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入院手続きと後見人の役割

先週は入院対応が2件。入院に関する手続き自体は正直難しくはない。が、時間をとんでもなく消費する。今日も後見人活動の現実を書き綴ろう。

入院対応1件目


 まず1件目。施設で転倒した80歳代の女性。あらかじめ伝えておくが、経済的にはギリギリの方だ。大腿骨頚部骨折の疑いで総合病院へ搬送された。「なるべく早く病院へ来てください」と連絡があるが、そんなに予定が空いていない。午後2時に病院到着。救急で1時間ほど待たされてからようやく本人のベッド脇へ。本人に声をかけていたら、看護師が。看護師から簡単に説明を受け、10分待ったら医師が到着。説明を受けて、手術の同意書等に署名を求められる。本人にも状況を説明し、手術意向を確認。(認知症があるけど、意思の確認は大事)医療同意の権限はないが、本人に代わって署名。その後、看護師から入院手続きの書面を受け取る。特に説明があるのは、入院セットの話。タオルとかオシメとかのあれだ。「Aセットが良いと思います。」と、だいたい勧められるのは、歯ブラシ等の生活必需品まで込みのプラン。ここで本人の経済状況を考慮して若干悩むが、いちいち不足物品を持参することを考えると、ここは看護師の言う通りにするのが吉と判断。
そして、「4人部屋が難しかったり、大声が出たりしたら個室で良いか」との問い。ここは全力で拒否。経済面が厳しく絶対に個室料は支払えないと伝えておく。その後、書類を入退院の手続きをする部署に持参して署名捺印。ここではそれほど待ち時間はなくスムーズなのだが、ここでは身元保証人欄へのサインに注意。連帯保証欄に後見人名を単純に書くと、医療費が支払えない場合は後見人個人が支払わなくてはならなくなる。そのため、ここも全力で拒否。身元保証人となっている箇所を二重線で消し、「成年後見人」と書き換えるか何も書かないかの2択。
 さて、書類が終わったら待合にて待つ。再度医師に呼ばれ、手術日や術式(呪術廻戦のそれではない)の説明がある。それが終わったら病棟へ。病棟でも相談室で待たされた後、看護師から預け金の話など入院生活の具体的な内容を説明される。この説明自体は短時間。その後、手術を担当する麻酔医からリスクの説明があるとのことで、これも医師が相談室に来るまでに30分ほど待つ。待つ時間に比較すると説明は淡白ですぐに終わる。その後、帰っていいかどうかの確認に多少時間を要し、帰宅許可が降りる。
病院を出たのは17時過ぎ。

入院対応2件目


さて、2ケース目はちょっと状況が違う。ある日の午前9時、当初予定していた通り、本人(被保佐人)を精神科にお連れする。医師の診察に同席。状態が悪いとのことで入院(医療保護入院)を勧められた。この点は私もそう思っていたので同意。本人も了承。さて、一旦自宅に帰って準備して午後からくるようにとの指示。外来会計を済ませて一旦自宅へ。これが10時30分。再度12:30に自宅に迎えに行き、13:00病院へ。タオル等はあるものの、衣類が少ない(ほぼない)のが気に掛かる。
病院では、受付で15分ほど待った後に体重測定等。その後医師の診察や説明を再度受ける。そして本人は病棟へ。保佐人である私は、受付ロビーにて待たされる。待つこと30分以上。一度「まだですか」と催促してようやく手続きが開始。入院の説明を受けて署名等を行う。ここでも入院セットについて説明があり、また悩む。この方も経済的ゆとりは皆無なのだ。事務的な手続きの後に病棟看護師の説明があるということで、看護師到着まで待合で待つ。その後看護師が到着。「衣類が少ないので、買ってきて欲しい」と、上着3着、Tシャツ3着、紐なしズボン3着。
その後、15:00ごろにようやく解放。

一度事務所へ戻り、記録。それが終わったら別の用事を1件済ましてから、本人の衣類を探すべくしまむらへ。この方は女性なので何を買ったら良いのか散々悩む。加えて紐なしズボンがない!あるものだけを購入し、再び事務所へ戻る。戻った時刻は17時ごろ。

といったような感じになる。入院対応自体は決して難しいことではないが、経済面が厳しい場合は慎重にことを進める必要があるし、それより何より時間を要するという点が重い。2事例で述べたとおり、病院では待たされることが多い。仕方がない部分はあるので病院を責めるわけにもいかないのだが、とんでもなく忙しい時の「待ち時間」は特にモヤモヤする。
対策としては、病院での待ち時間に関してはパソコンで作業するなり時間を有効利用するのが吉。それを叶えるにはパソコンやオンライン回線を準備しておくこと。コストはかかるが時は金なりという通り、必要出費だと捉えている。

後見人の仕事をしているとモヤっとする現実に出くわすもほどほどにあるのだが、入院対応は本人の不安な気持ちに寄り添う時間でもある。そのことを忘れず、前向きに。




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