わせるわけにはいかない。2人しかいないチームだけれど、仕事は5人分くらいあるしね。

柏木くんには実践で覚えてもらうために、自社サイトのアクセス解析と、今期導入したMA(マーケティングオートメーション)の運用をやってもらうことにする。

アクセス解析は営業で担当していたクライアントのサイトで経験があるし、MAは自社で運用できる人がいない。社内初とか新しいツールに柏木くんは弱いのだ。ちやほやマウントを取りたいタイプね。

現時点のリソースではMAツールを使って、既存顧客にメールを送ってお取引のない商材を紹介し、リニューアルしたサイトを見ていただき、そして営業にフォローしてもらうのが効果が出やすいので、社内プロジェクトとして全社の理解を得やすいと思ったのだ。
マーケティング部門がなく、デジタルマーケティングなんて未知の世界である小さな企業にとっては、デジタルマーケティング経験者がロジックやトレンドで説明するより、多少非効率でも今の営業部隊にメリットが見えるよう、既存顧客をアップセルさせるためのアシスタントとして活動したほうが協力者を増やし、会社の売上に繋がるコンテンツを作り続けられる。

Web会議で柏木くんに直近のミッションを伝える。

私「Analyticsは柏木のアカウントで見られるようにしておいたから。自社サイトはBtoBなので見るところがクライアントとは違ってくるけど、まずは今までやってきたことをまとめてみて。」

柏木くん「承知しました!」

私「MAについてだけど、導入プロジェクトの議事録は目を通しているよね?もう運用フェイズに入っていて、すでにメルマガを自社クライアント向けに1本、グループ会社に向けて2本送っているので、フォーマット作ってあるので、それに入力して。」

柏木くん「承知しました!」

共有したレポートフォーマットと、MAの管理画面を見ながらどの数字を入力するか確認する。

私「開封とかクリックはわかるよね?開封率なんかは自動で計算されるようになっているから。アクセス解析と違うところだとバウンスかな。これはわかる?」

柏木くん「今意味調べてます!」

柏木くんの良いところは、わからない単語があったらその場ですぐに調べるところ。

柏木くん「バウンスわかりました!届かなかったメールですね!承知しました!」

私「バウンスにはハードとソフトとあるんだけど、その意味と、なぜバウンス数が必要かわかる?」

柏木くん「わかりません!」

柏木くんの悪いところは、言葉だけ覚えてその理由や意味を深く知ろうとしないところ。そして、何度意味まで考えなさいと言っても直らないところ。

私「相変わらず、ぺらっぺらだな。」

入社4年目の柏木くん、1年前から0.5歩くらいしか成長してないぞ。頑張ってくれ!


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