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薬草と山歩き #1 水仙

こんにちは!「東洋医学的山歩き」を
深堀りしたいあゆ子です!

トップの写真は 淡路島の黒岩水仙郷
そろそろ見頃ですね(今年は閉園だそう)
私 水仙のエキゾチックな香りが大好きです

イギリスの山旅

水仙と聞いてまず浮かぶのは
英国詩人ワーズワースの詩『水仙』
湖水地方で登山をした折
ワーズワースゆかりの地を訪ねました

ワーズワースが暮らしたダブコテージ
(イギリス湖水地方)

6行4段落の詩は 1,3と2,4、5,6行目の
文末全てが韻を踏んでいて 
口に出して読むと とても心地よいのです
やわらかなその響きが
春の兆しを感じさせてくれます

登山家、田部重治さん

帰国後 いろんな人の翻訳を読み
最も心惹かれたのが田部重治氏の訳

丁寧に言葉を選び 品よく綴られた訳詩は
ワーズワースと共に
田部氏の人柄をも想像させてくれました

英国最高峰のスカーフェルパイク
ワーズワースがこよなく愛した
湖水地方の名峰

田部氏は英文学者であり
明治~昭和に活動した著名な登山家
山や自然を細やかに見つめる氏のまなざしが
訳文から感じられます

氏は数多くの本を書き残しました
私たちがよく知る山の月刊誌『山と渓谷』は、
創業者の川崎吉蔵氏が
田部氏の著書『山と渓谷』に感銘を受けて
命名なさったのだそうです


話を水仙に戻します

地中海沿岸が原産の水仙は
大陸を超え日宋貿易と共に来日
主に太平洋側で広がり自生地を作ったそうです

日本のエーゲ海とも称される
和歌山の白崎海岸
地中海からやってきた水仙が
この地で自生していったのもうなづける

水仙を愛でるハイキング

毎年1~2月には和歌山や淡路島へ
水仙を見に行くハイキングに出かけます

真冬に 開放感のある温暖な海沿いで
花見ハイクが出来るのはポイントが高いです!

和歌山・重山より紀伊水道を臨む
すぐ近くには水仙の自生地があります
黒潮のおかげか
春のような心地よさの海岸線ウォーク

薬草として利用された水仙

エキゾチックな甘い香りの水仙ですが
全草に猛毒があります
葉っぱが玉ねぎやニラに似ているため
誤食による食中毒をよく耳にします

が、その毒性を逆手にとり 必要成分を抽出し
食中毒の吐剤に利用できるのだとか…
乳腺炎などの患部に鱗茎(土中の白い部分)を
すり潰して貼布する民間療法もあるそうで 

昔の人の知恵と勇気には
いつもながら驚かされます
(絶対に真似をしないでくださいね)


淡路島、黒岩水仙郷
1月ごろには500万株の花を咲かせる

名前の由来

最後に水仙の名前について…

学名はギリシャ神話に登場する美少年
ナルキッソスに由来します
池に写る自身の姿に終始見惚れていた少年が 
水仙に姿を変えられたという物語から
ナルシストという言葉が派生しました

花言葉も自己愛 うぬぼれなど
マイナスの印象がまとわりついています

園芸種の Tete a Tete
意味はフランス語で「内緒ばなし」だそう

ですが うつむき加減で憂いをおびた花姿は
日本人の情緒にドンピシャで
床の間に活けても和室によく調和します

初春らしい優しい花言葉に
変えてあげて欲しいと
水仙が大好きな私はいつも思っています

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