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「看護師を辞めて、在宅で働く」ことを推す発信をみて、少し違和感に。

看護師の仕事が好きで、できるだけ続けたかった。その先に見つけたのが、この仕事でした。


これは、私の本音です。

私は、看護師と保健師の資格を持ち、大学卒業してから両方の仕事でバリバリ働いた過去があります。

約10年間は正職員で働き、3年間はパート看護師として現場に残っていました。

その間に、結婚や出産、ワンオペ育児そして離婚を経験し、今改めて考えてみると

あー、やっぱり看護師の仕事、大好きだったなぁ

こう思うんです。なぜ、改めて思ったのかを考えてみると、2つの要因がありました。

そこで、看護師に焦点をあてたnoteを書こうと思います。今回も、私の持論ですから、いろいろな意見があってもいい話題かなって思うので、ぜひ見ていってください。


1、「看護師を辞めて〜」という発信が多い

コロナ禍を過ぎて、最近は看護師の資格を持つライターが本当に増えてきましたね。

ライターにかぎった話ではなく、ブログやSNS運用代行などの副業においても、よく広告で「看護師を辞めたい、あなたへ」みたいな表現がありますし、

「看護師を辞めて、毎日自由に働けるようになった」みたいな広告もあります。

少し前までは、「そうだよね、看護師辞めたいよね」と思っていたし、私自身も今の働き方になってから「現役の看護師には戻れないな」とも感じています。

でもその反面、看護師で働いていた頃の自分を思い出すんです。

  • 患者さんと話すのが大好きだった

  • 後輩指導にやりがいがあった

  • 信頼できる同期に出会えた

  • 先生たちとの飲み会が大好きだった

  • 自分のスキルアップを感じて充実していた

  • 夜勤明けの開放感は最高だった

  • 貴重な休みに遠出するのが好きだった

挙げればキリがないくらい、充実していた看護師時代。

私は昔から、人間関係で悩むことがなくて、当たり障りない距離感で人付き合いをしてきた感じでした。

看護師同士の人間関係って、本当にドロドロなんですが、私は問題なかったので、本当に楽しい看護師時代でしたね。

そして、とにかく人と話すのが大好きで、看護師や保健師の仕事自体ではなく、いろいろな人と交流するのことに充実さを感じていました。

ただ、大学病院で看護師をやっていたときは、辛いことや大変なこともありました。当然ですが。

  • 勤務中に東日本大地震が起きる

  • 急変や緊急事態における迅速な対応

  • リーダー業務をすることの責任の大きさ

  • 目の前で患者さんが亡くなることの辛さ

  • 無排卵月経になり、薬を飲みながら勤務

  • 当時の彼氏との別れも

辛さや大変さもあるけれど、看護師の仕事をしていなければ体験できなかった出来事は本当に多いと思います。

他の職業では体験できないことでもあり、看護師の仕事には誇りを持っていました。

話を戻しますが、ライターの発信者のなかに「看護師で働くのは違う」「子どものために働き方を変えた」「家族との時間を守るために看護師を辞めた」みたいな発信をしている人を見かけます。

もちろんですが、その考え方は全く否定しないし、私も共感する内容です。でもね、そんな働き方を推す発信はどうなのだろうか、、と正直思います。

それに、「月収50万円を安定して稼げるようになりました!」などの金額をアピールして発信するわけですよね。

結局、お金ですか。と。

家族や子どもがいるなら養うためにもお金は必要ですが、何か大切なことを忘れている気がしてなりません。

どんな働き方でも良いのですが、「看護師を辞める」「月収50万円を稼ぐ」という想いでは、たとえ在宅で働き始めても、同じように悩みや不安に襲われるんじゃないかなって。

結局は、その先に何がしたいのかってことだよね。

ライターの発信者は、「家族との時間を大切にできるようになった」とか「子どもの隣で仕事ができるようになった」とか、そういう戯言をいいますが。

でも、パソコン使った副業や在宅ワークをする人って、夫婦関係が悪くなったり離婚危機になったりする人ってめちゃくちゃ多い。

逆に「子どもとの時間が取れなくなった」「家族から認めてもらえない」という人が多いんです。

そして、「本当は看護師を辞めたかったのに、ライターで稼げないから辞められない。しんどいです」って涙を流す人も実際いました。

人によって生活背景も違うし、看護師に対する想いも違うから、いろいろな現実があるわけですよね。発信者ならちゃんと本当のことを伝えてほしいなって思うときがあります。

私は、仕事と家庭を分けたいし、子どもの隣で仕事をしたくないタイプです。

仕事をしている姿を見せられるのは素敵なことだけど、子どもの隣で仕事をするときの大変さも知っているから。

あとは私が、社会貢献欲や自己犠牲で奉仕する、看護師脳が染み付いているからかもしれませんが、

現場から離れて6年経った今でも、「看護師に戻れるなら戻りたい」と思いますし、「看護師の資格を活かした仕事なら、ライターじゃなくて、実業をしたい」と強く思っています。

つまり何が言いたいかというと、「看護師の仕事」「看護師である自分」を否定して、「在宅で働こうぜ!」「Webライターで稼ごうぜ!」みたいな発信者は、信用できないってことを伝えたいと思いました。

良い部分だけを取り上げるのは、ホント最悪です。

2、医療業界からの人材流出を抑えるための働き方として

最近とあるスタートアップ企業の事業構築のお手伝いをさせてもらっているなかで、改めて価値観を見つめ直す機会がありました。

これまでは、「医療資格を活かした仕事として、Webライターがある」ということを発信してきましたが、深くは考えていなかったなーと思わされたんですよね。

医療業界の課題として、看護師をメインに考えてみると、次のような点があります。

  • ライフイベントを機に退職する看護師が多い

  • 一度退職すると復帰が難しい

  • 復帰したいけど、勤務体制が合わない

  • 一度現場から離れると医療のアップデート付いていけない

これも、挙げればたくさんありますが、要するに「現場から離れる看護師が多い」ということです。

さらには、全く違う仕事をしてみたい人や実際に一般企業に勤める人も増えてきて。

これは、もはや医療資格者が「医療業界という輪から流出している」ということになるのかなって。

潜在看護師って本当に多いわけで、そのなかで「本当は現場復帰したい人」「専業主婦で子育てをしたい人」「他の職種で働きたい人」など、さまざまなわけですよね。

今の病院で働くのは合わなかったけど、もしかしたら違う病院では自分にあっていることもあるし、

配属先や勤務体制を変えただけで、毎日楽しく仕事できるかもしれない。

医療業界から違う業界に行かなくても、解決できる方法ってあるかもしれないんですよね。

そんな中、一つの選択肢として「医療系のライター」があると私は思うんです。

そこには、決して「看護師の仕事を辞めよう」と推しているわけでもなく、「自分の知識や経験を活かした仕事をしよう」と言っているわけです。

医療ライターのなかでも、働き方ってさらに柔軟にできる。

  • 専業で医療ライターをする

  • 副業で医療ライターをする

  • パート看護師を週3日、そのほかライターで働く

  • 病院内の広報担当としてライティングをする

  • 病院ホームページの管理者になる

  • 社内報や広報誌を発刊する

  • 院内パンフレットやポスターを制作する

  • 病院のSNSアカウントを運用する

もっと考えられる働き方はありますが、実際にこういう取り組みをしている知り合いの開業医がいます。

つまり、看護師の資格✖️ライティングっていうのは、とても最強だということです。

決して、「看護師を辞めて子どものそばで仕事をする」ことが正義ではありません。

どんな姿でも子どもは親の背中を見て育つし、小さい頃にそばにいてあげられなくても、頑張っているママ・パパの姿はそれだけで子どもにとっての自慢のママ・パパになるわけです。

そこにこだわるから、だから苦しむ人もいるのが現実なんです。

3、看護師の仕事は誇れるものであり、最強の武器になる

看護師の仕事が好きで、できるだけ続けたかった。その先に見つけたのが、この仕事でした。

つまり、看護師である自分を否定して欲しくないし、仕事を辞めて在宅で働くことを正義にして欲しくないというのが、私の想いです。

今の私の働き方を見ている人は、「そう言っても、あなたは看護師してないじゃん」と思うかもしれませんね。

何度も言いますが、私は看護師の仕事が好きですし、できるかぎり何かしらの形で続けたい職業です。

ただ、医療現場で働くだけが看護師の働き方ではない。働き方の一つとして、”今は”ライターをしている、というそれだけです。

私の目指すところは、もっと大きく広いものがあり、そこに向かう一つの手段としてライターを極めたいと思っているのです。

そして、目指している仕事は、看護師や保健師として働いたこれまでの経験も資格も、私自身が人と関わるのが好きだという性格も、すべてを融合できるものになります。

この情報過多な時代で、誰かの発信によって「看護師の仕事を辞めようかどうか」迷われている方は、じっくりと考えて欲しいと思い、このnoteを書きました。

看護師を辞めること、在宅で稼ぐことをゴールにして欲しくないですし、「家族や子どものために看護師を辞める自分」「看護師の給料超えを稼ぐことを目指す自分」に酔うのも辞めて欲しいと思います。

私は、この仕事のメリットもデメリットもしっかりとお伝えしていますし、ハッキリと物事を伝えるタイプでもあります。

自分自身がちょっと複雑な家庭環境で育ち、今は離婚してシングルマザーとなり、多少の出来事でも凹まない強さを手にいれました。

実際に私とお話をされるなかで、ボロボロと涙を流される看護師さんもいました。

私を頼ってくれた方には、一人ひとりに向き合って、その人の人生を一緒に考えていきたい、そう思います。これからも。

最後まで読んでくれて、本当にありがとう!!



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