#6 浅すぎる販促メールの効果測定

見習いマーケターの柏木くん。メルマガ作成に失敗した彼は名誉挽回しようと、配信したメルマガの効果測定と自分なりの考察を配信日翌日に送ってきた。指示待ちではなく、自分で動くのは良いこと。

柏木くん「Boss!今回のメールは開封率が前回より良くなったです。前回の夕方送ったものは良かったので時間を変えたほうがいいのでしょうか?
でも、クリック率は良かったので、コンテンツがいいと言うことでしょうか?」

ほう、それらしいこと言っているじゃん。

私「効果が良かったメールと違うのは時間だけだっけ?」

柏木くん「後、内容ですかね?」

浅い・・・浅すぎる・・・。

この時点で、柏木くんはいくつかのミスをおかしている。

1.効果測定をする期間を考えていない
配信直後が一番反応がいいが、普段のコミュニケーションにメールを使うことが少なくなっているので、朝夜だけメールチェックをする人も多く、会社のアドレスのメールを確認するのは朝と夜、セールスメールは気になったものだけ後でチェックという行動をする人も少なくない。

それに、前回のメルマガの効果測定は配信から4日間で取っており、今回は24時間も経っていない。良いところを見せようと焦った結果、早く数値を出すことに気が行ってしまっていたのだ。

2.差出人名を見ていない
MAツールから送るメールは、個々で差出人名とメールアドレスを変更することができる。前回のメルマガは内容と合わせて当社の役員名で送っている。今回は販促担当の柏木くん。この違いに気がついていない。

3.配信リストの違いを見ていない
前回のメールはシステムの都合上、ABテストではなくリストを分割していた。夕方のリストは少ないが、質のいいものだ。当然開封率も高くなるのだが、内容を見ていないのでそれに気が付かない。

その他にもあるのだけど、またもや柏木くんは上っ面の数字だけ追っていたのだ。

常々、わたしは若手に対して「思考は最低3回転させなさい」と言っている。これは昔通わせてもらった、ビジネススクールで習ったことでどの仕事をしていても私の基本となっている。

1回目は目に見えるもの
今回で言うと管理画面に出ている数字だ。ここから前回と比較する。

2回目は数値に出て来たものの理由を考える
前回とどこがどう違うのか徹底的に比較して、仮設を立てる

3回目は仮設に基づいて掘り下げる
本当にその仮設合っている?見落としはない?

疑わしいところがあれば、4回、5回と思考を繰り返す。そうすることで、見えないものが見えてきて、本質に近づけると信じている。

とても簡単なことだ。ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。いちばんたいせつなことは、目に見えない

星の王子さまでもあったよね。ちょっと違う?

自主的に動くことは柏木くんの成長だが、それは失敗したという焦りからきたもの。

あなたの仕事は何ですか?褒められること?

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