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釧路・阿寒湖コタンへ行ったよ

○いざ行かんとなった理由 大学生の時に「AINU MOSIR」「Kapiw&Apappo〜アイヌの姉妹の物語〜」についてレポートを書いたことがあって いずれも阿寒湖コタンが舞台だったので、いつか行ってみたいという気持ちがあった。 まず、両映画について端的にご紹介。 「AINU MOSIR」フィクション映画 主人公・カントは阿寒湖で育った中学生。趣味は音楽で、友人とバンドを組んでいる。 アイヌ文化の継承のため、同じコタンに住むデボが主体となり、ひっそりとイオマンテを復活さ

    • ゼミ合宿を終えて

      今回はゼミ合宿を通じた私の中の考え方の変化などをまとめてみようと思う。 アイヌオタクを長いことやっているが、日々学ぶ中で自分の中でアイヌに対する興味ポイントが変わってきている。 私が最初に関心を持ったのは小学校2年生の時に読んだSHAMAN KINGという漫画に出てくるキャラクター「ホロホロ」がきっかけだ。アイヌ文化に関してカッコイイというイメージがあったし、他の人がまだ詳しくないことだったから余計に知りたいと思った。最初に関心があったのは「アイヌ文化」。自分で勝手に本を読ん

      • ゼミ合宿2日目!

        2日目は念願のウポポイへ。さて、ウポポイといえば私にとって謎の存在だった。できたと聞いた時は嬉しかったが、実際どうなんだろう?と思っていた。 ネトウヨたちは「国の金を貪るアイヌ」とか「アイヌなんていない」「嘘の歴史だからウソポイ」とか批判しているけど、そういう荒唐無稽な批判ではなく。映えスポットみたいになってて、なんかそれでいいのかなって、プロジェクションマッピングってなんやねんって思ったし。展示のされ方がどんな感じなのかも気になった。「k=」(私たちが)が主題であることはな

        • ゼミ合宿1日目

          ついにアイヌコタンへ!きた! 新千歳から車で二風谷へ連れて行ってもらった。 まず気付いてしまったこととして、意外と博物館見ても面白くない。面白くない自分にびっくりした。え?なんで?こんな楽しみにしてきたのに? 理由を考えたんだけど、本で読んだようなことではなくて、今もっと知りたいことがあるからだ。過去のアイヌの文化とかは本で大体学んだけど、今のアイヌについて知りたいと思っているから。最近の関心は、二風谷の若者がどんな風にアイヌであることと向き合っているのか?だった。博物館って

        釧路・阿寒湖コタンへ行ったよ

          イオマンテをどう描くか

          送られてゆく、カムイの視点を、初めて見た。 「AINU MOSIR」とは、「アイヌの土地」を意味する。この映画の舞台はアイヌの阿寒湖コタンだ。観光地で育ってきた少年カントと共に物語は進む。カントの父はすでに亡くなっており、部屋は在りし日の姿そのままに、静かな悼みを伴いながら1年の時が経過していた。母は観光工芸店を営み、伝統文化を伝える活動に勤しんでいる。デボは亡き父の友人であり、カントを森に連れ出してアイヌの伝統を彼に教える。いつか阿寒を出ると言っていたカントも、自然とデボ

          イオマンテをどう描くか

          観察のまなざし

          ”ふぶきのこえ われをよぶ とらわれの われをよぶ いのちともしき われをよぶ けれども血は、山で育った私の馬鹿な血は、やはり執拗に叫ぶのだ。” とらわれの「われ」は観察される客体として存在することに耐え兼ね、血の叫びに従い猿ヶ島から旅立つ。太宰治の「猿ヶ島」は、ロンドン博物館附属動物園から遁走した2匹の日本猿の物語だ。彼らを呼び起こしたのは紛れもなく故郷の血、すなわちアイデンティティである。 一方、映画「サーミの血」はサーミ人の主人公エレ・マリャが故郷もアイデンテ

          観察のまなざし