見出し画像

法律職との連携・協働

今週は珍しく早く帰れる日が多く、少し余裕ができたので、つらつらと近況を書いてみることにした。なかなかの業務量があり、休みの日は社会福祉士会の企画や地域行事などでnoteから離れてしまっていた。反省。
上の写真は、数年ぶりの吉野家の牛丼。普段は節約で弁当だが、時には外食。昔ほど美味いと思わないのは気のせい?

司法書士事務所に入って半年が経とうとしているのだが、そこそこに楽しくなってきた。仕事に慣れてきたというのもあるのだが、司法書士事務所に社会福祉士がいるということが周囲に徐々に広がり、最近では中核機関からの後見制度申し立て依頼はもちろん、地域包括支援センターから相続手続きの依頼が入ったり、不動産売買についての意見や情報収集を求められたりと、福祉と司法書士事務所との連携で多様なニーズに応えられつつあることに手応えを感じている。もっとも、まだ数件ではあるが。そもそも司法書士事務所としてはこれまでも多数の債務整理の相談に応じてきたこともあり、人を「支援する」ということに高い意識とモチベーションを持っているので、福祉との協働には壁が存在せず、風通しが良い。多職種協働と言われて久しいが、ただ連絡して対応を依頼すれば良いわけでもない。2点ほどあげてみたい。

1 組織化

 従来、課題によりチームを招集して会議→方向性を決めて支援を実行というプロセスは行われてきている。チームメンバーは、ソーシャルワーカーが連携の要となりながら例えば保健師、医師、弁護士などが含まれていることもあるだろう。しかしそれらはいわば単発目的型のチーム。そのため、進捗確認をするにも次回の会議を待たなくてはならず、日々動きが出てくるようなケースではフットワークが効かない。相手が医師・弁護士となると、チームの調整を司るワーカーでもおいそれと連絡を取ることも憚られるのが実情。それに対して、同じ事務所に他職種がいる、つまり常時組織化されているということは、例えるなら地域包括内に社会福祉士と保健師がいるように、お互いの利点を活かしながら対応ができる。いや、それ以上に、社会福祉士とは専門性が違う法律職が同じ組織に属している場合、クライエントを支える方途の幅が広がる。このようにいうと、「病院には医師とソーシャルワーカーがいるから同じだね」と言われるかもしれないが、本当にそうか。訪問診療を行う医療機関ならばまだしも、大病院の場合はソーシャルワーカーと医師との距離は遠い。ましてやソーシャルワーカーにはベッドコントロールしか求められていない病院も存在する。医師をはじめとする医療系専門職は、他の専門職と肩を並べて酒を飲むようなことができない生き物だというのが私の持論。おそらく医療機関の運営上、立場の違い、役割の違いを組織内にはっきり意識させてきたからでもあるし、法律上「医師の指示のもと」業務を行う看護師など、医師が指示を出す側だと規定されているからだと思う。他の職種と協働しようと思うと、よほど意識を変革しなければならない。
医師などの医療職よりも法律職の方々は社会福祉士と距離をとらず、専門性を理解しながら仕事ができるし酒も飲める。よって、密度の高い協働ができるのだが、それが最大化できるのは同じ釜の飯を食う関係性、つまり同一事務所に所属する場合だろう。

2  専門外の知識を持つ(ある程度)

2つ目としては、自分の専門外の分野にもアンテナを向け、知識を持つことである。協働には、「自分で全てを担おうとしない」「他の専門職に任せるべきは任せる」という姿勢は、チーム員の専門性を発揮するためには必須なので、それと逆のように思えるかもしれない。が、協働する相手がどのような専門性を持っているのか、教科書の上だけで理解することは難しい。例えば、社会福祉士がクライアントの課題を分析するにあたり、「これくらいの負債ならば司法書士でも可能」だとか、「時効が援用できる可能性があるな」とか、「不動産を売却して引っ越さなくてもリースバックでどうかな」など、他の専門性を持つ方へ繋ぐ目処が立つ。他分野の知識が0だと、この課題をどこに持ち込めば良いのかはもちろん、解決までの勝ち筋も見えてこないこともあるだろう。それだと上に書いたようなチーム会議が開催される日を漫然と待ち、全く解決がつかない状況をつらつら説明し、他の専門職からの助け舟を待たなくてはならないことになる。

留意点もあるにはある。
専門性が違えば、全く特性が違う。法律家は記憶力、処理速度、言語理解力がとても優れている。そちらの能力に偏っている感もあるので、福祉系で個性的だと言われるような人とは違う個性をお持ちの方がいらっしゃる。また、一緒に仕事をする上であまりに処理速度や言語理解力の差が目立つとしばかれるとは思う。胃腸の弱い方は注意。
ともあれ、さまざまな分野に社会福祉士のニーズが広がり、貢献できる存在になることを切に望んでいる。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?