#8 マーケティング思考のない営業はもういらない

私「そういえばさ、この間の展示会でコンテンツのネタになるような接客できた?」

先月、年に1度開催される展示会に当社は出展した。印刷会社としてスタートした当社。数年前からデジタルコンテンツ事業に力を入れ、既存顧客に向けて営業をしてたのだが、昔ながらの印刷会社としての色は強く、デジタルコンテンツはおろか、WebサイトやLPの受注も難しい状況で、デジタルコンテンツの受注をするためには新規顧客の獲得が必要であると判断し、見本市に5年間連続で出展している。

今年はその展示会ブースに柏木くんを立たせることにした。柏木くんは入社以来営業として1社のみを担当していたので、自分の会社が今デジタルコンテンツに力を入れていること、具体的なソリューションをぼんやりとしか理解しておらず、そのニーズもわからない。
異動になった新部署では全社のソリューションを扱うので、商材とニーズをセットで覚えられるいい機会だと思った。

柏木くん「いや、普通に名刺交換して名刺裏に名刺裏に質問をされたことを書いたら専任に渡しちゃいました。」

私「聞かれたことは柏木でもわかることだった?」

柏木くん「いや、わからないですね。私他の部署の仕事したことないですし。」

私「そっか・・じゃ、その後調べた?」

柏木くん「特にそういうことはしてないですね」

馬鹿なの?大馬鹿なの??

私「あのさ、柏木。今作っているメルマガとか、自社サイトって何を紹介しているんだっけ?会社の商材を伝えて、問い合わせしてもらうためにやっているんだよね?展示会なんて、直接お客様のニーズを聞けるチャンスじゃん?どんなニーズがあるかって考えながらブースに立ってって言ったよね??」

呆れつつもマシンガンのように伝える。

柏木くん「なるほど。そういうことでしたか。」
(終わってからの理解&上から目線なのは気のせいだろうか)

私「これからの営業はね、お客さまからほしいと言われたものを持っていく御用聞きじゃだめなんだよ。
お客さまの問い合わせはニーズ。その背景を考えて、他社事例やデータと照らし合わしながらベストな提案をする。マーケティング思考がないと売上なんか上がらないし、価格競争に飲み込まれるだけだよ。」

柏木くんに限らず、レガシーな営業は言われたものをそのまま出す御用聞きが多い。そして、値下げ交渉をされることが多いので仕入れを抑えるか、利益を減らすために努力をする。最近では、安かろう悪かろうで仕入れを抑えるために品質が低下している。

マーケティング思考があれば、お客さまの真の課題を見つけ、最適な提案ができる。付加価値の提供が利益に繋がるのだ。そして、そこで得た信頼は今後の売上に繋がる。言ったものを安く持ってきてくれる業者ではなく、自社のことを一緒に考えてくれるパートナーになれるのだ。

柏木くん「なるほど。深いっすね。」

(絶対わかってないだろ・・・)

私「あ、そろそろ展示会とメルマガの結果、サイトの状況見てホワイトペーパー作らなきゃ。」

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